牧啓夫の野球記録研究所
コラム

牧が感じたことを、コラム風に書いてみます。なお、日付は文章を書いた日です。

2005/2/28

 「飛ぶボール」についての続きです。

 「材料のいいボールは相対的に飛びやすい」と「材料の悪いボールは相対的に飛びにくい」という2点は、経験則としてはかなりの確度をもっています。

 では、逆のことが言えるかどうかは、それほどにはわかっていません。

 今回、ミズノがボールの再設計を行なうことにより、材料の質をさげずに反発係数を抑えたといいます。これは、簡単なことではなかったはずです。

 公認野球規則には、「ゴムかコルク(または類する材料)の芯に糸をまき皮でつつむ」と重量と周囲のサイズが決まっているだけです。皮は馬または牛ですが、糸は毛糸でなくてもよいです。(少なくとも日本の使用球はすべて毛糸を使ってますが・・)

 その中で、一貫して100%純毛(しかも再生使用なし)を使い続けたミズノの態度は、ひとつの見識であると、個人的には思います。

 ミズノの創業者の水野利八氏の言葉「ええもん作りなはれ」の精神も生きているのでしょう。

 しかしながら、いい材料を使って手間ひまをかけても「飛びすぎるボール」は、水野利八氏のいう「ええもん」ではないでしょう。

 とはいっても、紡績工場の床におちた毛糸に合繊をまぜてより合わせ毛糸を使ったボールが「ええもん」とも個人的には思えないのです。その会社が輸出したボールが、「羊毛90〜95%」という説明にもかかわらず、はるかに少ない羊毛しか使っていないケースが発見されています。

 これは、とてもじゃないが「ええもん」にはおもえません。まあ、その会社も再建めざしているし、以前のようなことはないだろうとはおもっていますが・・


2005/2/14

 本題に入る前にもうひとつ書いておきたいことがあります。

それは、「国際使用球」についてです。私はことあるごとに「国際使用球」というものがなんなのか質問してきましたが、いまのところ答えはみつかっていません。

いったいどこがどういう方法で検査し、認定したのが「国際使用球」なんでしょうか?

そこに日本からの代表はいるのでしょうか?

こんなことも説明しないで、軽々しく「国際使用球」って言葉をひとり歩きさせているマスコミってのはどうなっているんでしょうかねえ。

それから、個人的な信念として、「国際基準」にしたがうのはいいけれど、自分たちの国や機関が決定に関与できない基準にただしたがうというのは納得できません。

「IBAFが主導して、各国野球組織の代表者から委員を選出し「用具委員会」を組織し、そこが認定したものが「国際使用球」と認定される。」っていう話にしようっていう主張ならば、私にはわかりやすいのですが・・

野球を世界にひろめていこうとすると、自国で用具の生産ができない国もおおいでしょうから、それらの国の代表の意見をきくのもメリットがあるのじゃないでしょうか。


2005/2/7

 「飛ぶボール」について、私の現在の考えを何回かにわけて書いてみます。

まずは、本来、基礎知識にあたる話です。

80年代の飛ぶボール論議といえばでてくるのが、下田コミッショナー。「仕事をしたコミッショナーはこの人だけ!」と極論する人もいます。(まあ、これは極論すぎますけどね)

 歴代のコミッショナーを野球をしらないがゆえに批判する人もおられますが、下田コミッショナーが特に野球に詳しいとおもっておられるのでしょうか?

 私の知る限りでは、それは違います。

 「飛ぶボール」について、当初下田コミッショナーはある人に「技術の改良によって、ボールの飛距離があがるのなら結構なことじゃないか。ゴルフがいい例だ。」と語っていたそうです。

 その人がどうして、異例の「メーカーへのコミッショナー通達」そして、「新検査方式の導入」をすすめていったのでしょうか?

