[ First Profile #001 ]


気になるなぁ・・・。
洞窟亭へ戻ると、亭主であるジョックスさんに、一旦宿を引き払う旨を告げた。長引かずに済めば良いけどね・・・プレートメイルを包み、モールを肩に担ぐと、揚々、来た道を引き返す。■屋敷街にさしかかかり、私は周囲を注視しながら歩き続ける・・・サーシャさん、兄弟について尋ねた時、ちょっと言い淀んだな。聞いちゃいけない事だったのかな。・・・悪い事したなぁ・・・・・・・・・でも。何か引っかかってるんだよね・・・。アージェさんには、結局会わせて貰えないみたいだし。・・・会えないなら、こっちから向かえば良いんだけどさ。■そうこうしている内、フルフラットの屋敷が見えてきた。ギルドへ向かった三人も、そろそろ帰って来てるかな。話を聞かせて貰う事にしよう・・・。

とりあえず戻ろうか 盗賊ギルド〜宿〜屋敷
■ふむ、もぐりの医者で、係累は無し、と。どうやら医者の件にはこれ以上深入りするなということだな、おそらく。「長々と邪魔をした。…情報、役立たせてもらう」最後に金貨を一枚机の上に出し、世話役に背を向ける。■一度宿に戻って装備を整える…と言っても革服は普段から着ているので、槍を持ち、予備の武器である短剣を5本荷物の中から取り出し、身に付ける。これだけだ。■階下に降り、親父に挨拶して、宿を後にする。外はもう暗くなり始めている。急いだほうがいいだろう。■フルフラット家の屋敷に戻った頃にはすでに日は落ちていた。割り当てられた部屋に行くと、何人かはすでに護衛の任についているのかそれとも宿に戻って準備をしているのか、全員はそろっていなかった。とりあえずその場にいる者にギルドで仕入れてきた情報を伝えながら、用意してもらってある羊皮紙に同じ内容を箇条書きにして書き記す。…これで誰でも戻ってくれば見ることができる。できれば一度集まって話し合っておきたいところだが…

高級なお店を探検にょ フルフラット商会本店
■後のことはリューイルお兄ちゃんにまかせて、リンデンはフルフラット商会の本店に行ってみたにょ。もうすぐ閉店だにゃ。間に合うかにゃ〜。■あ、あれがお店だにゃ。リンデン、ハーフエルフだし冒険者のカッコだけど大丈夫かにゃ? リンデン、ちょっとどきどきしたにゅ(・w・;; ■お店に入ったら店員の人が近づいてきたにゅ。「いらっしゃいませ。まもなく閉店時間となりますが、それまではどうぞごゆっくり品物を御選びくださいませ」 とっても丁寧なご挨拶で、リンデンを迎えてくれたにょ。よかったー、ここは見かけで御客を判断しないにょ(^▽^ ■お店の中をリンデン見て回ったにゅ。ゆっくり物が選べていい感じだにゃー。あ、これ欲しいにゃー、わあい、あれきれい〜。…はにゃ、ついつい見とれてしまうにょ。お仕事おしごと(>w<; ■中年の男の人もいるにゃー、でもそういえばデスクさん、ゴーバへ行ってるって話だったっけ。■んじゃあ違うにゃあ。アージェさんアージェさん…はにゃー。そーいえばリンデン、アージェさんの姿聞いてなかったや。お客さんのお話も、あんまり代わり映えしないにょ。ふにゅにゅ、出直しだにゃ。■リンデン、ひとまずお店を出ることにしたにゅ。屋敷に戻ったらもう夜だにゃー。ふにゅ、みんなにお店の様子を報告して、見張りの準備をしておこうっと。

見回り
僕は特に急いで宿に取りに行かなきゃいけない荷物があるわけじゃないし。日が暮れる前に一度、敷地内を調べておこう、そう思って足を庭に向けた。こんな柵なんて・・・敷地の周りの柵に手をかけ、飛び越えてみる。辺りに誰もいないのを確認してからでも、人目につかず乗り越えられる。高い塀とは違ってほとんど役には立たないだろうしね。屋敷の周りはみんなが警戒してるから、もし屋敷へ入ろうとする侵入者がいたら庭に潜んでその隙をうかがうんじゃないかな。■ここも、ここも屋敷からは死角になりそうだ。夜間ならこの木陰だって死角になるだろうし・・・ん〜〜、無駄に広い庭だね、全く。これだけ広ければ、家畜の放牧だってできそうだよ。こんなに広くても不便なだけだと思うんだけど。金持ちの考えることはよくわかんないや。自分が侵入者なら・・・そう考えて念入りにチェック。他の人たちも屋敷周りを見て回ってるだろうし、あとで皆の考えも聞けば、警備する時に穴になりやすい場所ってかなり洗い出せるよね。■さて・・・と。一通り見て回ったことだし、宿に荷物を取りに戻ろうかな。

新たな疑問 盗賊ギルド4
■先代を診た医者が死んだ?…なんか匂うな。「これがほんとに最後だ、その医者の死因と、あと子供とか妻とか係累はいるか?」

そろそろ頃合か… 盗賊ギルド3/夕方
■リンデンはもう聞くことも無いらしく、フルフラット商会の本店を偵察してから屋敷の戻ると言って、一足先に出て行った。「わかった、皆に伝えておく…気を付けてな。」駆け出す背中に声をかけ、世話役に向き直る。■「最後に、もう2つ聞かせてくれ。先代のフォードレス氏が病気になったときに出入りしていた医者や司祭は誰だかわかるかい?それとアージェの顔かたち、できる限り詳しく教えてくれないか。」…聞き終えたら、宿に戻って装備を持ってくるとしよう。

女性の着付け
皆がそれぞれ思い思い準備をしている。俺も武器防具の程度の点検をしながら、色々思考をめぐらす。やはり情報班を待つ以外にやることもなさそうだ。あちらの首尾は上手くいっているだろうか。■俺がそんなことを考えながら手入れをしていると、何処からか「誰かー!!!鎧着るの、手伝ってください!」という声が聞こえた。あの声は・・・エメラーダか?俺は手入れをしていた<古樫>を鞘に収め、隣の女部屋に向かった。■どうやら鎖帷子を着るのに手間取っているらしい。いかにも戦士の素人という雰囲気が漂っている。俺は祖父に一通りの鎧の装着法は教わった。小さい頃に実戦よりもそっちの方を先に習ったものだ。実際、板金鎧や鎖帷子を使う機会は呪術師でもある俺には少ない。だが、昔から玩具のように慣れ親しんできたその鎧や剣は良く俺の手に馴染んでくれる。■「まず一番最初はここだ。ここを固定しておけば、他の部分が垂れ下がったり、ずれ落ちたりすることはまずない。その次に・・・」俺は論理的に、順を追って鎧の着方を着付けながら教えていく。手順さえ踏めば鎧の着付けもそれほど時間のかかるものではない。「これでOKだ。覚えられたか?」一応順番は簡潔に説明できたはずだし、納得してくれるといいのだが。「どうだ?着心地は?」■やはり女性の鎧の着付けというのは、少し違和感があるかもしれない。部族では戦いは男の仕事だった。だが冒険者においてはそんなのはまるで古い固定観念のように感じる。アーダのように俺よりも体格のいい女性もいることだし、やはり人間は男だろうが女だろうが適材適所に割り振れらなければならない。価値のない誇りなど邪魔なだけかもしれないな。

困りましたね
出掛けに、ちょっとザッシュ殿とアッシュ、アーダ殿の間に不穏な空気が流れた。セレス嬢もトドメを刺してくれたけど、ジェイラス殿の仲裁やリンデン殿、ステン殿のフォローがあって、なんだか出る幕がなかった。特にステン殿なんて、ちゃっかり布教なんてしちゃって。まあ、いいんだけれどね。邪教ってわけじゃないし。「皆さん、ご自分の意見を相手にわかりやすく伝える練習、なさった方がよろしいですよ。議論の練習とかしたことあります? 自分の考えを簡潔に論理的に組み立て、効果的に伝え、なおかつ相手の真意を汲み取る技術が伸びますわよ」そこでニッ、と笑っておいてみた。■宿に戻って荷物と装備を一式取ってきた。寄り道せずに、まっすぐ寮に向かう。とっとと装備を整えて、警護の任につかなくてはね。盗賊の人たちが戻ってくる前にびしっと決めておかないと。■割り当てられた部屋に荷物を置き、チェインメイルを取り出して……はーっとため息をついた。まずクロースを着込んで具足をつけて……えーっと、手甲…は後でいいのかな……チェインメイルはじゃらじゃらしてめんどくさくて……あれ? ベルトがうまくしまらないぞ。■「誰かー!!!」わたしは叫んだ。「鎧着るの、手伝ってください!」

道草リンデン、だにょ 盗賊ギルド3〜
■リンデンのあげた飴玉を、おぢさん受け取ってくれたにゅ。うれしいにゃ〜(>▽< ■おぢさん、先代と弟さんの名前は『先代がフォードレス、弟がデクスだな』って教えてくれたにゅ。それからみんなは仲良くしてたらしいにゅ…表向きは、だって(=w=。『病床にあって、アージェの将来を、先代が気にかけていたという話も聞くがね』 …ふみふみ。■サーシャお姉ちゃんのことは、意外だったにょ。『彼女はこの街の生まれではなく、先代が連れて来たらしいな。他所の街のことまでは、さすがにわからんさ』 はにゃ? 身内でもワケアリっぽい? ■ふにふに考えてたけど、今のところ質問はこれくらいぽいかにゃあ。■「リューイルお兄ちゃん、リンデン、本店の方を覗いてこようと思うにゅ。アージェさんか弟のデクスさんっぽい人のお顔、確認できるかもしれないにゃ。周囲の人にお店の評判も聞いておくにゅ。不審人物の噂とか聞けるかもしれないからにゃ」

完全武装!
『ジェイラスさん、すばらしい仲裁でした。一度チャ・ザ様の教えを受けてみませんか?よかったら神殿に足を運んで、司祭様たちの言葉を聞いてみてください。チャ・ザ様の教えに傾倒する事が無くても、きっと得るものは多いと思いますから』「うむ この件が終われば是非伺わせて貰おう」ふふふふふ…やはり、幸運神の司祭に認められるほど見事な仲裁だったか。真の騎士を目指すのならこうでなくてはな!■『はははっ…いや、笑ってすまねぇ、ジェイラス。お前本当、いい奴だよ…』「うむ しかめ面よりも笑っていた方が良いぞ? しかめ面のままで巧くいくことなどほとんど無いが、笑って巧くいくことは幾らでもあるからな わはははは!」困った時には笑っていればなんとかなるものだ。ならば方言を口走ったことなど何ほどのこともあるまい。■「さて、今夜からこちらを警護すれば良いのだな? ならば早速武具を取りに行って来る」夜からとはいえ、早いにこしたことはあるまい。賊はいつ襲ってくるか分からんのだからな。他にも何やら細々とした用で出かける者も居るらしいが…取り敢えず私がここに居れば問題なかろう。早速行って来るか…。■「うむ…完璧だ!」板金鎧も大剣も手入れに抜かりは無い。我が武具の輝きを前にすれば、賊など震え上がるに違いあるまい。

リンデンの質問コーナーその2、だにょ 盗賊ギルド2/夕方
■『先代の密やかな道楽とかで、美術品のコレクションは多いらしいが、そんなに噂になるような話は聞かないな』『ちなみに、あそこの店で扱うものは、衣料品や貴金属だよ。要は、お洒落に着飾るためのものを売ってるのさ』 リンデンの質問に、世話役のおぢさんは答えてくれたにょ。ふーん、アージェさんの持ってるものは、そういうものじゃなさげだにゃあ…。■それから、サーシャお姉ちゃんから聞いた話を、リンデン、ふにふに考えてたにゅ。あの広い屋敷に住んでるのは、アージェさんとサーシャさんと、先代の弟さんだけなのかにゃ? はにゃー、それだと寂しいのにゃ〜。それに三人とも血は繋がってるけど、直系の家族がいないんだにゃー。アージェさんのちちは亡くなったばかりだし…ふにゃふにゃ(・w・ ■「はにゃ、リンデンももちっと質問するにゅ」 ポッケからお財布出して金貨を置いたにゅ。飴玉が混じってるけど…まあいいにゃ、世話役のおぢさんにあげるにゅ!(^w^ ■「うんと、先代と先代の弟さんの名前は何ていうのかにゃ? 先代さんと弟さんとアージェさんとサーシャお姉ちゃん達、みんな仲良くやってたのかにゃ?」■んーとそれから…「あと、それから、サーシャお姉ちゃんはアージェさんと従姉妹だけど、サーシャお姉ちゃんの家族はどうしちゃったのか、知ってるにゅ?」 ホントはこんなこと、聞いちゃいけない気がしたにゅ。サーシャお姉ちゃん本人が話してくれるのを待つしかないんだけどにゃ。

