大下 弘(外野手 左投左打)

’51年、ラビットボール(よく飛ぶボール)のホームランラッシュが過ぎ去った年に、奇しくもセパ一人ずつの天才打者により、中根 之の打率記録が破られました。

そのうち一人が大下 弘です。彼の特長は.383という高打率にも関わらず、長距離打者であるという点にあります。’51の本塁打26本は平凡にみえますが、リーグにおける本塁打シェアは実に7.0もあります。(彼の本塁打シェア自己最高は’46の9.5!)’64に本塁打55本を打った王 貞治の本塁打シェアが7.6と比べても、さほど劣る数字ではありません。このネタは宇佐美徹也さんを始め多くの方々が書かれていますから、ご存知の方も多いでしょう。

もうちょっと、ピンとくる数字にする為、安打シェアの場合と同じく、打率30傑でのシェアを出し、平均値との差で仮想本塁打本数を出してみました。それがいちばん下の数字です。

ちなみに、打率30傑における本塁打シェアをみてみると

  本塁打 打率30傑本塁打シェア
’51 大下 26 11.76
’64 王 55 11.02
’98 松井 34 8.37
’98ウィルソン 33 7.21

さて、大下弘の記録は、これだけではありません。’46戦後プロ野球復活の年、20本の本塁打を放ち、シーズン最多本塁打記録を作ります。上の表に追加です。仮想本塁打数をみていただいただけでもスゴさがわかるとおもいます。私設野球殿堂の選定理由に本塁打シェアの通算ランキングを追加します。もちろん、1位はこの大下弘です。

  本塁打 打率30傑本塁打シェア
’46 大下 20 16.39

首位打者3回 本塁打王3回

ニックネーム等 ポンちゃん、青バット  
選定理由 リーグ最高打率(’51〜’69) .381
  リーグ最多本塁打(’46〜’47) 20本塁打
  本塁打シェア通算1位(’46) 16.36