 それは、野球というスポーツの性質や飛びすぎるボールの弊害についてコミッショナーに説明し、新検査方式を模索した人たちがいたからです。

 だいたい、ボールの検査に「日本車両検査協会」なんて組織がでてくるのはなぜでしょう。いま、「ボールの飛び方」について調査を依頼すれは、受け手はいっぱいいるでしょうが。80年代当時では、そんなところは皆無。辛抱強く、いろいろな大学や機関に打診し、やっとあらわれた引受け手が、「日本車両検査協会」だったわけです。

 その人たちは、記録部や審判部そして事務局にもいたようです。前述の人は、そのうちの一人です。その人は「下田さんの偉いところは、野球を知らなくても理解力がある。一生懸命説明したらわかってくれた。そして決断してくれた。コミッショナーには、必ずしも野球の知識は必要ないとおもう。必要なのは、理解力と決断力。」と語りました。

 個人的には、今回不足だったのは、コミッショナーの動きもさるところながら、「一生懸命説明する人」だったとかんぐっています。


2005/1/14

 仕事の方がようやっと通常ペースになって、本年初更新です。

 2005年は、記録とゲームを中心に野球を見ていきたいですねえ。まあ、機構改革等々、無視できない問題は山積みではありますが・・・

 2004年は、人脈を広げるという意味では非常にいい年でした。2005年はそれ以上にしたいです。

 今年は、記録については、続けている併殺記録の分析に加え、ローテーションというもの分析を年間のテーマにしていきたいです。2004年は、犠打と盗塁が減少し、併殺が増加するという、私個人にとっては、あまりおもしろくない傾向がではじめています。その傾向がすすむのかどうかも、じっくりみていきたいとおもいます。

 ゲームについては、インパクトベースボールMLBの発表、1リーグ時代の選手のカード化というのが、前半年のテーマになります。

 最後になりましたが、またいいサイトとのリンクができました。 野球記録あら?かると は必見です。


2004/10/4

 選手会と球団の交渉はいろいろありましたが、結果としては決して悪くはないとおもいます。ただし、球団側が選手会の言う事を聞いておれば、こんなに時間をかけずとも作れた内容でありました。

 個人的には、交流戦を行うことと新規参入のふたつが希望でしたので、まあよかったです。

 もちろん、問題も多々あります。球団の情報公開等は思ったよりすすまなかったですねえ。小林至センセーは、球団の費用として最低45億とオッシャッテいます。ライブドア・楽天もそれくらいの見積もりのようですが、バファローズの費用80億ってのはなんなの???この35億の話をちゃんとしないと、将来にもかかわる問題です。

 「パリーグは、選手の年俸・球場の使用料がタダでも赤字になる」って言う人もいますが、せめておおよそ内容くらいおしえてもらわなけりゃ、サポートする気にもならないのが人情ってもんですよ。

 それに、差額35億ってのが、「いわゆる赤字額」に極めて近い金額なんだからねえ。

 四国独立リーグって話がでてきましたねえ。発想としてはアリだしがんばってほしいです。

 若干、見積もりが甘いような気がするのが気になるところです。金額のスケールからいって「スポンサーからの資金は選手の年俸、球場の使用料は自治体にウンとまけてもらって年間パスで、その他の費用は入場料収入」てなカンジでしょうか?前記2項が達成できれば、リーグの事務局が無給ならば成算があるかもしれません。そのうち、選手がドラフトされれば、裏金でなく「正当なキックバック」も手にいれられるでしょう。

 ただ、他人に見積もりが透けてみえてしまうのは、企画として好ましいことではありませんので、注意しなくちゃいけません。

 野球文化学會のサイトが本格始動です。ぜひ 日本野球文化學曾 のサイトをご覧になってください。

 「飛ぶボール論議」をされている方には必見の論文も掲載されています。


2004/9/14

 協議・交渉委員会が行われ、ストが回避されました。

 この結果については、いろいろ評価があるでしょうが、私としては、時間的な余裕を考えると、わるい結果ではないとおもっています。

 少し言いたいことを書いてみます。

 多くのマスコミの方々は、加盟金撤廃、保証金制度発足について誤解されているんじゃないでしょうか?30億でも60億でも受け取ったら全球団で分けることになっている加盟金と、(現在は5年を目途という話)戻ってくる保証金とでは、意味が違うでしょう。