寮到着
■寮に辿り着き、荷物を置きながら一息つく。人間色々だな。どうも俺は人間の機微に疎いのかもしれんな。正論ばっかりでは頑なな相手の心は溶けない。分かってはいるが俺もそれほど器用ではない。とりあえず仕事に影響しなければ大丈夫だろう。彼もその辺は分かってくれていると見た。とりあえず計画にはみなの同意が取れているようだしな。■そしてリンデンたちが情報収集に出て行くのを見送る。「頼むぞ、リンデン、リュ-イル」とりあえず二人の情報収集が今回の今後の方針の基本根幹を決めるかもしれない。とりあえず相棒もいるし、リュ−イルという男もそれなりに信用できそうだ。むしろ俺の姿勢こそが疑いすぎなのかもしれないが。■その後、屋敷の周りやそれ自体の侵入経路の有無を確認する。いくつかそれらしいところは見つかった。さて、本格的な警備は夜からだな・・・それまでに装備を整えておくか・・・。

後は何を聞こうか…? 盗賊ギルド2/夕方
■『そうだな、金はどのぐらいあるんだ? けっこう値段は張るし、当然ながらギルドに保護料を納めてる。流せない情報もあるからな』世話役はそう言うとニヤリと笑って俺を見る。■世話役相手にハッタリかましても手玉に取られるのがオチだ、ここは素直に行くとしよう。「手持ちは1000まで、それ以上は仲間と相談だ。」言いながら小粒の宝石−100ガメル程度の価値のもを台の上に置く。一瞬の内にそれは世話役の手の中に消え、替わりに質問に答え始めた。■…彼はしばらく話すと「ここまでで100だな」と呟いた。それはもっと聞きたいなら追加をよこせ、ということだ。無言で宝石をもう一つ台の上に置く。■そんなやり取りを4・5回もやったろうか、俺の挙げた質問に対する答えは出揃っていた。抜けている部分も多いが、噂話を拾い上げてきただけのものだ。ここまで出てきただけでも上出来だろう。■さて、後は何を聞いたもんか…

寮へ向かう道すがら…
あ、そ。■正直な感想。どんなに相手を思っての発言でも、相手のレスを待たずに言い捨て・言い逃げでは、逆効果もいいとこなんだがね(苦笑)■そんな中、まともにコミニュケーションを取ろうとしてくれるやつもいた。■「はははっ…いや、笑ってすまねぇ、ジェイラス。お前本当、いい奴だよ…」言いつつジェイラスの肩をばんばん。思わず涙が出ちまいそうになんゼ。■「ああ。判ってるよ、ステン。俺も純粋に、疑問をぶつけただけだ。多少感情的になっちまったのは、悪かったと思ってるがな…」頭ぽりぽり。「だが成長が必要なのは、多分俺だけじゃ無いみたいだ。ま、俺もまだまだ…理解はしているつもりなんだけどなぁ(苦笑)」■「そうだな、アーダ。是非興味がある。勿論変な意味じゃねぇ。同じ人間として、だ」こっちは真面目な顔で。真剣にコミニュケーションしてくる奴には、真剣で返すのが礼儀ってもんだ。「だがアーダの話だけじゃ、不公平かもな。俺も話す事にするよ…」■外へ出ていく連中にも、声をかけておく。「気をつけて行って来いよ〜〜」

さあ準備を
勘違いか・・・ならしゃーない。兄さん、何か悩み事でもあんのかな?■なんで、人間年喰うと、段々頑なになってくんだろね。勿論、主義主張は大事だ、でもそれだけでは、飯は食えないだろ。■一瞬、何を言い出すんだと思った。サーシャさんに従い、寮へ移るさなか、ザッシュに言われた予期しない一言が、胸を突く。・・・意外に重たくのし掛かってるのが分かる。■「馴れ合いの集団」か。あの時には、考えた事も無かったな。仕事は一人でこなすより、パーティでとっかかった方が利口だ。剣、私の場合はモールだけど、の効かない相手も居れば、私じゃ行けない場所もあって、そんな時は、魔法やギルドの世話になる訳だ。立場も対等だった様に思う。居心地は、良かった。馴れ合ってたかは・・・分からない。どつき合いが、馴れ合いって事になるのなら、恐らくそうなんだろうね。■私が口を開くまでも無く、方々から、非難の声が上がっている。サーシャさんも居るんだから、もうちょっと、控えた方が良いと思うよ、皆・・・・・・。「あー、サーシャさん、この辺お屋敷が多いみたいだけど、他に商売やってる家はあるのかな?んと・・・人の出入りが激しそうなところ、って事なんだけど・・・。それと、さっき聞くのを忘れてしまったんだけど、アージェさんとサーシャさんは、兄弟は居ないの?それと、母君は?」サーシャさんの気を逸らす意味もある。他に、不足してる情報は無いだろうか。■「兄さん、昨日の晩飲み過ぎたか??」サーシャさんと言葉を交わした後で。恐らく、険しい顔をしていただろう。ザッシュに向かい、こんな言葉を投げ掛けた。「私がどうやって、今日まで生きて来たのか、もし興味があるなら聞かせてやるよ。この依頼の後ででもね。良いバーを知ってる、そこで一杯やるとしよう、ザッシュ兄さん。・・・余計な事は、後回しだ」■ちょこちょこと、建物の位置や道を書き写して居る内に、寮にたどり着いた。「あー・・・気を付けて。リンデン、宜しく頼むね」出て行こうとする連中に、ひらひらと手を振る。リンデンの一生懸命な態度、そして無邪気な一言は、いつも笑みを誘うよ。■「さてと・・・さっきも言ったけど、もうちょっと、屋敷の周りを見ておきたい。順に、宿へ帰る事にしよう」残りの仲間には、そう声を掛けた。

リンデンの質問コーナー、だにょ 寮〜盗賊ギルド
■リンデン、寮に着いてお部屋に入ったにゅ。これからここがリンデン達のヒミツキチになるんだにゃ。う〜にゅ、ドキドキするにゅ(>w< ■それから、サーシャお姉ちゃんがいない時、リンデン、仲間のみんなに言ったにゅ。「サーシャお姉ちゃんは、本当にアージェお姉ちゃんのことを心配して、リンデン達を雇ったにゅ。リンデン、とってもデリケートなお仕事受けたと考えてるにゅ。リンデンもいっぱいガンバルからみんなもサーシャお姉ちゃん達の力になろうにゃ(^▽^」■「あと、さっきザッシュお兄ちゃんは、商会を見てきてくれって言ってたんだにょ。だからリンデン、ギルドへ行った後見に行ってこようと思うにゅ。みんなにわかんない言葉を使ったのはうにょ〜だったけど、ザッシュお兄ちゃんの仕事に対する真剣さはみんなと一緒だにゅ。みんなが仲良くお仕事できるように、いっぱいお手伝いするにょ(>▽<」■それから、リューイルお兄ちゃん達と一緒に、ギルドへ行ったにゅ。「おっぢさ〜ん、こんにちは〜だにょ〜」世話役のおぢさん(いつもだるそうだにゃ〜)にご挨拶をしたにゅ。■はにゃー…リューイルお兄ちゃん、すごい質問だにゃあ…。リンデンの聞きたいこと、全部喋っちゃったにょ。んじゃあ…「んっと、フルフラット家に伝わる珍しい物の噂とか、最近そういう品物が入荷されたーっていう話、聞いたことないのかにゃ?」 って尋ねてみたにょ。アージェお姉ちゃんの命と一緒に、リンデン達が守る『物』に関する質問をしてみたにょ。それから、世話役のおぢさんの答えをふにふに待つことにしたにゅ。

世話役質問攻め (1日目 夕方 盗賊ギルド)
■道中所々でそれとなく見張っている仲間に合図を送りながら、盗賊仲間しか知らない路地を入り、ギルドにたどり着く。■『何か美味いネタでもあるのか? それとも、稼ぎを納めにきたのか?』入ったとたん、世話役が言う。「首尾よく稼いでギルドに納められるように、必要なネタを仕入れに来たのさ。」軽口を叩きつつ、質問を頭の中で整理する。■「早速だが、染物とか扱ってるフルフラット家ってあるだろう?その家について、聞きたいことが結構あるんだ。…まず、リファールで有数の商家だとは聞いているが、具体的にはどの程度の規模で、また現在商売はうまく行ってるんだろうか?先代が死んだばかりで混乱してるんじゃないかと思うんだが。それと何でもいい、商売上、何か噂になったことはないだろうか。商売敵に恨まれているというようなことは?」■「先代の主人と、彼が生きている頃から商売を手伝っているという弟の評判はどんなものだろう。またその弟は商売に向いているのかな?…それと先代の死についても、病死だというのは本当だろうか。何か不審な点が噂になっていないだろうか?」■「直接ギルドは関わっていないと思うが念のため。最近屋敷の周辺をうろついている輩がいるらしいが、何か噂は入っていないかな?」■「先代の娘のアージェが後継ぎという話だが、彼女と従姉妹にあたるサーシャ、2人の評判と仲がいいかどうか。後を継ぐにあたって親戚の反対とか、トラブルは起きていないか。またアージェに親の決めた婚約者がいるか、あるいはそれ以外に恋仲になっている男はいるか。」■…ここまで一気に喋り終えて、ふうと息をつく。「取り合えずここまで、調べがつく範囲でいい、知りたいんだが…」とりあえずアッシュが言っていたことと、俺自身の疑問を並べ立ててみたが、やたらと多い。情報料も高くつきそうだ…

土産はあてにするなよ(苦笑)
■アッシュの立ててくれた計画に皆も賛同し、とりあえず屋敷に移動、ということになった。一旦拠点になる場所を確認しておけば、出入りが不規則になっても安心というものだ。■根城となる寮に案内してもらう道すがら、四方に目を走らせて敷地に入れそうな場所を探す。…やはりいくつかあるな、王宮ならともかく普通の屋敷ならこんなもんか。しっかりと覚えておこう。■隣ではザッシュの言動について−例の『方言』についてだ−再び議論になっている。…この際だ、俺も言いたいことを言わせてもらおう。まっすぐザッシュの目を見て−目つきが悪いせいでこれをやると大抵は良い感情を抱かれないが、目を逸らして言っても説得力があるまい−言った。「…なら俺からもひとつだけ言わせてもらおう。自分で間違ったことをしたと認めておいてその後で侮辱だと怒るのは、少々筋が通らないんじゃないかな。」言うだけ言ってアッシュと同様さっさと歩き出す。■…まったく柄にも無いことを言ったもんだ。少々言い過ぎたかも知れないが、信頼するというなら行動で示してほしい。もっとも俺も『言うだけ』にならないように、行動で示さなければないがな。■数分歩いて、サーシャが寝泊りする場所として提供してくれた建物に着いた。店と屋敷、そして寮とは結構な距離がある。死角になる部分もだいぶ多いだろうが、せいぜい気を付けて警備するより他にあるまい。割り当てられた部屋はたいした広さだ。1階は自由に使っていいとのことだが、それだけでもいまの人数の2倍は優に寝泊りできる。リファールでも有数の商家というのは伊達じゃないようだ。■「さて、じゃあ俺たちは盗賊ギルドに行って、帰りに荷物をとってくる。戻るのは夜だろうから、それまでよろしく頼む。…いい土産を持って帰って来るよう、努力するよ。」残る面々に言い置いて、俺は屋敷を後にした。■ものはついでだ、屋敷の周りを一周してみよう、と思いついた。屋敷は相当な広さで、1周回るだけでも結構時間がかかりそうだが概要を把握しておくのも必要だろう。…さて、件の『怪しい人影』とやらに遭遇できるかな?

