●AUBERCYのホールカット・ノルベジアン(紺)

前回買ったホールカットが、チゼル気味のトゥとポインティーな美しいラストに加えて、履き心地もカウンターが張り出した土踏まず部分が心地良くて、とても気に入ったので、夏(2002年7月)のフランス旅行を前に色違いをオーダーしようとの気分が盛り上がっていました。
既に微調整後の私のサイズはショップで知っているので、2〜3ヶ月前にメールなどでオーダーするだけで持って帰ってくることが可能です。
サンプルの色画像をメールで送ってもらったのですが、気になっていた紺系はややくすんだブルーグレー系でした。
迷った末に、黒とか茶色では刺激がないと感じていた時期でもあり、紺色系が結構気に入ってきたので、前回買ったホールカットと同じ仕様の紺を日本からメールオーダーしました。
AUBERCY独特の1/2メジャーと呼ばれるパターンオーダー(完全なビスポークではなく、簡単なサイズ合わせと微調整をして、好きな靴と革を選ぶ簡易なオーダー)なのですが、2足注文済みですので、メールではありますがスムーズにやり取りが進みました。
そして、パリで完成品にご対面しました。
グレー系を感じはしますが、想像よりは濃い色合いで、個人的な好みにマッチしたとても良い雰囲気でした。
しかも、カーフではありますが、コードヴァンに優るとも劣らない程よい光沢も感じられました。
さらには、ノルベジアン製法のステッチの糸も、前回同様白でアクセントになっています。
ただし、シューレース先の飾りはオーダーしていなかったのですが、予備のレースをくれたので、クレームにはしませんでした(とりあえずはそのまま使っています)。
レースが解けやすい欠点はありますが、これはこれで、遊び靴の雰囲気を高めてくれています。
1000ユーロ(免税込み約10万円ちょっと)と、フランス現地価格としてはかなり高価ですが、その価値はあると思います。

実際に履くと、印象よりは青系のアッパーが意外と目立たない靴です。
一方、ソールとアッパーの白いステッチは、美しい靴のラインを強調して、少々目立ちますが、良いアクセントになっています。
履き心地は、土踏まずまで伸びた芯の効果と、ノルベジアン製法にしてはソフトなソールであるからか、とても心地良いです。


ポインティーで美しいデザインです。シルエットを強調する白いステッチも印象的です。

縦のアングルでは、スクエアで美しいトゥが一層引き立ちます。程よい光沢も、良い感じです。

先が切り落とされたかのようなチゼル・トゥがよくわかるアングルです。とても、美しいシルエットと思います。