 「加盟金が30億がなくなっても保証金が30億なら一緒でしょ」と言ったキャスターの方もいましたが、賃貸のマンションを借りる時、「礼金4月分」と「礼金敷金2月分ずつ」では違いがないのでしょうか?そんなことはないはずです。

 ただ、会社の場合は、税務対策という面があり、「保証金は勝手にはつかえないが資産になる」ので、場合によっては一時金として払い損金に参入したいという面があります。でも、そのキャスター女史がそこまで考えて発言しているとは思えませんでした。

 それから、球団による「来年交流試合をした場合のシミュレーション」ですが、これは当然球団側がだすべきものです。一部の球団は、「交流試合をしてもだめだ」という結果を出したいなんて報道がありましたね。「もし、交流試合をしても2割程度しか赤字を圧縮できず赤字体質はかわらない」ということです。

 えーと、これを本当に出そうするなら、まさに「ふざけんな」ですね。

 9/13(月)に実行委員会が開かれての報道ですからねえ・・・再検討するみたいですが、球団代表者たちが私がおもっているより愚かなのかもしれません。もしかすると、顧問弁護士あたりからチェックが入ったのかもしれません。

1.「赤字の2割圧縮」というのは、大きな結果であり「それではダメ」と簡単に言える結果ではない
2.1日やそこらでダメという結果がでる交流戦を、いままで主張しつづけていたのか
3.12球団でのシミュレーション結果が11球団での結果に比べ劣るという結論がだせるのか

 パッと考えてもこれくらいは考えつきます。今日(9/14)には、近鉄の財務内容の詳細の開示という話が報道されましたが、遅すぎるくらいです。


2004/9/14

今回のメンテでもアッパーデッキ座談会 ボールパーク公式サイト というリンク集に加えることができました。仲間が増えることは嬉しいですね。


2004/9/1

 芝池俊明・多事暴論 HSC江戸屋敷の部屋  という、大変おもしろいサイトをリンク集に加えることができました。ながくつきあわせていただきたいとおもいます。

 私設野球殿堂は、ひさしぶりに投手です。投手の記録については、比較が難しいのですが、「2位との差」に視点をおいてみることにしたいとおもいます。

 まず最初は、「防御率の2位との差」についてです。


2004/9/1

 アテネオリンピックも終わりました。日本人選手の健闘が目立って嬉しいかぎりです。

野球については、「今回のオリンピックではどのような結果になっても文句は言わない。」と心に決めていましたので、ある意味でラクに見ることできました。問題はありすぎるほどありますが、「よくやった」と言ってあげたいです。

 ただ、中畑コーチが開幕1月をきっても、テレビにでて解説をしていたのは、自覚の無さにもほどがあるとはおもいましたが・・・


2004/8/16

 ジャイアンツの渡辺オーナーが辞任しましたねえ。

 シドニーオリンピックでプロ選手派遣が決定した時、私は「これはむなしいかもしれないが、勝利にはちがいない。」と言っていました。ナベツネのオーナー辞任についても同じような感想をもちました。

 まあ、今回の件がナベツネやジャイアンツ、読売新聞の想定内の問題だったにもせよ、「オーナーの首をとった実績」というのは、無駄にはならない(無駄にしてはならない)ですね。

 それから、「失脚か院政」の話がでているところもありますが、これは若干気がはやいようにおもえます。今回はオーナーを辞任しただけですから、失脚するとすればこれから読売新聞社内の問題になるでしょう。

 院政をしくにしても、勇退と辞任では、多くの場合発言力に大差がでてきます。もうひとつ、院政をしくという場合、「ポストをどれ位自由にできるか」というのが問題になります。少なくとも、今回クビをきった連中に、前職にふさわしい位のポストにおしこめてやらなければ、院政もなにもありません。ナベツネさんの実質的発言力の多寡は土井・三山さんたち、さらに言えば吉田さんのポストを見れば、おおよそ判断できるでしょう。


