●モディファイドラスト

★オールデンの特徴の1つのモディファイドラストを紹介します

オールデンは、コードヴァンで有名ですが、土踏まずを心地よく圧迫してくれる独特の木型のモディファイドラストの靴も最高です。
まさに、足にぴったりとした履き心地になります。
今回、このモディファイドラストのV−チップをアバディーンラストと比較します。

私は、あまりにも無骨なデザインの多いこのラストの靴を最近買いましたが、なぜもっと早く買わなかったか後悔しているほどです・・・。


デザイン的には好みがあるでしょうが、モディファイドラストのV−チップは、履くことを楽しみにさせてくれる履き心地の靴です。
何といっても、足にぴったりくる履き心地が最高なのです。
履いた人にしかわからない、ある意味で麻薬的な履き心地を持った靴です。
ただし、コンフォートな履き心地を実現するために素っ気無いデザインになるので、ちょっと好みは分かれるとは思います。
最近は、バリーラストのチャッカーブーツとプレーントゥの方が、人気が高いそうです。
私も、今回比較したV−チップでは、掬い縫いのステッチの入ったアバディーンラストの方が洒落ていて、わかりやすいデザインと思います。
しかしながら、履き心地などを加味したトータルな印象では、甲乙つけがたいとさえ感じているのです。

カーメルでは、定番品としては扱っていません。
日本には、V−チップ以外にもモディファイラストとしては、プレーントゥ、ストレートチップ(一列のメダリオン付き)、サドルシューズタイプのV−チップなどがあります。


●上から見た比較

(上がアバディーンラスト、下がモディファイドラスト、のV−チップ)

この画像でみると、上のアバディーンラストの方が洒落て見えます。
逆に下のモディファイドラストは、くの字に曲がった素っ気無いデザインです。
しかしながら、くの字に曲がった独特木型の効果で、甲の部分が広がっているので不快なきつさをやわらげ、土踏まずの部分が絞られていることで土踏まずの部分が心地よく押されて、何とも言えないいい履き心地になります。
しかも、実際に履くと、広い甲の部分がコードヴァン特有の鈍い光沢が結構目立って、アクセントにもなります。


●後ろから見た比較

(普通の靴:アバディーンラスト)                           (モディファイドラスト)

踵部分も、モディファイドラストの靴は、外側に傾斜した独特のものです。
包み込むような履き心地を維持しつつ、楽な履き心地を実現しています。
ぱっと見は気づきませんが、いろいろ思考錯誤して完成されたことが、よくわかります。


●ソールの比較

(上がアバディーンラスト、下がモディファイドラスト、のソール)

上のアバディーンラストも土踏まずが絞られていますが、全体的に細いのがわかります。
下のモディファイドラストの方が土踏まずのさらに絞り込まれている一方、先の方が丸みを帯びて余裕があります。
※細いデザインのアバディーンラストとの比較なので、それほどの差はないようにも見えますが、他のバリーラストなどとの差はもっとはっきりしています。