ホームランバッターの真髄

戦後の各年度の本塁打王と2位の本塁打シェア(打率30傑の総本塁打に占める%)とチームのシェア(チームの総本塁打に占める%)を出してみました。こうしてみると、通算本塁打68位の大下弘、41位の中西太がホームランバッターとしていかに傑出した存在だったかがわかります。絶対的な本数もさることながら、そのリーグ内でいかに傑出していたかというのは、ある意味ではホームランバッターの真髄といえるでしょう。「大下、中西、王の3人が日本野球史上のホームランバッターのベスト3である」というのは、私としては、非常に納得できる結果でした。次いで野村、少しあいて別当、豊田、青田、山内となりましょうか。

(表は本塁打シェア10%以上です)

この表のなかにいる町田行彦(スワローズ)と杉山悟(ドラゴンズ)は、他の基準ではまったく低い評価しか与えられておりませんが、認識を改めなければなりませんね。

    本塁打 打率 30 チーム 本塁 シェア チームシェア
大下 46 20 122 43 16.39 46.51
中西 53パ 36 235 114 15.32 31.58
66セ 48 337 114 14.24 42.11
大下 47 17 122 45 13.93 37.78
65セ 42 317 106 13.25 39.62
中西 55パ 35 281 140 12.46 25.00
73セ 51 411 149 12.41 34.23
野村 62パ 44 355 119 12.39 36.97
62セ 38 308 102 12.34 37.25
中西 56パ 29 236 95 12.29 30.53
大下 51パ 26 221 71 11.76 36.62
豊田 53パ 27 235 114 11.49 23.68
別当 50パ 43 377 124 11.41 34.68
中西 58パ 23 202 83 11.39 27.71
青田 48 25 220 95 11.36 26.32
川上 48 25 220 95 11.36 26.32
70セ 47 414 131 11.35 35.88
青田 51セ 32 285 92 11.23 34.78
中西 54パ 31 280 134 11.07 23.13
64セ 55 499 147 11.02 37.41
山内 60パ 32 291 100 11.00 32.00
63セ 40 365 143 10.96 27.97
町田 55セ 31 284 93 10.92 33.33
青田 54セ 31 285 88 10.88 35.23
岩本 51セ 31 285 105 10.88 29.52
野村 63パ 52 484 184 10.74 28.26
青田 56セ 25 235 100 10.64 25.00
山内 56パ 25 236 95 10.59 26.32
杉山 52セ 27 258 77 10.47 35.06
野村 58パ 21 202 93 10.40 22.58
藤村 53セ 27 264 87 10.23 31.03
長島 63セ 37 365 143 10.14 25.87
野村 57パ 30 296 98 10.14 30.61
山内 54パ 28 280 89 10.00 31.46
ジョーンズ 74パ 38 380 131 10.00 29.01

 選手の能力の格差が縮まった’90年代においては、本塁打シェア10%はおろか9%を上げるのも至難の技となります。次表は’90年代の本塁打シェアベスト10です。大豊までいれると実に8人が外国人選手です。松井の奮起を望みます。

ブライアント 93パ 42 422 145 9.95 28.97
デストラーデ 91パ 39 405 155 9.63 25.16
ハウエル 92セ 38 400 173 9.50 21.97
ローズ 99パ 40 445 151 8.99 26.49
大豊 94セ 38 428 108 8.88 35.19
デストラーデ 92パ 41 467 159 8.78 25.79
松井 98セ 34 392 148 8.67 22.97
秋山 91パ 35 405 155 8.64 22.58
ウィルソン 97パ 37 435 128 8.51 28.91
ペタジーニ 99セ 44 521 141 8.45 31.21