2004/8/16

 オリンピックは、正直言って予想外です。私個人は、ボロボロになる予感がしていました。金メダル数は、8/16現在で、私の予想を上回っています。

 我ながら、見る目のないヤツです。こまったもんだ。

 選手たちの健闘は想像をはるかにこえるものです。選手の足をひっぱる者が少なくなることを祈ります。


2004/7/6

 6/30のコラムをふまえて、近鉄という企業について少し考えてみます。

 一時期は、阪急、南海、近鉄、西鉄、阪神電鉄と鉄道会社が親会社になっている球団が5つもありました。現在は、近鉄をのぞけば、阪神電鉄と西武のみです。阪神電鉄は特有の条件がいろいろあり、西武は鉄道とはいっても、いろいろな企業のグループですから、若干条件が違うかもしれません。

 阪急と南海は、1988に球団を手放しましたが、冷静に経済状況等々をみると、この時期あたりが「鉄道会社が球団を持つ」限界だったのかもしれません。阪急の場合は、一説には「ブレーブスをとるか、宝塚歌劇団をとるか」というところまで追い詰められたようです。私個人は、野球が好きで宝塚歌劇に思い入れはありませんが、「宝塚歌劇団をとった」阪急の決断はおそらく正しかったとおもっています。

 そういう状況下もありながら、いままで球団を持ち続けたのは、近鉄が日本一の私鉄だけのことはあったともいえるでしょう。しかしながら、そこが中途半端な状態を生んでしまったともいえるのではないでしょうか?

 まあ、多くの球団でもそうでしょうが、「カイシャフランチャイズ」でありながら、「球団が会社の中で何をするのか?何ができるのか?」についての考えが、近鉄には不足していました。

 これが、読売新聞や阪神電鉄とは、まったく違うといっていいでしょう。

 「球団は儲ける必要はない」とおっしゃる方もおられますが、もし「球団を文化事業とみる」ならば、文化事業なりの「カネの集め方」があります。どっちにしろ「カネを集める」ことは必要です。選手には給料をはらわなければなりませんし、球場も借りなければなりません。

 近鉄に「球団がつぶれれば親会社もつぶれる」という切迫感はあったでしょうか?何にもしていない日々をすごすうちに、「近鉄がバファローズを持ちきれなくなった」にすぎないとしか、私にはおもえません。


2004/7/6

 私設野球殿堂の三塁手併殺記録編は、パールズ・バファローズの小玉明利で最後です。

 今、合併の話がでているバファローズが苦戦していた時代の選手ですねえ。パールズ時代の選手たちはこういう事態をどうみられているのでしょうか?


2004/06/30

 バファローズとブルーウェーブの合併問題について、そろそろ書いてみたいと思います。 とはいっても、この問題は前提がいろいろあるので、一言ですますわけにはいきません。

 まずは、「球団の赤字」というものについて、持論を少し書いてみます。(私の会計の知識というのは、システム開発で必要になって学習したものです。それも、いわゆる管理会計のもので制度会計については、常識程度の知識しかもってません。その前提で読んでください)

 「バファローズが年間40億の赤字。パリーグの各球団も、ホークスとライオンズを除けば似たような状態で、赤字分は親会社が『「広告宣伝費』の名目で補填している。」 これは、この問題を論じる人たちの合意事項ともいっていいでしょう。

 パリーグの球団が赤字なのはそうでしょう。ただし、それは、収支計算書で言えば「営業収支」の問題です。

 さて、親会社から見れば「赤字を広告宣伝費で補填してやっている」なのでしょうが、球団はその広告効果にみあう「広告宣伝費」を受け取っているでしょうか?球団にすれば、「営業外収支」の問題です。

 私の好きなマリーンズの場合、ロッテグループに対する広告効果と副次的要素を考えると「年間費用が40億」ならば、とびきり安いとはいえないが、高すぎもしない費用だとおもいます。「営業収支」が赤字でも、「営業外収支」と合算して「経常収支」がトントンなら、その企業のことは「赤字だ」とはいわないのが普通ではないでしょうか?(もちろん、営業収支が赤の企業はよくないです。)

