ウインター・ワールド続巻情報


今のところ未読ですが、本のカバーやアマゾンUKのコメントなどを参考に書いてみました。読み進んだ時に追加修正するかもしれません。ねたばれにしてしまうかもしれません。


新シリーズの冒頭には、SFやFT畑の敏腕編集者Richard Evans氏への献辞にページがさかれている。彼は新人の発掘にたけているとの評判である。神経質そうな第一印象に似合わず、陽気で辛らつなユーモアや鋭い見識の持ち主だったらしい。作者とは趣味や好きなもの(ビールにいたるまで)が全然違うのによき友人となった。時には濃く、時には薄く淡くも親交があり、氏の父親がなくなった時(第2巻を書いているときだったそうだ)なども精神的に支えてくれたり、激励してくれたという。
作者がまだかけだしのころ、はじめてSFの Run to the Star を書いたときに紹介されて知り合ったようで、出会った時は、激賞と酷評を同時にされてかたまってしまったらしい(笑)。常々ファンタジーのことになると、トールキンもどきや安直な作品に憤っていたようだ。あんたは何かそれとは違うものを書け、とけしかけられて、ねたならこんなのがあると、ちょっと披露してみたら、それだ!といわれたわけだ。歴史的にわかっていない時代、氷河期のころや、ハイエルダールの海洋と人類史の話とか大西洋横断、バイキング、ネイティヴ・アメリカンの神話やら魔術として見られる鍛冶の技とか…など。博学な作者には山ほどのアイディアがあったのだろう。こうしてウインター・ワールドの三部作が生まれた。アマゾンUKでの紹介ではワグナー的世界と書かれているが、それだけでくくれないことがわかると思う。
96年に享年46歳で亡くなったそうである。作者と殆ど年が変わらない(当時45歳)人だったという。新シリーズの第1巻は98年にペーパーバックで発売されたが、シリーズ再開を喜んで早く読みたがっていたようだ。


さて、今回の第1巻は、The Castle of the Winds、 第2巻は The Singer and the Sea (99年8月ペーパーバック化)というタイトルだ。全2巻のようである。第1巻にはどうもアンハッピーエンドのにおいがする。
今回の舞台はブラサイハル大陸の西側である。時代は前作より1000年以上前。ケリスからの移民がモルバネックに着き、そこからさらに氷から逃げて西に移住して数世代たったころのようだ。まだ大公道のできる数世紀前だから、沼地はひどい難所だった。通商はあったものの南方と北方は対立して不穏な状況だった。紛争がいつ起こっても不思議はなかった。貿易がなんとか成立しているのは、ひとえに北方の鍛冶の技によるすぐれた武器のためだ。
北方のノルデニー、エロフの出身アセンビーより2、300マイルくらい内陸にあるアサルビーの町から物語が始まる。氷にわりと近い所で暮らしているのだが、氷の影響をさえぎっている山の向こう側に住んでいるおかげで、住民はそれほど脅威を感じていないようだ。主人公はクンラッドという。若くして親方になったすぐれた鍛冶屋だ。見習いにオルヴァー(体格が牛のように大きい)、ジル(口がうまい?)の2人を使っているのは、エロフとかなり違う。ある日、永年夢見ていた理想のよろいを作りはじめた。まだ完成していない時にテストして、何が悪かったのかわからないが大怪我をする。
やっと回復して町に市がたった時、クンラッドを南方の領主らしき貴人マーシャンが訪れた。北方の技について多少の知識があるらしい。彼の腕前に感嘆し、沢山の剣を買い求めた。話もはずみエールが何杯も出された。話がよろいのことに及ぶと、ちょっとだけ自慢したい気持ちが抑えきれず、また酒が回っていたのもあって、未完成のよろいを見せてしまう。従来のよろいを改良して、よいところをそれぞれとりいれただけでなく、一つ一つのパーツにも意味のある力が備わったすばらしいものだった。このよろいは王や英雄にふさわしい美しさと機能を備えていた。これを着ただけでそれにふさわしい力が強化されるようだ。マーシャンは、完全に魅了され、1ヶ月以内に重要な事に参加するので、言い値でかまわない、すぐそれが欲しいと強く迫る。しかしクンラッドは、未完成品であり、サイズも調整していない、売り物でもないので国の領土をつまれてもお渡しできないと拒否した。その日は険悪になったものの、とりあえずマーシャン一行は帰って行ったのだが…。
クンラッドが仲間のところに行くと、マーシャンたちは、他の武器を売っている鍛冶屋にも現われ、大量の武具を買い集めていることを知り、何の為にといぶかる。次の夜、クンラッドの鍛冶場は何者かに襲撃され、剣や武具を根こそぎ持ち去られた。そしてあのよろいも。傷を負わされ、意識を失う寸前にクンラッドが暴漢達の中に見たのはマーシャンの姿だった。
事情を知ってクンラッドと共に追手を差し向ける鍛冶師の親方たち。なぜか足跡は北方に向かっている…。追跡の途中で彼は友人の鍛冶師を失い、復讐を誓う…。


☆☆☆読んだ人なら知っているが(笑)、例によって補遺がある。この巻は定住の書(Book of Settlement)とでもいうのか。次巻は 離散の書?(Book or Sundering) という。地勢、植生、湿地、氷の当時の状態、ノルデニーとブリハインのはじまりと隆盛、北方の鍛冶の技、2つの地方での信仰など。2巻の補遺も楽しみである。これだけつけてもまだ足りなさそうなのがこわい。

第2巻の主人公は、1巻の見習くんのジル。彼とオルヴァーは、1巻の終わりのあたりでクンラッドの後釜として認められる。ジルは鍛冶屋でもあり、歌い手でもあった。クンラッドが鍛冶の技を行う時につける歌詞をかなり作っていたらしい。ある日彼は南方の商人の船を助けたが、そこで古い楽器をもらった。その楽器には不思議な力があり、彼を海への旅に駆り立てる。今回は海のお力の神が登場するようだ。実は最後の方でバイデがゲスト出演する。
 2000.5.31

第3巻?も2001年の秋にペーパーバックで発売された。これは全く別のストーリーのようだ。しかしWinter of the Worldシリーズと銘打たれているので同じ世界の物語だろう。
タイトルは Shadow of the Seer (実は読めもしないのにAmazon U.Kに注文中です) 2001.11.20

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