布教活動
口論をしていたアッシュさんとザッシュさん(そういえば名前、似てるよね)。ザッシュさんに色々と言い放って背を向け、寮の方へ足を向けたセレスさん。その間、全く口をはさめず、見ていただけの僕・・・。こういう時、自分の力不足を実感する。でも、このままこの状況を放っておくわけにもいかないし。えいっと横からザッシュさんの脇腹をつつき、じっと眼を見ながら少しずつ、言葉を選んで口に出す。■「セレスさんの事、怒っちゃダメですよ。ただ、ザッシュさんの考え方を勘違いしてるだけなんですから。・・・アッシュさんやアーダさんの意見を取り違えて怒ってしまったザッシュさんのように。でも、それは誰が悪いわけでもないんです。相手の考え、特に言外の意味を汲み取るのはとても難しいんですから。」特にアッシュさん。態度に出さないうえに寡黙な人だから、誤解される事は多そうだ。■「アッシュさんもアーダさんも、馴れ合うつもりが無いから敢えて厳しい言葉を口にしてるんですよ。馴れ合うなら何も口にせず、態度に表さないのが一番なんですから。以前からの知人じゃない彼らがザッシュさんのミスに意見をするのは、仕事を成功させたいって思うプロ意識からですよ。相手に中傷ではなく苦言を呈するってものすごくエネルギーがいるんです。プロ意識が無いならそんな事しませんよ、きっと。それに・・・先ほどジェイラスさんも言ってましたけど、自分の意見を口にして相手に伝え、相手の意見も尊重して互いに歩み寄る、そこに成長があるんです。チャ・ザ様の教えなんですけどね。・・・そう言ってる僕もまだ実践はできないんですけど。」そう言って、右手の人差し指でこめかみを掻く。ザッシュさんも、ちょっと頭に血が上っちゃってるだけ、きっと。頭のいい人(だと思う)から、冷静に考える時間があれば、自分自身で解決すると思う。「もう一度、アッシュさんたちの言った事を、相手になったつもりで考えてみてください。きっとみんなの態度の意図が理解できると思いますから。」■セレスさんにも冷静になってもらわなきゃ・・・なんだか忙しいなぁ。走って彼女の後を追おうとして、ふと足を止めた。くるりと振り返り「ジェイラスさん、すばらしい仲裁でした。一度チャ・ザ様の教えを受けてみませんか?よかったら神殿に足を運んで、司祭様たちの言葉を聞いてみてください。チャ・ザ様の教えに傾倒する事が無くても、きっと得るものは多いと思いますから」チャ・ザ様の教え、頑張って広めないとね。■

もっと冷静になってください
なんだか、不穏な空気が流れ始めました。なんでこんなことになってしまったのかしら・・・。その原因を思い出すべく、その前に起きた出来事を振り返って見ることにしました。■確か、リンデンさんからメイド案が出て、私も同意してそれから、容姿などの関係から私がやることになって、その話題になったときに、『卑下することはないぞ。セレス殿なら立派なメイドになれるだろう』とジェイラスさんに言われて「えっ?」と一瞬思考が止まってしまいました。さらに追い討ち(?)をかけるように『……メイドになりたいんですか?知識神の神官は。…止めはしませんけど、この依頼はどうするのです??』とエメラーダさんにまで・・・。私は慌てて二人に作戦を事細かに説明しました。でも、今思えばかなり取り乱していて恥ずかしかったです・・・(赤面)■それが終わった後、戻ってきたサーシャさんから、『御一人ぐらいでしたらかまわないと思いますけど...セレス様は、御仕事はどの程度できますでしょうか?』と聞かれ、「一応、神殿で炊事洗濯などはやっていましたし、あとは教えてもらえれば何とかなる思いますわ(微笑)」と答えました。その後、『やっていただくとしたら、館内での警護ぐらいなんでしょうけど...アーダさんも屋敷内を希望されるのでしょうか?』と言われ、「えっ?アーダさんも(メイド役を)やられるのですか???」と言ってしまいました。あぁ、私のバカバカバカ!(苦笑)『とりあえず、雇い人の寮まで御案内いたしますね』と言われて、自己嫌悪から立ち直りつつ、移動しようと立ちかけたところで・・・。■そして、この重い空気です。もう、始まる前からぎすぎすしててどうするんですか!そう思い、この場を穏便に鎮めようとしました。■しかしここで、『さて、では寮の方に移ることにするか。一端皆で移動して場所を把握してしまおう。』とアッシュさんから声がかかりました。これで、やっと嫌な雰囲気から脱出できますね(微笑)と、そう思った刹那・・・。■ザッシュさんが、アッシュさんとアーダさんに向かって『アッシュ、アーダ。冒険者ってのぁ、プロ意識の無い馴れ合いの集団か?自分と合わなかったり理解できない人間を消し去る排他的な島国集団なのかよ?お前ぇら今まで、そーして合わねぇ人間排除して、のーのーと生きてきたんかい?』・・・・・火に油を注ぐとはまさにこういうことを言うのですね(ため息)これは、さすがの私もたまりかねて、「ザッシュさん、アッシュさんやアーダさんはそんな(小さな)気持ちであなたに注意したのではありませんよ。もっと、言葉の意味を考えてからおっしゃってください!もし、よく考えてから言葉だったのでしたら、今すぐ訂正してください!ザッシュさんがそんな方だったなんて知らなかったです。まぁ、確かに私もあなたに出会ってからそんなに経っていませんが、人を見る目はあると思っていました。とても残念です・・・。」そういって、私は振り向きもせずに寮の方へと歩き出しました・・・。

仲裁
「…何が起こっているのだ?」先ほどから妙に喧嘩腰の会話が続いている気がするぞ?ザッシュの方言が原因の様だが…本人も随分と不機嫌の様だ。アッシュやアーダ殿はそれが気にくわなかったのだろうか?延々と意図の掴めない会話が続いている…。だが、こんな調子では護衛もままならぬ烏合の衆と成り果ててしまう…ここはやはり騎士として場をとりまとめねば!■「先ほどの件は既に謝罪がなされたのだ もう蒸し返すことも無いだろう 今後同じようなことが無い様、ザッシュが弁えておけば良い」同じ過ちを繰り返すことは信用を大きく損なう。不注意から出たものであれば尚更のことだ。だが、方言を使ったからといって爪弾きにするのはあまりに短慮というものではないか。「これから互いに背を預ける仲ならば、お互い短慮を起こさずに歩み寄るべきではないか? さもなくば警護すべきご婦人に不安を与えてしまうだろう?」方言などは直しにくいものだし、故郷への愛着もあるだろうしな。流石にこれ以上続いては庇い切れんが。■「己の誇りを愚弄されたならば怒るのも仕方ないだろう だが、人はなりたいと想うもの以上にはなれないのだ ならば己の限界を決めて反発するのでなく、素直に受け入れて改めることも必要だぞ?」方言を口にしたことで、田舎者と馬鹿にされている様に感じてしまったのだろう。己の誇るべきものを馬鹿にされたのなら、その怒りは正当なものだ。しかし、先ほど謝ったということは、自らの非を認めたということでもある。ならば言葉の違いで受け入れられないと諦めてしまうのでなく、自らそれを改めねばならないのだ。誇り高くあることは大切だが、それによって己の成長を妨げてはならない。故郷の言葉は胸の奥で大切に眠らせておけば良い。うむ、我ながら素晴らしい仲裁だ!

ザッシュという男
■「わかった、俺の貴方に対する率直な話をしよう、あなたは何かを誤解しているようだし、色々わかってもらわなければならないことがある。」リンデンに微笑む彼に真面目な顔で向き直った。こうなってしまったらすべて率直に話してわかってもらうしかあるまい。■「まずひとつ、いいたいことを黙っているわけではなく、言う必要がないと考えていたからだ。だがこれはおれの判断ミスだったようだな。」息をひとつき。「最初に言っておくと俺はあなたの判断ミスに対して、俺はもう何の感情も抱いていないし、仲間として協力してくれるという言葉は素直に受け入とる。それに俺は貴方が協力する気がないなどとは一欠けらも思っていない。」■「そしてその合わない人間を排除するというのははっきりいって心当たりがない。俺はそんなつもりであなたを眺めたつもりはないし、仲間としての迂闊さはあると思うが、基本的に信頼できる人間だと思っている。」■「しかし率直な感想を言わせてもらえば、かなりの不安要素はある。まず基本的に自分の思考が間違っていないという考え、自分だけが嫌われていればいいというある諦観的な傾向、そしてすぐに自分が嫌われていると思う被害者意識だ。」「俺はあなたの人生につばを吐きかけるつもりなどないし、そもそも偉そうに口出しするつもりはない。だが、あなたの要望どおりにはっきり言わせてもらえば、あなたはこのままだと自分で自分の首を絞めつづけることになる。」■「俺の部族では年上には最低限の礼儀を払うのが掟だ、だからこんなことはいいたくなかった。が、もう一度言っておく。俺は仕事仲間としてはあなたを拒絶しない、だが一人の人間の態度として疑問を感じただけだ。」■「・・・俺の言いたいのはこれだけだ、言葉の意味をしっかり考えてくれ。若造の言うことだと偏見を持たずな。さもなければきっとあなたは後で失敗してからか、抜け出せない精神の泥沼にはまり込むことになる。俺が心配するのは俺や、そこにいる大事な相棒がそれに巻き込まれることだ。」随分と長い御高説になってしまったな。俺自身こんなことを人に言うほど立派な人間ではないというのに。「とにかく、俺はあなたを信頼しているし、あなたの人生そのものを否定しているわけじゃない、知らないだけだ。」俺はそう言って踵を返した。今はとりあえず寮に向かいたかった。

嵐の前兆、そして、癒し…
………。いつも、こうだ。■誤解から皆の態度を硬化させ、嫌われていく。そして対応に失敗し、火に油を注いで…この繰り返し。だが俺にも、譲れない部分はある。■「…おい、そこのアッシュ」俺を小馬鹿にしたような目を向けてる奴に、一言言っておく事にする。「何か言いてぇ事があるなら、黙ってねぇではっきり言いな。ここでうやむやにして、後々まで響くのは御免だぜ」■「俺は、その時必要と思われる行動を取っただけだ。その点に関しちゃ、判断ミスは認める。さっき詫びを入れた通りだ。…だが俺がいつ、協力しねぇっつったよ?」■「アッシュ、アーダ。冒険者ってのぁ、プロ意識の無い馴れ合いの集団か?自分と合わなかったり理解できない人間を消し去る排他的な島国集団なのかよ?お前ぇら今まで、そーして合わねぇ人間排除して、のーのーと生きてきたんかい?」■一呼吸置いて。「ともあれ俺は、お前らを信頼して協力する。駆け出しでも、一応プロの端くれだかんな。俺の言葉を信頼するかどうかは、お前ら次第だ」きっぱり言いつつ、酷く冷静になっていく自分を感じる。まずい兆候だ。…その時アッシュの相棒らしい「にゅ」の嬢ちゃんから、声をかけられた。思わず笑みが漏れる。■「いい奴なんだな、リンデン。…大丈夫。少なくともこれまで一度も、俺から人を嫌いになった事ぁねぇ。ただ…、嫌われる人間の傍にいる事で、あんたみたいないい奴が巻き添え食らうのが嫌なだけだよ」■…そう。『嫌われんのは俺一人で充分』。そう思ってるだけだ。■「だがな…これだけはわかってくれ。男ってな、真剣に怒っていい時ってのが、幾つかある。その一つが、自分の今までの生き方に、唾吐きかけられる真似をされた時なんだよ…」■「俺もベスト尽す…有難うよ、リンデン。頑張って行って来な」

ふにふに歩いて言ったこと
■『さて、では寮の方に移ることにするか。一端皆で移動して場所を把握してしまおう。』「う〜い、行くにょ〜」アッシュお兄ちゃんにお返事して、リンデンも席を立ったにゅ。それにしても、今度のお仕事はなんかいろいろモメモメしてるにゃあ。リンデン、ちゃんとお仕事できるのかにゃあ。ちょっと不安だにゅ(@w@;; ■とりあえず、寮に向かう道の中、ザッシュお兄ちゃんに近づいたにゅ。「リンデンもアーダお姉ちゃんも、ザッシュお兄ちゃんのことは嫌いじゃないにょ。お兄ちゃんのこと、まだよく知らないしにゃ。これから仲良くしたらいいにゅ(^w^」ってお話ししたにゅ。■人から嫌われたいと思う人って、本当はいないにゅ。嫌われるなんて、絶対慣れない気持ちだにゅ。人から嫌われてる時ってとっても寂しいし、人を嫌ってる自分もとっても悲しいにょ。そんな石ころみたいな冷たい気持ち、リンデンは持ちたくないにゃ。■「それにリンデン達が気をつかわないといけないのは、サーシャさんやアージェさんの方にょ。ザッシュお兄ちゃん、分かってくれるよね」■それから、そっとサーシャお姉ちゃんのところへ寄って行くにゅ。誰にも聞こえないよう、小さなお声で「お姉ちゃん、大丈夫だにょ。お姉ちゃんの気持ちは、きっとアージェお姉ちゃんも伝わるにゅ」って囁いたにょ。「お姉ちゃんの、大好きな人を助けたいって気持ち、とっても分かるにょ。だからリンデン達もいっぱいいっぱいがんばるにゅ(^▽^」■リンデン達のお仕事は、アージェさんを助けること、それからサーシャお姉ちゃんを支えてあげることだにゃ。そんなことをふにふに思いながら歩いたにゅ。