 「球団の赤字」を論ずるなら、親会社が正当な「広告宣伝費」を払ってからにしてほしいですね。

 バファローズと近鉄の場合は、状況がややことなります。近鉄本体は、業務改善の途上ではありますが、改善の効果で、営業収支は300億を超える黒字を計上できるようになりました。しかし、膨大な「特別損失」(不動産等の評価損と子会社支援損)があります。この状態で「広告宣伝費をどれくらいつかえるか?」難しいところですね。少なくとも、「この上、経常収支の黒の1/3を使ってしまうほどの額を宣伝にはつかえない」という意見がでても無理はないところです。

 ただ、「問題が起こって、仮に近鉄不乗運動が起きても、損害は少ない。」とタカくくっているのがミエミエなのはなんとかしてほしいですが・・・。

(当分続きます)


2004/06/30

 今回の私設殿堂入りは、坂本文次郎です。次々地味な選手がでてきます。2度の合併をくぐりぬけた選手だけに、感慨深いものがあります。


2004/06/13

 前回のコラムで、三塁手の併殺が少なくなってきていると書きましたが、’2003のパをチェックしてみると、ファイターズの小笠原道大が28併殺を記録しています。今年は、’1990以降だと、3人しかいない30併殺以上を期待したいですね。

その3人とは、’1991の松永浩美(31)、’1995の石井琢朗(33)、’1998の片岡篤史(30)です。松永は、’1988にも34併殺を記録しています。


2004/06/02

 私設野球殿堂の遊撃手併殺記録編は、今回のカープ高橋慶彦で終わりです。今度は、パリーグの三塁手併殺記録です。セリーグの方は、2004/3/15のコラムで書きましたとおり、リーグ初年の藤村富美男の記録がいまだに破られていません。

 近代野球で流し打ちやセンター返しが奨励された結果、三塁手の併殺を非常に少なくなっています。2003年の例ですと、セリーグで最多併殺は、カープの野村謙二郎で17、二塁手最多は同じくカープの木村拓也で69、遊撃手もカープのシーツで86と大差があります。他にもいろいろな要因があるでしょうが、おもしろい現象です。

 ということで、三塁手併殺記録も1950年代の地味な選手がまた登場してきます。お楽しみに。


2004/05/04

 野球文化学會に参加して、宇佐美徹也さんにお会いしてきました。元気なご様子で一安心です。これからは、好きな仕事を選んでやってほしいですね。今年も大いに刺激されてきました。ゲストの方が10人以上はいたようで、若干、平均年齢が下がったかな(笑)もうひとつ印象的だったのは、理事の鳥井さんをはじめ、「今年の野球はおもしろい」と言われている方が多かったことです。

  その前日には、ブックフェアで電子出版と学術書を中心に見てきました。電子出版の方は、昨年と比べて、機材・コンテンツともに実用的になってきたのを実感しています。

 私設野球殿堂は、予告したとおりの大物中の大物、吉田義男です。球史のうちで、トップクラスの遊撃手ですね。攻守走すべてにおいて抜きん出た選手です。


2004/04/03

私設野球殿堂の遊撃手併殺記録は、今までにもまして地味な選手の連続です。こうした選手はこれからも発掘していきたいですねえ。次のセリーグ遊撃手併殺記録者は、遊撃手としては大物中の大物です。

白坂の二塁手・遊撃手併殺記録をダブルで保持した1年間は凄いですね。こういうのを地味なまま置いておくのは、ある意味で記録好きの名折れです。ボクシングで2階級制覇した選手をほおっておくようなもののように思えます。

会議室の方にも書きましたが、宇佐美徹也さんのご病気が心配です。

私個人は、「まだまだやってほしいことがある」という気持ちは半分くらいありますが、こうなってしまうと、「チャンンピオンを元気なうちに倒せなかったという、自らのふがいなさ」が感じられてなりません。


