・守備を比較してみる

現在、守備記録の整理にかかっています。守備記録は、非常に比較しにくい記録です。なにしろ、エラーは1試合平均4個台から、現在は1個以下になっています。もちろん、守備技術の向上もありますが、それ以上に向上したのは、グラブ・ミットという用具です。

ゆえに、守備率では、年度内で比較するとこはできても、年度を越えて比較することはできないというのが主流の考え方です。もちろん、打率や本塁打数でもそうなのですが、それよりもっと差ができるということです。

しかし、守備記録は守備率以外でも比較できるのではないでしょうか?

名人と言われた苅田久徳(’37)と’99セのローズ、’99パの金子を比較してみましょう。

  苅田久徳 ローズ 金子誠
試合数 101 133 129
刺殺 378 276 319
補殺 354 354 405
失策 36
併殺 106 81 81

計算するまでもなく、守備率は圧倒的です。しかし、私が注目したのは、補殺・刺殺・併殺の数です。もし、守備範囲が広ければ当然多くなるはずです。しかし、このままでは比較しにくいですね。基本となる数として下記のような数字を考えてみました。

  セネターズ ベイスターズ ファイターズ
打者数 4392 5139 5241
安打 799 1276 1197
四死球 454 386 545
三振 365 868 761
基数 2774 2609 2738

打者数−安打−四死球−三振が基数とされている数字です。バットにあたってアウトになった数です。上記3人の比率をだしてみましょう。

  苅田久徳 ローズ 金子誠
併殺 3.82 3.10 2.96
刺殺 13.63 10.58 11.65
補殺 12.76 13.03 14.79
刺殺+補殺 26.39 23.61 26.44

充分比較するにたる数字ではないでしょうか。まだ、比較対象が少ないですが、徐々に多くしていくと傾向が見えてくるでしょう。