人間模様
どうやら一人程度ならばメイドも大丈夫らしい。それならば俺はやはりセレスを推すな。さすがにアーダ並みの体格となると少しメイドとしては非凡と言うか、不自然だろう。■しかし、どうも即席の大人数というのは厄介なものだな。すでに幾つかの確執が見え隠れしているような気がする。アーダが立ち上がろうとする気配を察した時はさすがに驚いた。鷹揚なところもあれば譲れない一線もあるということだろうか、やはりもう少し付き合ってみないと人間と言うのは分からない。加えて騎士殿は存外物分りがいい。もうちょっと自分の活躍を見せる為に駄々でも捏ねるかと思っていたが、素直な性格なのだろう。セレスに対する発言などからもむしろその当たりがよく受け取れる。よくみれば顔立ちもまだまだ幼い。元服して間もないと言った年頃だな。■帰ってきたエメラーダもどうやら依頼を受けることにしたらしい。さっきリンデンが外に神経を集中していたことを見ると恐らく内容も把握しているだろう。そしてそれを俺に話してくれるのも分かっていた。先ほどの不明言語の会話も後で教えてくれることだろう。会話と言えばザッシュ。歳をとってはいるが、この男がどういう歳のとり方をしたのかわからない。彼の発言をみているとあまり人生経験が豊富なようには聞こえないな。何しろ「気ぃ使ってくれなくていいよ」という台詞は、全くもって協調性というものを度外視した発言だろう。あまり手厳しく批判していてもしょうがないが、どこか投げやりに見えるその態度は、より周りを刺激することになりかねない。俺自身は迂闊なことをしてくれなければどのような態度でいられようと構わないのだが。見るものが見れば俺が彼に発言した時、口調にも視線にも苛つきのいの字も見なかっただろう。俺がそういう感情を本当に感じた時はすなわち切れているときだ。それもそれで問題なのではあるのだが・・・。ま、とりあえず彼にはそんなことまで指図する筋合でもないだろう。俺より明らかに年長のようだしな。年長者に人付き合いの説教など俺は苦手だ。■「さて、では寮の方に移ることにするか。一端皆で移動して場所を把握してしまおう。」今個々で分かれると、後で寮に戻ってくるのが大変だ。まずは移動して周辺状況の把握などを行わなければな。

勘違い、勘違い
「ああ、依頼人もう邸内にいなかったのね?いるもんと勘違いしちまったよ。」■何だ。下位古代語使う必要なかったんかい…あー恥ずかしい。皆にもう一度、先程の内容を共通語で話す事にする。■「ちと依頼人の前では話づれぇ内容だったからな…つまりはそーゆーことさ」■不快そうな視線を、数人…或いは全員かな?…より感じる。ちぃとした誤解ってやつか。これで愛想尽かされるようだったら、それも仕方ねぇかな。ま、愛想尽かすかどーかなんて、俺が決める事じゃ無いけどね。■「ああ、すまなかったな、アーダ。それから有難よ、リンデン。以後気をつける事にするよ」「でもやっちまった事は、やっちまった事だ。二人とも、無理に気ぃ使ってくれなくてもいいぜ」■…嫌われんのにゃ、慣れてる。

ちったぁ話を聞け・・・・・・
ザッシュ・・・そんなに、此処に居る人間を信用出来ねぇのかよ!!■リンデンの注意が無かったら、胸ぐら掴んでたところだ、くそったれ!!浮かし掛けた腰を、そのまま椅子に戻す。あー、むかむかする。何を隠す必要がある?サーシャは未だ戻って来ないってのに・・・。「故郷の言葉に誇りを持つのは良いことだ だが、皆に分かる様話すことも大切だぞ?」・・・・・・。「はぁ〜あぁ。」ジェイラス・・・毒気が抜けたよ・・・・・・。「輪を乱すなよ、兄さん。慎重なのは良い。けど、慎重と臆病とは意味が違うの、知ってるよな?」ザッシュにキツイ言葉を投げ掛ける。これでも押さえてンだ。■アッシュの案は相変わらず抜かりが無い。なかなかの策士だな。リオンだったら、こんなときどう指示出すだろう。そんな事を考えながら、思った事を訊ねてみた。「護衛の交代に関しては、休む必要がある人を、優先的に休める様にして。遊撃班・・・そっちが少しキツそうだけどね。護衛の方法はどうする?巡回か?歩哨で威圧するとしても、まず立つべき場所を把握しておかないとね。構わなければ、私は先に屋敷の周りを見ておこうと思う。必要になると思うから、簡単な見取り図でも作ることにしよう。誰か一緒に行く?」屋敷内の構造は、セレス達に任せるとして・・・まずは表だ。近隣の建物も見て置くか。立ち位置を把握しないことには、アッシュの案も意味を成さないからね。■そうこうするうちに、サーシャさんとエメラーダが戻って来た。宿に戻ろうと言うエメラーダ。頷いて同意を示した後で、口を開く。「そうだね。ただ、依頼は既に承諾している訳だから、皆で此処を離れる訳にはいかない。先に・・・リンデン達は、情報収集の後、宿に向かう?手順はそっちで決めて貰おっか。こっちは・・・エメラーダ、先に行ってくれない?ジェイラス、アンタも・・・大事な武具が無くてやりづらいだろうから、早く取って来ると良い。アッシュは揃ってンのか?私は後で良いよ。」宿に帰るついでに、近隣の人間が歩いていれば、フルフラット商会の評判でも訊ねてみるかな。■「さてっと・・・サーシャさん、大体の案は纏まってる。何人かは屋敷回りに立って護衛、その他に、不意を付かれるのを防ぐ為に、数名が潜伏して見張る事になった。それで・・・アージェさんの側に、一人付こう、と言う話になって・・・お手伝いの格好で、屋敷の中へ入れて貰うの、問題有るだろうか。」仲間を振り返る。「許可が出たら、セレスと一緒に、念の為だ、ララスかステン、屋敷の中を見せて貰ったらどうかな。」皆で入るのもどうかと思うし、とりあえず見取り図が欲しい。「サーシャさん、どなたか使用人さんに、屋敷の周りを案内して貰いたいんだけど・・・」

さあ、善は急げと申します
サーシャさんと二人で皆の待つ部屋に戻る。軽くノックをして、ドアを開けると…。「卑下することはないぞ セレス殿なら立派なメイドになれるだろう」と騎士殿がおっしゃっていた。「……メイドになりたいんですか? 知識神の神官は。…止めはしませんけど、この依頼はどうするのです??」少し席を外していただけなのに、もう話がわからないところに飛んでいる。「拙僧も、依頼を受けることにしました。作戦会議に混ぜていただけますか」■「そうですか……アッシュ殿の案に異存はありません。拙僧も及ばずながら、金属鎧を着込んで、御当主の警護の任に着きましょう。」私は皆に頷き返した。「そうと決まれば、今から宿に荷物を取りに行きませんか? 早く寮に移ってしまいましょう。こういうものは早いほうがいいと思います。我々が戻ってくるまでに、サーシャさんに色々と手配していただければよろしいのですし。いったん酒場に戻りましょう」そう言って、皆の顔を見回した。この場では話せないことも、たくさんある。サーシャさんを信じ、力になるとは申したが、背後関係などの調査は必要であろう。

万事抜かりなし
『ジェイラス様が一番実力を発揮できる状態が望ましいと、私は思うのですが...』「心得た 我が鎧が悪しき刃を防ぎ、我が剣がその敵を撃ち破る アージェ殿のことはお任せあれ」どんな状況であれ賊などに遅れをとることは無いが、大剣と鎧は我が誇り。『ご婦人の身を守るのはそちらの『騎士』殿に任せるとして、俺は別の方向から調べてみたいんだが…構わないんだろう?』「ふ…当然だ!」■サーシャ殿が席を外してから、またあのザッシュが方言で喋り始めた。方言が抜けきらぬのは些かみっともないと思うが…いや、このようなことで人を蔑んではいかんな。「故郷の言葉に誇りを持つのは良いことだ だが、皆に分かる様話すことも大切だぞ?」うむ、これこそ正しい気遣いというものだろう。■しかし…セレス殿がメイド?どういうことだ?冒険者をやめてこちらで働き口を求めるということか?…それも一つの道に違いあるまい。だが…自分で“おっちょこちょい”と評するのは関心出来ん。己の欠点は簡単に受け入れるのではなく、克服するべきものだからな。「卑下することはないぞ セレス殿なら立派なメイドになれるだろう」む?何か変なことを言ったか?…いや、私の心遣いに皆感じ入っているに違いあるまい。■「うむ 私に異論は無いぞ」アッシュの言うことは理に適っている。他のことはともかく私が正面で見張っておれば、賊などは恐れをなして近づいてはこれんからな!ふふ…この男、なかなか道理というものを分かっているではないか。こちらの様子をうかがうアッシュに頷き返してやった。私に任せておけ!

計画諸々
■リンデンが真っ先に元気に賛意を示し、加えてメイド変装という珍案をあげる。なるほど、奇想天外ではあるが相手の意表もつけるかもしれないな。■そしてリューイルが計画に賛意を示し、アーダも自分の意見を示しながら大まかな賛成とメイド作戦への擁護をあげる、ステンも恐らく賛成なのだろうが、そのアージェの周辺の警護に関する意見には一応注釈を加えておく。「おそらく傍に置くのならばメイド案でいったほうがいいだろう。普通の神経を持つ女性なら俺たちのような人間にすぐ身の周りをうろうろされたらたまらんだろう。ましてや今彼女は父親を失ったばかりで少々不安定かもしれん。依頼人の邪魔をしないで欲しいという要望と抵触しかねんな。」あくまでその声に感情はこもっていない。■そしてザッシュが、察するにグループ分けへのおおまかな賛意と、その構成の変更を提案した。それに対し俺は、しばらく言葉を選んだ後こう答えた。「むしろそのバランスというのが無駄になる場合もある。まずこう考えてくれ、護衛班と潜伏班は表裏一体の1チームだ。場所は違うが全体として屋敷を守っていることには変わりない。」つまりこれがあるべき役割の分担というものだ。バランスと言うのは野営などの単純なシフトならば重要だが、今回の場合は目的が純粋な戦闘よりもむしろ不審者の侵入の防止、そしてあわよくば捕獲といったことが主だ。そのための遊撃潜伏班でもある。俺はそれらの意図を簡潔にザッシュと、他の皆に説明した。この辺の共通理解は徹底しておいた方がいいだろう。■「それで・・・そのメイド案がサーシャから許可をもらえれば、割り振り、容姿などを考慮してセレスではどうだろうか。見習いメイドということだとどこまで身の回りに寄り付かせてもらえるか分からないが、内部の噂などを探れるかもしれないなどの利点も考えられる。勿論、これは表向きはサーシャさんには伏せておいて、身の回りの秘密裏な護衛と言った方がいいだろう。もちろんメイド役も露骨な情報収集はご法度だ。彼女に余計な心配や不安を与えたくはない。」ジェイラスの方をちらりと見ながら、最後にそう付け加えた。■さらに俺はセレスが潜伏班から抜けた為の人員構成の変更案を出し、その交代予定と、とりあえずの開始に関しての打ち合わせをした。さて、計画は整い始めたな。皆が皆のできるベストを尽くせば、自ずと最高の成果が現れる。俺はその祖父の言葉を思い出しながら、さらに計画について何か見落としがないか思考を巡らせていた。

ちょっぴりおせっかい虫にょ Scene1-7:ひとつの願い
■リンデンのメイドのお話から、セレスお姉ちゃんがその役を引き受けることになったにゅ。お外の守りはちょっと薄くなったけど、そのぶんみんなでがんばればいいよにゃ(^w^ ■はにゃ? またザッシュお兄ちゃん、普通の人に分からない言葉でお話してるにょ。サーシャお姉ちゃん居ないのに、方言使うことないのににゃ〜。■“ザッシュお兄ちゃんには似合わないからダレも着せないにょ” 下位古代語で答えたにゅ。“仲間同士でも、あまりこういう時に『方言』は使わない方がいいにょ。でないとザッシュお兄ちゃんがみんなから嫌われちゃうからにゃ”■あとでこんな話をしてたんだにょ、ってアッシュお兄ちゃんとかに教えてあげるにょ。リンデン、隠し事はあまりしたくないもんにゃ。