2004/04/03

ゲームマーケットも終わったとおもったら、プロ野球が開幕です。

4月には、野球文化学會総会とSABRの支部定例会といろいろあります。それ以外にもやりたいことが何件かふえています。野球の神様に「お前はほっとくと何もやらないから、忙しくしてやるぜ」とでも言われているようなカンジです(笑)。

プロ野球は、あいかわらず問題は山積ですが、昨年以上におもしろいシーズンになりそうです。

私設野球殿堂は、今年中に少なくとも100人を選出し、特別表彰の1号も入れたいところです。


2004/03/15

 今回の私設野球殿堂は、遊撃手併殺パリーグ記録の山田潔と三塁手で刺殺・補殺・併殺記録でセリーグ記録の藤村冨美男です。

 特に藤村冨美男は、打撃についてはとりあげられることは多いですが、守備が語られることは少ないですね。しかし、当時の雑誌等を見ると、ライン際の強さとファウルフライを好捕する積極性を称える記事を多く見ることができます。


2004/03/08

 長嶋茂雄さんが倒れられましたねえ。

 今回の事態を見ると、ナショナルチームの監督というものの特殊性に想いが及びます。ナショナルチームは、各チームで育てられた選手を集めて戦う場合がほとんどです。交渉能力やカリスマが求められますから、チームの監督として、ある程度以上の実績があった方がベターでしょう。そうすれば、ある程度以上の年齢になってしまうでしょう。

 私は、以前に長嶋さんが強化本部長に就任した時、「強化本部長に就任した以上、監督就任はない。」と公言して予想をはずしてしまいましたが、今にして見れば私が当時考えたことの方が常道に思えます。兼任というのは、その人がいなくなった時、2人の人間を失うに等しいことにもなりかねません。

 今回のオリンピックに限らず、私個人は国際大会に関しては、スタッフ・監督・選手とも予選を戦ったメンバーで本選も戦うのが良いと思っています。(作戦に個人的な異論は多少ありますが)ああいう方法で出場権をとったのですから、そのラインを踏襲したほうがよいと考えます。いまから、監督をかえ一から組みなおす時間はないはずです。

 もし、長嶋強化本部長、星野監督というような体制をとっていない以上どうしたらよいでしょうか?

 個人的に最良の策は、長嶋さんがある程度回復され、自分の方法を踏襲できる監督を指名することです。次善は、内部昇格なんですがこれは?マークがつきすぎます。

 上記の策がとれない場合は・・・他の人を監督すえることになりますが、前言をひるがえすようですが、その人に選手・コーチの人選からお任せし、結果については責任を問わないことするしかないようにおもいます。

 いまの監督問題の責任は、アマの山本会長、川島元コミッショナー、そして、キツイ言い方になりますが、回りに流されて監督を兼任してしまった長嶋強化本部長にあるとおもいます。

 今回のオリンピックはいろいろな点でチャンスなだけに困ったことです。

 長嶋さんのいち早い回復と、今後はあまりプレッシャーのない立場で野球にかかわっていくことをお祈りいたします。


2004/03/02

  ゲームマーケットの準備がつづいています。その他にもオフ会等々があって、楽しくも忙しい日々です。

野球には関係ありませんが、ニフティのディフェンスフォーラムのオフ会にも参加してきました。いろいろな立場からのお話を拝聴できるのは貴重な体験でした。

こういう時におもうことは、「冷静に分析できる人の意見は大きくとりあげられにくく、極論を大声ではく人の意見がとりあげられるのはどうしたもんか。」ということです。まあ、これについては野球もおんなじですが・・・

さて、今回の私設野球殿堂は、バルボンです。公式の野球殿堂に入っていないのが不思議な選手のひとりです。球界に対する貢献・選手としての活躍、充分資格ありだとおもいます。


2004/02/23

今回の私設野球殿堂なんですが、パールズの山本靜雄になりました。多くの方は、ご存知ないでしょう。しかし、一時期とはいえ、リーグ二塁手併殺記録を持っていたのです。

選手の記録を見る際に私が気をつけている点は、「数字を見る時は数字を見る」です。「その当時の野球のレベル」等々の「実際の数字にはでてこない部分」っていうのは、もちろん重要なことです。しかしながら、充分に数字を見ないうちから、そんなことを言い出しても迷路に自分から迷い込むようなもんです。

