●AUBERCYのサイドエラスティック

夏の旅行でAUBERCYのサンプルを見た時に、サイドエラスティックシューズもあって、気になっていました。
日本に帰ってから、AUBERCYのXavierさんから、メールをもらったので再度サンプルを送って欲しいと依頼しました。
そして届いた画像サンプルでは、ウィングチップタイプかトゥ・キャップ全体にメダリオンが入ったストレートチップタイプしかありませんでした。
パンチド・キャップトゥタイプはないかと尋ねたところ、「サンプルには無いが、オーダーは可能」との返事をもらって、早速オーダーしました。
レースアップのストレートチップでは、フィリップのようなパンチド・キャップトゥが気に入っていたからです。
イメージ図を送ったりしながら、やり取りして、仕様(下の画像の通り)は決まりました。
(1つだけ要望通りで無かったのは、「マッケイ製法ではなく出来ればハンドソーン製法にして欲しい」とのことにしましたが、出来上がりはグッドイヤー・ウェルト製法でした。)

そして、年末年始のフランス旅行時にパリにも寄って、完成品を受け取りました。
我ながら、「かっこ良い」との第一印象でした。
スクエアでチゼル気味のトゥに向けて絞り込まれたシルエットに、美しいと感じてしまいました。
控えめにステッチ外側にのみ入ったパーフォレーションもさりげない感じがして嫌味がありません。
何よりも驚いたのが、ベロ部分以外は全て一枚革で造られていたことです。
トゥ・キャップのように見える部分も、単にステッチが入っているだけなのです。
サイド部分もステッチのみで、ヒールで縫い合わせされています。
こんな凝った仕様は、特にオーダーしていなかったので、得したような気分でした。
さらには、実際に履いてみると、サイド部分が伸縮して微妙なサイズを調整をしているような感じで、試し履きの状態にもかかわず履き心地は最高でした。
AUBERCYのドゥミ・ムジュールは、パターンオーダー的にサイズと革と靴の種類を選ぶのですが、かなり自由度があります。
デザインをサンプルに無いものにするだけでなく、踝に当たる部分をカットしてもらったり、トゥ部分を調整してもらったりしています。
何度かオーダーしたので、お互いに信頼関係も生まれて、安心してオーダーできるようになりました。

実際に履いても、スリッポンタイプながらストレートチップにも見えるさりげなさといい、足にフィットする履き心地といい、脱ぎ履きが楽なことといい、とっても気に入ってしまいました。
このパンチド・キャップトゥタイプを、ライトブラウンとダークブラウンなどの色違いも欲しいと感じ始めています。


正面から見た画像。スクエアでチゼル気味のトゥが印象的です。

履き口が小さめなので、立っている状態ではパンツの裾からベロ部分は目立たず、普通のパンチド・キャップトゥにも見えます。

遠目ではトゥキャップに見えるのですが、実はステッチが入っているだけです。

サイド部分も、ステッチのみです。