「ああ、それでいいぜ。だが…」 Scene1-7:ひとつの願い
「賛成だ。だが必要最低限の情報を集めたら、すぐに戻ってここの警備に当たって欲しい所だ」アッシュに答える。当面こいつがリーダー、って事で良さそうだな。「それから編成だが…夜間の襲撃の可能性を考えると、鎧の堅い戦士陣を固めるのはちと賛成しねぇな。バランスを考えて班分けしねぇか?」■ふむ…あとは…再び下位古代語で。“外に行くやつらは、帰りがけにでも商会を見て来てくれると助かる。活気があるか、不審人物がいないか軽く様子見て話し聞く位でいいだろう” 「ああ、すまねぇ。また故郷(くに)の言葉が出ちまった…」■あ、しまった。外に行く面子で、下位古代語判るやつがいるのかな。アッシュは無理っぽいし、リューイルも「のン」と「にゅ」の嬢ちゃんもきついか…ちとまずったかもな。■それから邸内の護衛の話になったが…ちょ、ちょっと待てよ。メイド服だって?(@@;■念の為…あくま〜で念の為。皆に聞くだけ聞いてみる。「まさか俺までメイド…なんてこたぁねぇよな?(汗)」

メイドやるなら Scene1-7
アッシュさんやアーダさんの提案、さすがだと思う。戦士だけあってこういう仕事には慣れてるんだろうか。リンデンから「メイドに扮して身辺警護」というアイデアが飛び出てきたのはちょっとびっくりしたけどね。■「表立っての護衛もある程度OKなら、アージェさんの近辺にも堂々と一人いてもらう訳にはいかないんですか?それならばアッシュさんが言うような、示威という面では効果は大きいと思いますし。もちろん、アージェさんがそれを拒まなければ、ですけどね。」■もし拒まれたら、リンデンやセレスさんが言うように、扮装しての護衛をするべきだろうか。「拒まれた場合、メイドで護衛をするならやっぱり女性ですよね。それで、万が一の荒事にも対処できそうな人と言えば・・・」僕はそう言いながら、ちらりとアーダさんへ視線を移した。

まずは組分けか・・・。 Scene1-7:ひとつの願い
む、エメラーダ・・・まぁ、迷うのも無理はない話だ。サーシャが後を追って部屋を出てゆく。「ふう」私はひとつ、ため息を付いた。こんなんで上手く行くのかな。■喋り出したアッシュを見る。彼が上手いこと、引っ張っていってくれるだろう。ああ、勿論協力は惜しまないよ。■「もしこの案に賛成なら希望の配置を、反対なら他の妙案か修正案を出してくれ」彼の言葉に、他の人が話し終わるのを待って、返答する。「その案で良いと思う。此方は・・・まずは屋敷の周辺を確認する事からかな、立て付けの他に、侵入出来そうな場所、回りの建物、その辺りを見ておきたい。それと・・・装備品を、洞窟亭に置いたままだから、一旦戻らないと・・・今回の件は、」ちらり、とジェイラスを見る。騎士殿が、暴走しないでくれれば良いけど・・・「野伏の技も活かしたいから、鎧はこのままで居ようと思う。少なくとも、情報がある程度集まる迄はね」敵の姿がもうちょっと明確にならないと・・・アージェが決断を下す迄に、何事も無ければそれで良し、まぁ、その後どうなるか・・・って話は、徐々に見えて来るだろうか。■ん、メイドって言った?セレスが、お手伝いの姿で、屋敷の中に乗り込むって寸法か。ふむ。「それに、”おっちょこちょいな新人メイド”ということにすればまだ不自然さが薄くなるかもしれませんし。」確かに、一人でもアージェの側に居られるなら、その方が良い。彼女にしてみれば・・・煩わしいことこの上ないだろうけど。「住み込みで働く事になりました、って、紹介して貰えば?家が同業で、商売の勉強をしに来ました、とでも言ってさ」

方針が見えてきたな…いろいろと Scene1-7:ひとつの願い
■なにやらエメラーダは仕事を受けるかどうか迷っているらしい。あまりにはっきりしない依頼の内容にいらだっている様子が見て取れる。…まあ、俺も含めて、みんな『物好き』だと思うぞ、この時点で引き受けてるやつって。■かたくなな態度に周りがとりなそうとするのだが、それも納得できるものではないらしい。とうとう堪りかねたのか、部屋を出て行ってしまった。そしてそれを追うサーシャ。…生真面目過ぎるんだな、きっと。■二人はどうやら建物の外まで出て行ってしまったらしいが、風向きがいいのか、2人の会話は思いのほかはっきりと聞き取れた。…どうやらサーシャの思いは届いたようだ。やはりいつでも人の心を打つのは真摯な、心よりの言葉なのだな。エメラーダもかたくなな態度を捨て、『依頼を受ける』そうはっきりと言った。揉め事が一つ片付いて一安心、だな。■その間に室内ではアッシュが大雑把な方針を提案していた。矢継ぎ早に飛び出す提案は的確で、現時点では最良だろう。アッシュの提案に対してリンデンが声を上げる。『…んじゃリンデンはお外を回って、いろいろ聞いてみてみるにゅ!…リューイルお兄ちゃんとララスお姉ちゃんも、お外回りがいいのかにゃあ』■「…そうだな、俺もまず情報集めをやろう。…ギルドで聞いてくることが他にもあったら今のうちに言ってくれ、みんな。情報集めが一段落したらその後は遊撃班だな、きっと役に立てると思う。」前半はリンデンに向けて、後半は皆に向けて言う。■その後、リンデンの言葉がきっかけで話題はなぜかメイドに扮して護衛するとか何とか言う話になっている。つい、思ったことが口に出た。「…そんなにあの服、着てみたいのか?」

読まれてるのかな・・・ Scene1-7:ひとつの願い
エメラーダさんが出て行かれた後、サーシャさんも続いて出ていかれました。確かに私(たち)も言い過ぎました。人の気持ちを考えないのは私も同じようです。■二人が出て行かれた後、アッシュさんが護衛についての詳細案を出されました。どれも効率的で、確かな成果がある案だと思いました。それに比べて私は・・・。■『それから、誰かメイドさんになって、アージェお姉ちゃんの傍に着いた方がいいかもしれないにゅ。敵さんは、お外から来るとは限らないにょ』・・・ハッ!読まれてた!?(赤面)■どうやら私の浅はかな考えは読まれていたようです。でも、いくら外を厳重に警護してもすでに内部に刺客がいれば致命的な結果になりうることも考えられますね。■「そうですね、誰かが傍にいれば不測の事態が起きても何らかの対応が出来ると思いますし(微笑)」と私も同意の発言をしました。「それに、”おっちょこちょいな新人メイド”ということにすればまだ不自然さが薄くなるかもしれませんし。」とも言いました。

「大好き」の形ってデリケートだにょ Scene1-7:ひとつの願い
■エメラーダお姉ちゃんが出ていった後、サーシャお姉ちゃんが後を追いかけてったにゅ。小さく開いた扉から、二人のお話が聞こえたにょ。「...アージェは、私の大事な従姉妹で、友達で、家族です」「本当に彼女の身を守りたいと思っています。この気持ちに嘘はありません」「彼女の御父様が亡くなられて、あちこちで不安を囁かれています...支えを失った人間が、のしかかる重みに耐えられるでしょうか?」「私は彼女のことが好きだから、元気でいてほしいと思っています。元気になってほしいし、落ち込まなくてもよくなって、笑って欲しいと思います」「でも、私がしようとしていることが彼女のためになるのかは、全然自信が持てないままで...その迷いが依頼をする時にも出ているのかもしれません」■はにゃ…そうだったんだにゃ…。サーシャお姉ちゃん、本当にアージェさんのことが大好きなんだにゃー。リンデンも分かるにゅ。本当に好きな人の力になりたい時って、とっても悩むんだにゃ。自分の気持ちがその人の負担になることが一番いやだもんにゃ。はにゃー…事態はとってもデリケートだにゅ。リンデン、ふにふに考えたにょ。■ふにふにしてる間に、アッシュお兄ちゃんが、いろいろ案を出していたにゅ。こんなにいっぱい喋るアッシュお兄ちゃん、初めてみるかも…(・w・ ■「はにゃ、みんなを3つに分けるんだにゃ。んじゃリンデンはお外を回って、いろいろ聞いてみてみるにゅ! みんなをいっぱい助けるにゅ(>▽<」 リンデン、元気にお返事したにょ。んでもって、「リューイルお兄ちゃんとララスお姉ちゃんも、お外回りがいいのかにゃあ」 って聞いてみたにゅ。「それから、誰かメイドさんになって、アージェお姉ちゃんの傍に着いた方がいいかもしれないにゅ。敵さんは、お外から来るとは限らないにょ」って言ってみたにょ。

お力になりましょう
扉を閉めて、歩き出す。やや傾いた日の光が少々目に痛い。どうしたものかなあ……依頼の内容があまりに不透明なのが気に食わない。それとも、たいがいはこんなもんだろうか。別に依頼人が、我々を騙そうとしているようにも見えなかったし……。なんなんだろう。妙に納得できない。このままでは受けるのもイヤだし、辞退するのもすっきりせんな。■そんなことを考えていると、後ろから呼び止められた。振り向くと、サーシャさんが小走りに駆けてきたのが見えた。「少し、御話をしてもよろしいでしょうか...?」「え、ええ」少し面食らって私は頷いた。■「...アージェは、私の大事な従姉妹で、友達で、家族です。本当に彼女の身を守りたいと思っています。この気持ちに嘘はありません」「……はい」「彼女の御父様が亡くなられて、あちこちで不安を囁かれています...支えを失った人間が、のしかかる重みに耐えられるでしょうか?」……あっ。そうか、ご父君が亡くなられたということは、家を継がなくてはならないとか財産の問題以前に、悲しみなのだ…■「私は彼女のことが好きだから、元気でいてほしいと思っています。元気になってほしいし、落ち込まなくてもよくなって、笑って欲しいと思います」「はい」力強く頷いた。「でも、私がしようとしていることが彼女のためになるのかは、全然自信が持てないままで...その迷いが依頼をする時にも出ているのかもしれません」「そうですね。あの不明瞭さは迷いと、あなた自身に知らないことがあるからですね」なぜあんなに要領を得ないのか、わかった気がした。■「ジェイラス様の手を御取りした時も、私はどこか不安だったのかもしれません...」「………」「私にはどうすることもできない。だから、せめて彼女が決断に対して集中できれば、と思ったのですが...」■「すべてを御話しすることはできないと思います。でも、彼女には助力が必要だと思っています。そして、私も助力を求めています。なぐさめてくれる人ばかりではなく、叱っていただける人も必要です。一人でも多くの力を御借りしたい...」助けて欲しい、か…「どうか、御願いします...御受けして、いただけませんか?」そう言って、彼女は深く頭を下げた。■「…どうか面をお上げくださいませ。拙僧はあなたにそこまでしていただく謂れはありません」私は彼女の肩に手をかけた。そしてゆっくり、話し出す。「拙僧は事象の羅列を追うばかりで、それに付随する人間の感情というものを見落としがちだと、学院の導師や高位の司祭によく窘められました。今回もそうであったと思います。…申し訳ありませんでした。あなたのことばに、わたしは光を感じた気がします」■「感情も、迷いも、神が人間がお与えになった贈り物です。大いに悩んでください。そして、くじけそうになったら、誰かに助けを求めることも決して悪いことではありません。それも、神が用意してくださった素晴らしい仕組みです」私は彼女の手を取った。「わかりました。あなたのご依頼、お受けいたしましょう。あなたがたが決断を下せる日まで、お力になりたいと思います」■そこで、いたずらっぽく微笑んでみせた。「それと、これは私からの忠告ですが…。むやみに殿方の手は握ってはいけませんよ。さあ、戻りましょうか。まだ風が冷たいから」

護衛計画詳細
■出て行ったエメラーダを見送り、そしてさらにそれを追うように出て行ったサーシャをまた見送る。何となくだが、彼女が追った理由は分かる気がする。鷹揚に、人当たりよく依頼をにこにこと受ける一見礼儀正しい態度と、依頼人と向き合い、きつい態度であろうと真剣にそれに向き合う姿勢、どちらが絶対に正しいとはいえない。だが、依頼人が心を動かされるようなことがあるとすれば後者だろう。しかしどうもあのエメラーダという女、自らトラブルを呼び込みそうなタイプだ、危いな。■「で、仕事のやり方だが・・・まず護衛護衛した示威用の人材、そして情報収集兼遊撃用の人材に分けるべきだろう。とりあえずこれだけ人数がいれば昼夜を通しても護衛可能だ。もし俺が敵なら夜をつかうことも十分考える。」サーシャがいないのでいろいろ気にかけることなく話す。一同を見回し、それぞれがどう名乗っていたかを思い出す。「とりあえず示威の面子には重い鎧を着る面子が適任だと思う、で、ある程度侵入者が狙いそうな出入り口などを固めよう。それから情報収集は、ギルドに繋がりのある面子が主にいってもらうといいと思う。他は敷地外の巡回、もしくは身を隠して張り込みをする遊撃班としてどうだろう?できる範囲の情報収集の終わった面子は遊撃か示威にまざればいい。」少々喋りすぎたか?指図のつもりはない、あくまで一つの提案だ。「もしこの案に賛成なら希望の配置を、反対なら他の妙案か修正案を出してくれ」■「で、情報収集班は主にこの家の資産規模と現状、商売上の噂、先代の死の詳細と不審な点の有無、商売を手伝っている叔父の評価と噂、付近をうろつく怪しい人物と盗賊ギルドの関係・把握度などを洗って欲しい。情報にかかった金額は後で全員で割ろう。」普段の無口さを知っている人間は今の言葉の網羅に驚くかもしれないが、俺は必要なことしかあまり口にしないだけだ。■さて、どう動き出すか・・・これだけの寄せ集めの人数、どこまで効率的に動けるものか。チームワークを考える上で重要なのは、それぞれがやるべきこと、そしてフォローすべき場所をわかっていることだと俺は思う。全員がそのセンスを持ってくれていると助かるのだが。・・・勿論、俺自身も含めての事だがな。