それから、マスコミは、過去の選手のことを伝える努力はほとんどしていませんから、そこから得られるものなんでたかがしれています。

でも、記録で目をつけて、選手の名前で追っていくと、少しずついろいろな情報をえていくことができます。

山本靜雄については、いまだ情報が少ないですが、調べていきたいと思います。


2004/02/17

ゲームマーケットへの参加も正式にきまり、その準備をしはじめています。

詳しくはゲームマーケット’2004

インパクトベースボールカードデータを増やしていくことは楽しいばかりではなく、私設野球殿堂の充実や野球記録の知識を増やすため役立ちますねえ。「こんな記録を残している選手をどうして知らなかったのだろう」という気持ちになることもあります。

それは、私自身の努力不足もさることながら、いかにメディアが記録や歴史を伝える努力を欠いていたかを、いまさらながら気づかされます。次週、私設野球殿堂に追加する選手を探し出した時もそう感じました。

さて、どんな選手でしょうか?


2004/02/08

みなさん、RC(Runs Created)をご存知でしょうか?アメリカで考案された打者の評価方法のひとつです。
もし、ご存知ない方は、検索エンジンを使って探してみてください。いろいろおもしろいものが見つかるとおもいます。

しかし、今回コラムのネタにしたいのはRuns Createdそのものではありません。その数字を見方の問題です。

RCやTA、OPSといろいろ数字は考案されていますが、発案者はほとんどの人が「これは、既存の評価基準を代替するものではなく、いろいろ見方をすることにより野球の楽しさを増加させるのが目的である」と書いています。ですから、BILL JAMESの本にしてもRCの項目が増えても打率や打点の項目が減るわけではありません。

考案者本人がそういうつもりで作ったものなのですから、その程度に扱えばいいものなのに、日本のいくつかのサイトや掲示板では、なぜか「RC(TAでも一緒ですが)さえあれば、その他の評価方法はいらない」みたいな意見を散見します。

なぜなのでしょうか?私には理解できないなあ。いろいろな選手にスポットライトを当てるため、いままでいろいろな数字を作ってきたのに、わざわざ減らすことはないでしょう。

RCの欠点についていろいろ言うのも同様な場合が多いですね。RCは前述のとおり、打者の評価を一本化するために作ったものではないのですから、評価できない部分があるのは当り前です。

また、係数が多い等々の文句も見かけましたが、RC自体が持つ「年度外比較」の要素をまったく無視したものです。RCは、私の知る限り25のHDG(Historical Data Groups)があり、手に入る記録と野球の質的な差をHDGの計算方法及び係数により吸収させ、年度を超えて比べる試みなのです。HDGの詳しい計算方法は、私もエンサイクロペディアを買って初めてみましたが、サイトや本にも、「RCは20いくつかの時代により計算方法が違う」という記述があるものの方が多いようにおもいます。ここをチェックしなけりゃ、(批判するにしても)スタートラインにも立っていないというのが、私個人の意見です。


2004/02/02

アメリカ野球学会(SABR)の総会で、千葉さんや蛭間さんたちと話したことを整理していてきづいたことです。

私は「バースの殿堂入り時間切れ」について、いろいろな人に話しています。これは、野球殿堂の制度や本質について考えてもらう為のいい機会だとおもうからです。

私自身、バースは大変にいい選手だったと思いますが、現役時代はファンだったわけではありません。でも、今回の一件は、妙にひっかかりを覚えました。自分でも不思議なくらいです。

それは、私が見た打者のうちで、最強のクラスの打者であることもありますが、それだけではないような気がしました。

そして、千葉さんと蛭間さんたちと話を整理し、その理由がはっきりしてきました。

私は、「バースが他の人を殿堂させない理由」になってしまうことを恐れていたようです。

バースは、’85と’86と両年、個人としては最高の部類の成績を収め、日本一に貢献しました。しかし、6年しか、日本でプレーしなかったことがネックになったようです。

今後、単年度でバースに劣る成績しか残していない選手が、「バースでさえ殿堂入りしていない」ことを理由に殿堂入りさせない事態がおきないでしょうか?

