●AUBERCYのホールカット・ノルベジアン

2001年の7月に、パリのショップで1/2メジャーと言われるパターンオーダー(完全なビスポークではなく、簡単なサイズ合わせと微調整をして、好きな靴と革を選ぶ簡易なオーダー)の、トリプルソール・ウィングチップを完成品を手にしました。
その結果、サイズがわかったので、日本からでもメールなどでオーダーが可能になりした。
そして、フランスの靴雑誌「TREPOINTES」などからホールカットの靴にしようと決めました。
メールでやり取りして、ラストはセミスクエアと決めました。
「TREPOINTES」で見て気になっていたラストのタイプです。
素材は、何も考えずにカーフにしようと考えていたのですが、コードヴァンもあるとのことで、勧められるままに決めてしまいました。
オールデンにも使われていて、よく知っているホーウィン社製とのことで、安心できたこともあります。
日本に送ってもらえるとのことでしたが、パリに行く予定があるので、直接ショップに伺うことにしました。
そして、2002年1月にパリのショップに取りに行きました。
実物を見て、我ながらうっとりするほどの出来ばえでした。
コードヴァンの質感はともかく、シェイプされたトゥに向けてのラインに魅せられたのです。
甲も低めで、ノミで削られたようなチゼルトゥも、美しいです。
ノルベジアン製法の独特のアッパーに入った白いステッチも、いい意味でアクセントになっています。
さらには、コードヴァンも、オールデンのように品質にバラツキがあることもなく、左右とも上質な革が使われています。
履き心地も、ノルベジアン製法ですが比較的ソフトな感じで、トリプルソール・ウィングチップではルーズ気味だったWIDTHも絞られていて(事前に依頼しました)、程よいタイトフィットです。
とにかく、大満足の1足でした。
1355ユーロ(免税込み約13〜14万円)と、フランス現地価格としてはかなり高価ですが、その価値のある靴と思います。


微妙なラインがよくわかる横から見た画像。鈍い光沢のコードヴァンの質感も良くわかります。

正面から見た画像もきれいなラインを描いています。

チゼル気味のトゥと、ノルベジアン製法特有のアッパーにまで入ったステッチがよくわかる画像。