少し時間をください
「ん〜〜・・・決断が何かは期限に関する問題だけで、あまり依頼内容と関係ないのでは?長くて2〜3週間ってサーシャさんもおっしゃってますし、もしそれ以上に長くなるような場合、契約をどうするかを決めていただければ、敢えてプライベートな事を聞くこともないと思いますけど。」「エメラーダ殿 サーシャ殿は心より肉親を案じておられるのだ それを貶める様な言葉はやめて貰おう」「それはあまりに言いすぎだと思われますわ。これ以上のプライベートに関わるような問いかけは、尋問と変わらないのでは無くて?」「プロフェッショナルは、プライベートには立ち入らないともお聞きしたのですが...」…プライベート、ねえ…「プライベートの情報と、依頼を遂行するに必要な情報とはまた別だと思うのですが」目を閉じて、しばし考えた。■確かに、これで受けるのは物好きだろう。アッシュ殿の『皆は、どうする?』という声に、依頼を受けるという声が続々とあがる。私は…。「すみません。拙僧にはまだ判断いたしかねます。しばし考える猶予をいただけませんか。…もっとも、拙僧が受けずとも、もう十分に足る人数だとは存じますが……少し、席を外させていただきます。10分で戻りますゆえ、お話を進めておいてください」と言って、私は扉を開け外に出た。これでは、プロとは言いがたい、か…。はーっと大きくため息をつく。賢者の学院の導師よ、確かに、私は頑固で冒険者には向かないかもしれませぬ。

それはちょっと言いすぎです! Scene1-5
エメラーダさんが依頼人であるサーシャさんにまるで罪人に尋問をするかの如く捲くし立てる。その光景にさすがの私も閉口しました。とくに、ジェイラスさんの手を取ってごまかした、という件には苦笑するしかなかった・・・。■「それはあまりに言いすぎだと思われますわ。これ以上のプライベートに関わるような問いかけは、尋問と変わらないのでは無くて?」と、静かに、努めて冷静に言いました。それを踏まえてから、「この件、私も慎んでお受けいたしますわ(微笑)」と、簡潔に答えました。要らぬ詮索はかえってトラブルの火種になるとも限らないのですから。■どうやら、私が静観を決め込んで話を聞いているうちに質問事項があらかた出てしまったようです。さて、護衛をするのはいいとして、アージェさんや家族の方々などに気づかれないように、ということなのでメイドさんに扮してみようかしら?それなら不測の事態が起きても即座に行動できると思われますし、一度はメイド服に袖を通してみたいものですから(笑)

き…筋肉兄妹っΣ( ̄□ ̄; Scene1-6:きつい口調もしかたがない...か?
「とと、悪ぃ悪ぃ。ついつい故郷(くに)の方言が口を突いちまうんだ…勘弁ナ」軽く頭掻きながら皆の言葉尻に乗る。依頼人は下位古代語の会話は不可…と。ま、これが演技なら大した珠だ。しかしエメラーダからフォローが入ったのは予想外だったな。だがこれで仕事もやりやすくなるか。結果おーらい。■とと。アーダ、だったか。『兄さん』ってそりゃないべ…ま、オジサマ呼ばわりされるよりゃいいんだが。それにしても…凄ぇ筋肉だ。鍛え上げられた熟練の戦士、ってヤツだな…と、いかんいかん。見惚れてたりしたら余計な誤解受けちまうぜ。俺本当は、女性苦手なんだよ…。■う〜ん。さすがに人数多過ぎて覚えきれてねぇや。ここらで整理しとくか。■え、と…。■前から顔なじみのステンとセレス譲ちゃんは心配ねぇな。あとうるさ方その1がエメラーダで、その2がジェイラス、と。筋肉妹(なんだかな…)が歴戦の戦士でアーダ、あとアッシュは意外に苛立ち屋で、その相棒が「にゅ」のお嬢ちゃんでリンデンか。お嬢さんはもう一人いて、こっちが交通整理で「のン」のララスちゃん。んで最期が、今話してたリューイル。慎重な性格みてぇだし、案外リーダーに向いてるかも知れねぇ。■…よし。取り敢えずインプット完了〜っと。「んじゃ、お仕事開始と行くかね…取り急ぎ俺たちゃ何すりゃいい?」依頼人に聞いてみる。「勿論プライベートにゃ踏みこむつもりはねぇよ。安心してくれ」

大いに興味を惹かれるね。…命は賭けないけれど(苦笑) Scene1-5
■感動に打ち震えているジェイラス、依頼人を前になにやら怪しげな言葉でしゃべりだすザッシュ、それを手厳しく諌めるアッシュ…やはり癖の強い連中、という第一印象は間違っていなかったようだ。■ちょっと意外だったのは、先ほど傍若無人な振る舞いを見せた神官、エメラーダがザッシュをかばう発言をしたことだ。その上で、サーシャに疑問点を問いただしている。■相変わらず言葉に刺というか、他人に対する思いやりが欠けているようにも感じるが、彼女は俺とは違うやり方で、だが真剣に生きているのだなと、突然に訳もなくそう感じた。■サーシャと他の面々とのやり取りでいろいろな事が判って来る。襲撃というか、アージェの身に危険が及びそうなので守ってほしい。そしてその危険というのは、アージェが抱えている極めてプライベートな問題に密接にかかわっている。そして、サーシャは従姉妹に気を遣いつつ、それをアージェ本人に気づかせてはならない、ということなのだろう、要約すると。■『で、皆はどうするんだ?』依頼を受ける、と表明したアッシュがこの場のまとめ役を買って出たらしい。考え込んでいた所、彼の声でふと現実に引き戻される。依頼を受ける、という言葉がそれぞれの口から発せられる中、俺も勿論こう言った。■「もちろん依頼はやらせてもらいたい、そのためにここまで来たんだ。たとえ物好きと言われようと、な。」不可解なところも多い依頼だが、不可解なのは嫌いじゃないし謎を解いていく過程何より楽しい。■またサーシャはあまり大人数が屋敷にいるのは望まないらしい。それなら俺のような盗賊には別のやり方ができるだろう。「ご婦人の身を守るのはそちらの『騎士』殿に任せるとして、俺は別の方向から調べてみたいんだが…構わないんだろう?」サーシャに向かって言いつつ、ララスとリンデンに目配せする。盗賊ギルドに行く人、この指とまれ、だ。

我が身命に賭けて!
「…なんだ? 何を言っている?」なにやらザッシュとか言う者が妙な言葉を口走った。もしや…昼間から酔っているのか?けしからん…ご婦人の前で奇行に走るとは恥を知るが良い!サーシャ殿がお気を悪くされていない様だから見逃すが、そうでなければ叩きのめしてやるところだ!■「…何? 独り言? ならばあれも方言…なのか?」その後のやりとりによれば、あれは意味のある独り言だったらしい。むむむ…世には何と訛りの多いことか。半妖精の二人の言葉はまだ理解できたが、今度はさっぱり意味がわからん。よほど辺境の地で育ったのだろうか?■「エメラーダ殿 サーシャ殿は心より肉親を案じておられるのだ それを貶める様な言葉はやめて貰おう」至高神の司祭であれば、ご婦人の身を狙う悪党を追求しようと言うのは肯ける。だが、そのためにご婦人の秘密を暴き立てようとしたり、高潔な心を貶める様な発言を見過ごすことは出来ない。しかも折角の柔らかで滑らかな手が…いや、いかん!いかんぞジェイラス!邪念を捨てるのだ!■『で、皆はどうするんだ?』何やら細々とした話が続いたが、結局重要なのはこの点だろうに。アッシュと申すこの者はなかなか道理を弁えている。「無論! 我が身命を賭してアージェ殿をお護りする!! 不埒な輩が近づくなら切り捨ててくれる!」…む?切り捨てる?いや、当然のことだ。だが…何かあった様な…?おぉ、そう言えば私は今帯剣しておらんではないか!■騎士は平時には武力をひけらかさぬもの。大剣と鎧は宿に預けていたのだったな。むむ?だがアージェ殿の屋敷の中ではどうなのだ?あまり物々しくしてご婦人を怯えさせる様ではいかん。「サーシャ殿 つかぬことを伺うが…警護の際には軽装の方が望ましいのですかな?」

やれやれ・・・・・・。 Scene1-5
・・・おいおい・・・依頼人前にして、怪しまれるだろ、それは・・・。ザッシュが語った言葉は、紛れもない下位古代語。案の定、アッシュが苛立ちの声を上げる。そう、言葉が問題なんじゃない。■エメラーダの畳みかける様な質疑の後で、ステンがサーシャに交渉を持ちかけている。「はン。今のは上手くなかったな、兄さん。好んで不信の種を植え付けることも無い」サーシャの視線が逸れたその隙に、喋れる様になったばかりの下位古代語を使って、私はザッシュにそう囁いた。■さてと。なおさら私は言えないのです・・・と来たもんだ。話したく無いと言うなら、それで良い。アージェの置かれている状況は、彼女に取っても深刻なのだろう。そうなって来ると・・・いいとこのお嬢さんが、決断を迫られる時なんて言ったら、あれくらいしか思いつかないんだけどさ。ちらりと覗く好奇心。猫をも殺す、って諺があったっけね・・・・・・もっとも、冒険者になりたい、なんてのだったら、面白いんだけどな。■「ああ、この依頼、受けさせて貰うよ。サーシャさん、貴方も知っての通り、私らは、さっき顔を合わせたばかりで、お互いの素性も腕前も、良く分かって居なくてね。さっきのは・・・試されてたんだ、あの兄さんにさ。冒険者ってのは、言うなればならずものの集まりだ。けど、自分の仕事には、相当の誇りを持ってる。これだけは譲れない!!ってさ、ついムキになっちまうんだ。これからも、失礼が重なるかもしれない、なるべく気を付ける様にするよ。もっとも、依頼を果たすのに、真っ当な手ばかりを使うとは限らない。敵があくどい奴らなら、相応の手段を用いる事になる。それは、分かって貰えるかな?勿論、フルフラット家の名誉に関わる様なことだけはしないと誓うよ。護衛に関しては、これから詰めて行く事になると思うけれど、今回の事は、ご家族にも内密にする必要があるよね?私らの出入りは、使用人さん達にも、怪しまれない様、手は打って貰えるんでしょ?」こんだけの人数だ、屋敷を取り巻くだけでも、効果はあるかもしれないけどね。「ああ、名乗ってなかったな、私の名前はアーダ。ところで・・・サーシャさんは、何をしている人?」