「バースよりブーマーが先だろ論」もありましたね。(これを言う人がバースの時間切れが2003年でブーマーの時間切れが2007年である事を知っているかは疑問ですが)

個人的にこういう意見を持つ人がいるのは理解できますが、ブーマーが2007年まで殿堂入りできず、最後の投票になった時、ちゃんといまと同じこと言ってくれるのでしょうか?

まさか、「いくら10年やってるとはいえ、三冠王1回で日本一に貢献していないブーマー」を「三冠王2回で日本一に貢献したバースが殿堂入りしていない」ことを理由に、ブーマーに投票しないなんてことないでしょうね。

私設野球殿堂は、58人目として白坂長栄を殿堂入りさせました。


2004/01/26

アメリカ野球学会(SABR)の総会に行ってきました。

野球好き同士の話はおもしろいですねえ。こういう会の認知度をあげ、野球を発展させていかなければなりません。

(私自身も気をつけなければならないことですが、)若い人を連れていくと、千葉功さんはじめ大先輩諸氏のトークのおもしろさにまぎれて、学ぶべきものを見逃してしまうことが、ままあります。それには、気をつけなければなりません。感受性というかアンテナの高さというか、そういうものが必要になってきます。

個人的には、今年は2003年にもまして、野球もゲームも忙しくなることを実感してきました。(ウーン、仕事が忙しくならないとマズイですが)


2004/01/26

インパクトベースボールのテストプレイでお世話になり、RPGの世界でも有名な、舞台女優の五月風れあんさんの舞台があります。前回は見逃したので、今回は是非見てきたいとおもいます。

ジプシー(千の輪の切り株の上の物語)

日程 2004/3/12〜14

会場 ウェストエンドスタジオ 中野区新井5-1-1 

問合せ ファイナルバロック 03-5287-2905
     http://www6.con.ne.jp/~baroque


2004/01/13

野球殿堂には、ことあるごとに文句をいってきたのですが、今回はねえ・・・・

バースが競技者表彰が時間切れになってしまいました。これで、バースが殿堂入りすれば、タイガースにまた明るい話題ができたことでしょうに・・・

近頃、よくテレビに出ていた熱狂的タイガースファンの皆様はこういう事態はご存知なのでしょうか?

競技者表彰に「時間切れ」があることすら、ご存知ないかもしれません。


2004/01/13

野球体育博物館で「子供の遊びと野球」という特別展が開催されています。

野球関係のカルタやカード、野球盤などが展示されています。

私が行った1/10には、’1948の野球カルタのレプリカを使ったカルタ大会なども開催され好評のようでした。

そのカルタの句の中に「軟投の野口二郎は軽く投げ」というものがあります。この句こそ、私に「選手の同時代評価」しいては、「選手の活躍度をいかに表現するか」という命題を与えてくれたものです。

野口二郎といえば、戦前は実働5年で40勝1回30勝2回20勝2回という大投手で、稀代の剛球投手でありました。しかし、肩を痛めた戦後は軟投派に転身します。それが「軽く投げ」になります。

年度ごとの活躍度を求める「インパクトベースボール方式の分析」を行うと、その選手のベストシーズンばかりではなく、その能力の変化も見ていくことができるのです。

’1948の野口二郎は、4位のブレーブスで(彼としては極めて少ない)14勝に終わっていますが、彼の力がそんなものではないことは、リーグトップの13無四球試合を記録したことでも明らかです。


2004/01/01

みなさんあけましておめでとうございます。

昨年は、ゲームマーケットやコミックマーケットに参加したり、インパクトベースボールの大改良があったり、得たものは非常に多い年でした。

とはいえ、個人的には、「腰の軽さ」がなくなってきているという反省点もあります。

いろいろな分野でガンガンやっていきたいですね。よろしく!