古谷 倉之助(投手・内野手 右投右打)
いままでとりあげてきた無名選手の中でも、古谷倉之助はひときわ無名です。その選手をどうしてとりあげようとおもったかといえば、彼が、’36秋シーズンに本塁打・打点の2冠を制した打者だあるのが一点目です。打率では、中根之に及ばなかったとはいえ、.343という打率は’37春・秋シーズンの首位打者の打率を上回っており、三冠王になってもおかしくない成績です。しかも、わずか28試合とはいいながら、投手として18試合に登板しながら、全試合出場をはたしているのは、空前にして絶後といえるでしょう。長い日本球史のなかで、投手と野手の2枚看板を背負って活躍した選手は、景浦将・藤村冨美男・川上哲治をはじめ少なくありませんが、タイトルをとって全試合出場は例がありません。さしもの景浦将も’37春シーズン、打点王をとりますが、1試合欠場しています。
チームが弱小の金鯱だったことを割り引いても、この選手が無名なのはおかしい。そう感じます。
本塁打王1回 打点王1回
ニックネーム等 | ||
選定理由 | 投手兼任で全試合出場 | ’37春 |