仕事の話だからな
■エメラーダの質問に、彼女は表情を曇らせた。「...それは、私にもわからないのです」その口調はいかにも事情含みで、彼女が微妙に立場にいるであろうことを想像させる。「ただ、彼女が危ないのは確かなのです」しかし彼女はそれだけは断固として言い切った。■あまり込み入った事情は話せないが、その上で依頼を受けて欲しい、と彼女は言った。そして言い訳するかのように、エメラーダの、彼女を守るのならば事情を話して欲しい、という訴えにこうも付け加えた。「なら、なおさら私は言えないのです・・・話すつもりがないことも、貴女は隠し事と呼びますか?」それは隠し事ではないな・・・公然とした黙秘だ、と心の中で呟いた。「今、彼女の邪魔をするようなことがあれば、彼女は死をも辞さないかもしれません」穏やかではない話だがそれだけ私的で、しかも彼女にとっては深刻な問題なのだろう。いや。彼女「達」にとって、か?何にしろ依頼を果たすだけならば俺たちには直接は関係してこない。勿論間接的には大いに関わるのだが。■「それとも、依頼があくまでも屋敷の警護のみ、という形ならばよろしいのでしょうか?」つまりは彼女を守るのではなく、屋敷自体を警護して欲しいのだと言いたいのだろう。そしてさらに彼女はこう続けた。「プロフェッショナルは、プライベートには立ち入らないともお聞きしたのですが...」「場合によるということだ。今回は我々は迎え撃つべき敵を持っている。彼女自身の私的な決断の結果はともかくとして、敵に関しては情報があった方がいい。つまりはそういうことだ。」■冒険者はつねに不確かな状況で選択を迫られる場合が多い。完全に明らかなことのほうがどちらかというと少ないだろう。それでも出来る限りは状況を明らかにして、身の安全を確保するのまた良い冒険者の条件といえる、と祖父が言っていた。「とりあえずその不審者が彼女に関係あるかどうか分からないのだったら、こちらで彼女を邪魔しない範囲で独自に調べるのは構わないな?俺たちも命のやり取りをする仕事だ。さっきも言ったが敵の正体はなるべく明らかにしたい。」■とりあえず俺は依頼を受けるつもりでいる。おそらくは相棒も同じ意見だろう。大方の詳細な条件を聞いて納得した。「俺は物好きな人間ではないが、依頼は受けよう。」むっつりそういった後、俺は皆を見回した。「で、皆はどうするんだ?」■さて、リンデンにララス、何人依頼を受けるか知らないが他に盗賊がどれくらいいるのだったか。それぞれに分担して仕事をしてもらった方がいいかもしれないな。

こっそり要求 Scene1-5
尋ねるというより問い詰める、いやむしろ尋問するといったエメラーダさんに、口を挟もうにもその隙が無い。うぁ・・・すごかった・・・。一通りまくし立て、サーシャさんをにらみつけている彼女に、やんわりと反論する。ちょっとギスギスした雰囲気をやわらげるため、ほんの少しゆっくりとした口調で。■「ん〜〜・・・決断が何かは期限に関する問題だけで、あまり依頼内容と関係ないのでは?長くて2〜3週間ってサーシャさんもおっしゃってますし、もしそれ以上に長くなるような場合、契約をどうするかを決めていただければ、敢えてプライベートな事を聞くこともないと思いますけど。」エメラーダさんにも話したくない秘密くらいあるでしょう?そう言おうとして思いとどまる。言えば余計に反発するだけだろう。強く触れる者に対してはその針で突き刺す、ハリネズミのようなタイプらしい。いや、前にいる者は跳ね飛ばす、暴走ハリイノシシとでもいうべきか。そんな生物がいるかどうかは知らないけれど。■それに、サーシャさんも僕らに全て打ち明ける訳にもいかないよな。僕らがこの依頼を不審に思うのと同様に、彼女も僕らを頭から信じるわけにもいかないだろうし。僕が不審者なら、自分もしくは仲間をこの場に紛れ込ませるくらいの事はする。そういう意味では、大商家の家人である依頼人が僕らを騙す可能性より、こちら側の人間の方がよっぽど疑う余地があるよ。■「護衛対象の所持品に関しては・・・まさか彼女が相続した遺産全て、などとは言われませんよね?不審者も話し振りから察するに、目撃されているようですし。ジェイラスさんのように騎士道精神というわけではないんですけれど・・・」ちらりとジェイラスさんに目をやる。先ほどから騎士として振る舞い、鷹揚な態度を崩さない彼。自分の力量によほど自信があるんだろうな。「僕もこの仕事、受けさせていただきます。護衛期間中の待遇なんかも聞かせてくださいね。」

なるほど
■「そうだな、それは思い当たらなかった。短慮な発言、謝罪する」エメラーダの発言を受けて、そうすぐにザッシュに謝った。確かにそういう可能性もあるかもしれないな。明らかに俺たちに話し掛けていると思ったのだが。まぁ何にしろ言語自体が分からないので推測の域をでない。まぁ、エメラーダの発言を噛んで含めば、恐らく依頼人が不信感をもったとしても、大分薄れるのではないかと踏んだのだ。■そして事情の詳細に間して問いを発するエメラーダを黙って横目で見る。俺自身のポリシーから言えば、あまりプライベートに立ち入るのはご法度ではあるが、他の人間が知りたいというのを止めるほど俺も傲慢ではないつもりだ。ま、答えるかどうかは依頼人次第である。もし彼女が拒否するのにそれでも問い詰めるようならばとめねばなるまい。見たところ彼女もそれほど愚かではないだろう。■ま、騎士の手を取ったのが誤魔化しであるかどうかは別として、多分にあやふやな所のある依頼であるのは確かだ。結局依頼人に詰問するのと裏で独自に調べるの、どちらも似たようなものかもしれない。とりあえず俺はまた大人しく答えが来るのを待った。

言葉が足りないんじゃなくて
「アッシュ殿。ザッシュ殿はご自分の慣れたことばで独り言をおっしゃっただけでしょう。拙僧もたまに、東方のことばが出てしまうときがあります。特に、考え込むときはね」そう言って、私はみんなに頷いた。今のは下位古代語だ。私は読めても会話はできないから、よくわからなかったけど…。確かにこの場で密談すべきではないが、そのことを指摘するのも依頼人に不信感を与えるんじゃないか。まあこの依頼人の方が不信感を我々に与えるのだが。…あのジェイラス殿は別としても。■「守るべき彼女の所持品とは、指輪か何かですか。はっきりおっしゃってくださらないと困ります。本当に不審者には心当たりはありませんか? アージェさんの決断とは、何なのです。何もかも隠したまま、契約は成立しませんよ。本当に彼女の身を守りたいと思うのなら、隠し事はいけません。そのことが命取りになるんですよ。『こんな内容で誰が受けるというのでしょう』ではありません。御当主のことを思うなら、ぎりぎりまで譲歩してください」■「騎士の手を取ってごまかすようなことをせずに、あなたの誠意を見せてくださいませ。決して他言はいたしませぬ。悪いようにもいたしませぬ。我が神ファリスの御名にかけて、誓います」そして、サーシャさんの顔を見据えた。■こんな不審な依頼、なるべく受けたくはないが、ここで帰っては、同様に集まった冒険者たちに腑抜けと言われるのが落ちであろう。やれやれ……

不審の種は巻くべきでなはい
なるほど・・・やはりアージェの護衛が仕事だったわけだ。所持品というのはつまり財産のことだろうか。つまりは彼女は今何らかの決断を迷っており、それが決まるまで何かの邪魔が入らないようにして欲しいということなんだろう。それに加えて不審人物の周辺徘徊か・・・確かに気になる所ではあるな。■しかしジェイ、単純というか、おそらく騎士というものの原型のようなものが彼の中では確固としてあるのだろう。まるで騎士物語にでも出てくるような台詞を用いている。現実にそこにいるのは冒険者だが、ぴかぴかの鎧には案外その類の台詞の方が似合っているのかもしれない。■そういえば例のファリス神官、エメラーダへの見解は皆総じて反発的だ。確かに彼女自身の社交術はともかくとして、内心の態度は皆それほど変らないんじゃなかろうか?正直すぎるというのはときにそんなものでもあるのだ。その為ザッシュの言葉には賛意を示しておいた。冒険者は何時でもチームワークがとれたほうがいい。■しかし彼のその後の行動はどうにも賛成しかねるものだった。なにやら皆に怪しげな言語で話し掛ける。一体何語だろうか?何語にしろ依頼主の前で仲間内でしか通用しないような言語を用いるのは密談しているよと宣言するようなものだ。たとえその内容がどんなものであったにしろ、だ。「ザッシュといったな、何といった?俺が依頼主なら商談の最中にいきなり密談するような奴は信用しない。それとも俺たちを試しているのか?それは高慢な行為だと思うが。」それともただ単に自らの学をひけらかしたいのか?という悪意の塊のような台詞は飲み込んでおく。「とにかく、そういう行為は俺たち全体の信用問題に関わる、気をつけてくれ。誤解のないように言っておくが、俺は君とも上手くやっていきたい、だからお互い注意すべきところは注意すべきだろう」あまりきつくは言いたくないが、ここで不信感をもたれても困るのだ。恐らく何らかの提案だったと思うが、依頼人に知られたくない内容ならば、わざわざここで話すべきではない。■その後、俺はサーシャに向き直って率直に依頼を受けたい旨を伝えた。「できるならばやらせて欲しい。詳しい護衛方法などを教えてもらいたい。」とりあえず今回はこれで食いつなげるといいのだがな。

ご挨拶、ご挨拶、と。 Scene1-5:依頼人 サーシャ=フルフラット
「ま、その位にしておけよ。この司祭殿も、悪気が有って言ってるんじゃねぇ。ま、育ちの違いってヤツさね」「お互い最低限信頼し合わねぇと、こなせる依頼も失敗するかんな…ああ、紹介が遅くなった。俺はザッシュ。冒険者がてら、ココで働いている従業員さ。ま、ひとつ宜しく頼まぁ」■その後皆の質疑応答が終るのを待って、依頼人に話し掛ける。「受けるに決まってんだろ?気にすんな。冒険者って職業はな、依頼人の願いは最大限に適えようとするもんさ」■それにしても…遺産相続か。厄介なヤマになりかねねぇな。下位古代語で、周囲の人間に聞いてみるか。■■ “…誰か遺産に絡むネタの裏を取っておいた方が、いいんじゃないのか?勿論依頼人を疑うつもりはねぇ。襲撃者の目星がつけば、仕事はやりやすくなる”■“何。俺達ゃただの護衛さ。探られて困る腹は無いよ。…遭えて誰とは言わねぇ。頼む”■■こんだけ冒険者がいりゃ、誰か一人くらい理解出来るだろ。あとはそいつの機転に任せるとするか…。

騎士の名にかけて!
『当然ですよね。こんな内容で誰が受けるというのでしょう』「そんなことは無いですぞ ご婦人の危地を救うのは騎士の務めです」縋る様なサーシャ殿を見捨てたとあっては、それこそ騎士の名折れというものだ。これは何としても引き受けねばなるまい。「なに 先ほども言いましたが私は貴女の味方です ご安心なさい」『どうか、御願いします...』「えぇ このジェイラス、貴女のために全霊をもって働きますぞ」おぉ…我ながら物語の騎士の様ではないか。素晴らしすぎる!■「決断の時まで影ながらアージェ殿をお護りすれば良いのですな? なに、どんな敵が現れようともこの私が成敗して見せましょう」重圧を背負った従姉妹を救うためとは…何と素晴らしい心がけか!この高潔な志を叶えるためならば、どんな心根の者であっても助力を惜しまぬに違いない。騎士ではない者達であっても例外は無いだろう。

分かった様な顔をして…
「私はジェイラス ジェイラス・シュナウザーと申す者です 以後お見知り置きを」高貴な宮殿でなくとも、この様な場では高らかに名乗るものでは無い。高い教養と地位を持つ者で有れば、滲み出る品格だけで騎士の素晴らしさを理解できるはずだ。私に助けを求めてきた少女…サーシャ殿もそう言った人物に違いない。■私の名乗りが後回しにされていたのは気にくわんが…高潔な騎士はこの程度で腹を立てたりはしないのだ。それに子供のやることだしな。そう言えばあの子供はリンデンと言ったか…ララスとか言う娘と同じく、妙な方言を使う。…むむ?そう言えばどちらも半妖精ではないか。これは“半妖精訛り”に違いない! …ん? それにしては二人とも違う訛りに思えるが…いや、“半妖精訛り”には更に地方ごとに特色があるのだろう。これならば全てに説明がつく!我ながら恐ろしい冴えだ…ふふふふふ。■「…む?」私が素晴らしい推理を展開している間に、依頼についての話が進んでいたらしい。むぅ…私を話から外すとは…いや、騎士たる者些事にとらわれてはならない。大局を見据えて行動せねばな。この場合サーシャ殿と当主であるアージェ殿を苦難から救えば良いのだ。何も悩むことなど無いではないか。「まぁ、私に任せておけば万事抜かりありません ご安心あれ」…ところで具体的にはどのような苦難に対面しているのだろうか?むむ…少しは聞いておくべきだったか。いや、騎士たる者の前にあらゆる苦難は討ち伏せられる!何も問題は無い!

依頼主の元へ Scene1-3→4
「依頼内容は、ある物品を守っていただくことです。期日は...守らなくてよくなるまでずっと、でしょうか」■サーシャと言う依頼人(先ほどコウモリ洞窟亭にやって来た娘だ)が、私達に告げた言葉。フルフラット家は、それなりの商家らしい。リファールへ初めて来た訳じゃ無いけど・・・記憶に無い名前だ。店裏の建物に案内され、用意された椅子に腰掛けると、同行の面々が、次々に質問を投げ掛ける。そのやり取りに耳を傾けつつ、私はさっきの、洞窟亭でのやり取りを思い起こしていた。■「えぇ、私も同感ですわ。至高神の神官の方たちってなんであんなに自意識過剰なんでしょうね・・・」意外・・・いや、そうでもないか。宗派の違う連中が反目しあうのは当然なのかな、私の呟きを聞いて話しかけて来たのは、ラーダ神官のセレス。ラーダって、実は思い入れのある神様なんだけど・・・まぁ、それは置いておいて、どう返事をしようかな。私が口を開きかけたその時に、彼女の言葉をたしなめたのは、チャ・ザ神官のステンだった。偏見は人の交流を阻害します、か。いかにもチャ・ザ信徒らしい言い草に、思わず鼻を鳴らす・・・が、その後の言葉が良かった。「自意識過剰でたかが知れてるってのは、とりあえずエメラーダさんだけにしておきましょう。」「ぷっ・・・」可愛い顔してンのに・・・「言うねぇ・・・クックックッ・・・」喉の奥で、くつくつと笑う。彼らがよりどころにしているものって、そりゃ大切なものなんだろうね、貶されたら、腹も立つだろうなぁ。「今回、お仕事を受けるのは初めてなので、至らないところもあるかと思いますが、その時は遠慮なく言ってただけたら幸いです」微笑むセレス。流石だね。「こちらこそ。貴方達が用いる癒しの奇蹟には、幾度となく世話になってる。もし、何か・・・傷が付くような事でもあれば、その時は宜しく頼むね」そして、控えるステン少年にウィンク。「アンタも宜しく。大丈夫、怖くないから」■ああ、思い出すだけでも笑える・・・・・・は。これじゃジェイラスと変わらないじゃないか・・・。慌てて表情を引き締める。ステンもジェイラスも、年端はリンデンと変わらないだろう。ジェイラスをちらりと盗み見る。くるくると、表情の変わるヤツだ。おもろ・・・。■一人1.000ガメルの報酬と、守らなければいけない何か。さて、サーシャからは、どんな答えが、返ってくるやら・・・・・・。

腑に落ちない依頼 Scene1-3→4
私の苦笑交じりのささやきが耳に入ったのか、ステンさんが『セレスさん、それを言っちゃダメですよ。ラーダ様の神官にも・・・戦士にもいろんな人がいますよね?偏見は人の交流を阻害します』といかにもチャ・ザの神官らしい返答をしてきました。それを聞き、頷きながら言いました。「確かにそうですね。次からはそういうことが無いように努めますわ(微笑)」そう答えながらマスターさんの話に耳を傾けました。■『あらためて、行ってもいいと思う奴は、話を聞きに行ってくれ』とのことで、皆で依頼人であるフルフラット家までいくことになりました。■『いらっしゃいませ』という挨拶の後、『あっ』という感じで、応対に出た少女が驚いた顔をあげました。この人数を見て驚きを隠せなかったようです。確かに、護衛だからという理由でもこんなに大勢になるとは思ってもみなかったことでしょう。■応対をしてくれたのは、冒険者の店で出会った件の少女でした。その少女に促されて、店の裏手にある建物に案内されました。「へぇ・・・、これなら全員が入っても余裕がありますわね(微笑)」そういいながら、ステンさんの隣へ座りました。■『はじめまして、私はサーシャ=フルフラット。貴方たちを雇う依頼人です』「こちらこそ、私はセレスティン=グライド。知識神ラーダの神官をしている者です(微笑)」と名乗り、会釈しました。彼女は依頼人の従姉妹だということも付け加えていました。■『依頼内容は、ある物品を守っていただくことです。期日は...守らなくてよくなるまでずっと、でしょうか』えっ?それはどういうことでしょうか?そんな疑問が過ぎり質問をしようとしたとき、ちょうどいいタイミングでリンデンさんがサーシャさんに聞いていました。それにしても、リンデンさんって面白い口調ですね(笑)■どうやら、私が直接聞きたいことは他の人が質問してしまったらしいです。質問の答えが返ってきてから考えても遅くは無いと思った私は、しばらく場を静観する事にしました。

不可解な依頼 Scene1-3→4
■興味を示したのは最後には10人にまでなった。いつも組んで仕事をしている連中ならいざ知らず、果たしてこの烏合の衆がチームとして機能するだろうか?■それに集まったのはどうやら冒険者の中でもとりわけ癖の強い連中らしい。早速火種を撒いてくれたのは高慢な女神官だ。説明をするから小部屋に移れと親父が言うと、他人を掻き分けて無理やり通り、一番乗りをして悦に入っている。■「なるほど、信徒まで『至高』というわけではないらしい。…元気なことだ、いつまで続くことやら」他人事のようにそう呟いて、扉の横の壁に背をつけ、腕を組んで親父の話を聞く。■話はすぐに終わった。依頼の概略を聞かされ、後は直接聞けと商店の名前と場所を教えられたので早速向かう。すると依頼をしに店まで来たあの少女が応対してくれた。■彼女はサーシャと名乗り、現在の主人のアージェの従姉妹だと言った。…すると彼女は、商売を補佐しているという先代の弟の娘、ということになるのか?■自己紹介したリンデンにあわせ、「リューイルと言う。精霊を使う。」とだけ名乗る。続いてサーシャの口から依頼の内容を改めて聞く。■内容はあらかじめ聞いた通りある品物の護衛だが、期限は必要がなくなるまで、とサーシャは言った。それに対して早速質問をしたのはリンデンだ。独特の口調で機関銃のようにひとしきり喋る。内容は「守る物は何か」と「期日が切れない事情」の2つ。■俺もふと疑問に思ったことを付け加えた。「それと、なぜ護衛が必要か、ということも併せて教えてくれないか?盗賊に狙われてるとか、そういうことなのか?」…盗賊ならここにも何人かいるが(苦笑)

不可思議な依頼
ほどなく依頼の簡単な内容が告げられ、フルフラット家へと到着する。どうやら先代の男が死んだことで、存続を危ぶむ噂もでているようだ。そんな時期に護衛を頼むとはよっぽど何か重要事でもあるのか。応対する少女に促され、応接の間らしき場所に通される。彼女はこちらの人数を見て少々驚いたようだった。当然か。■「はじめまして、私はサーシャ=フルフラット。貴方たちを雇う依頼人です」・・・サーシャ。依頼主の名前が食い違ったので少々面食らったが、すぐに彼女は自分がアージェの従姉妹であると明かした。リンデンが彼女の挨拶に明るくまた挨拶を返す。俺の分までついでにしてくれたようなので、俺は小さく頭だけを下げた。■そして彼女は、またもこちらが面食らうような依頼内容を口にした。「依頼内容は、ある物品を守っていただくことです。期日は...守らなくてよくなるまでずっと、でしょうか」・・・期日が永遠に近しいものなのか、もしくはそちら自身では決められないのか分からないが、リンデンが疑問に思うのも当然だろう。リンデンの、品物が何であるのか、そして何故決められないのかを問う質問に重ねて、俺も質問することにした。「相棒の言う通り、期日が不明なのは腑に落ちない。守護対象と共に、できれば守らなくてもよくなる条件がなんなのかも教えてもらいたい。」一生ここにいてといわれてもはっきり言って困るだけだ。どこかの雇われになる気はないし、それは恐らく冒険者とは別種の仕事だ。「それと、細かいことだが俺たちは依頼主はアージェだと聞いてきた。君はその代理ということで受け取っていいのか?」従姉妹ということは恐らくその手伝いをしているという先代の弟の娘だろうか。依頼人本人が出てこないのは何か理由があるのか、もしくは・・・そもそも依頼人自体が守護対象であるのかもしれないのか。とりあえず疑問点は一つ一つ丁寧に明らかにしていくしかあるまい。俺は質問を言い終わると、サーシャという娘を静かに見つめてその答えを待った。

リンデン、難しいコトバに挑戦にょ!(>w< Scene1-4:依頼人に会おう
■「はにゃ〜、すごいにゃ〜〜…(@w@;」 リンデン、こんなにたくさんの人と一緒にお仕事するの初めてだにょ。でも、ララスお姉ちゃんやアーダお姉ちゃんやステンお兄ちゃんもいるし、セレスティンお姉ちゃん優しそうだし、ジェイラスお兄ちゃんやザッシュお兄ちゃんは面白そうだからいいにょ(^^■今度のお仕事は、大切なものを守るんだにゃ。「あらためて、行ってもいいと思う奴は、話を聞きに行ってくれ」 ってジョックスおぢさんの言うとおり、リンデン達はその人のお家に行くことになったにゅ。■「いらっしゃいませ」って出てきた女の子が『あっ』って驚いたにゅ。「あ、さっきのお姉ちゃんだにゃ」 リンデンもご挨拶したにょ。「こんにちはですにゃ。ジョックスおぢさんの紹介で来ましたにゅ」 一応、丁寧言葉を使ったつもりだけど、どっか変かにゃ?(・w・ ■案内してくれた大きな部屋は、たくさんの人数でもみんなちゃんと座れるにょ。リンデン、アッシュお兄ちゃんの隣に座って、お話を聞くことにしたにゅ。■「ずいぶんと大人数なのですね」 ちょっとびっくりしたのかにゃ? ま、リンデンだってこんなたくさんで来られたらビックリするけどにゃ〜。「はじめまして、私はサーシャ=フルフラット。貴方たちを雇う依頼人です」「初めまして、だにゅ。リンデンはリンデンって言うにょ。アッシュお兄ちゃんと一緒に組んでるんだにょ〜。ヨロシク」 こーいうのって初めの挨拶が肝心だにゃ。リンデン、アッシュお兄ちゃんのぶんまで挨拶したにょ。■「依頼内容は、ある物品を守っていただくことです。期日は...守らなくてよくなるまでずっと、でしょうか」 …はにゃ??リンデン、お目目をぱちくりさせたにょ。何かとっても変なお話だにょ。「うーい、質問だにょ」 リンデンはお手手を挙げて、サーシャお姉ちゃんに尋ねたにゅ。「その、守るべきものって、どんなんかにゃ? 品物? 生き物? それとも、お姉ちゃん達のお仕事に関係するものかにゃ?」 守るべきものが分かんにゃいと、仕事の段取り(難しい言葉にょ!)組めないもんにゃ〜。「それに期日もとっても抽象的(また難しい言葉にょ〜)だにょ。はっきり決められない理由があるのかにゃ?」

チャ・ザ様の教え
「至高神の神官の方たちってなんであんなに自意識過剰なんでしょうね・・・」セレスさんの苦笑が耳に入る。「セレスさん、それを言っちゃダメですよ。ラーダ様の神官にも・・・戦士にもいろんな人がいますよね?偏見は人の交流を阻害します」」■そう言いながら“ファリスの信徒もたかが知れたもの”と評した女丈夫を見上げた。いかにも戦士然とした外見と裏腹に、皆が部屋に入る時の気遣いに、その性格の一端を見た気がする。「自意識過剰でたかが知れてるってのは、とりあえずエメラーダさんだけにしておきましょう。」

もちろん行くに決まってるのン! Scene1-3:店主は語る。
■「へえ〜ある品物を守る、かあ〜。一体何なんだろうね?どきどきなのン」ジョックスさんの話を聞きながら、あたしはフルフラットという商家に聞き覚えがないか、のーみその中に検索をかけるのン。「なんだか、複雑そうな匂いがするのン。気になるのン!お仕事、受けますのン♪」■「それにしても…部屋の中、狭すぎるのン。きゅう」仕事柄、狭いところは苦手じゃないけども…。密度の高さは半端じゃないよねえ。ここで扉を閉められたら窒息死しちゃいそう。

望むところですわ! Scene1-2:立ち上がる冒険者たち
ジェイラスさんとの自己紹介もそこそこに、次々と手が挙がる店内の様子を見定めようとしたとき、後ろから突き飛ばされた。「痛っ。何するの!」私の叫びはまるで耳に届いておらず、あまつさえ、『もちろん、言ってわからない輩には神の鉄槌を下す方法も体得しております。きっとお役に立てますわ。』と言ってのけたではないか!■あまりのことにむっとして、「至高神の神官の方たちはすぐ暴力沙汰に進めようとするのですね。もっとスマートに事を運ぼうとは思えないのでしょうか?(ニコニコ)」以前、至高神の神官とこのことで激しい論争(言い争いともいう)を繰り広げた経験から、至高神の神官にはあまりいい印象が無かったのである。案の定というべきか・・・。■気持ちを落ち着かせてからあらためて周りを見渡すと見知った顔が・・・。■「あら?ステンさん、こんにちは(微笑)あなたもこの仕事受けるんですか?」と挨拶した。どうやらかなりの人数になりそうだ。■『わかったから、とりあえず席に戻れ。至高神の神官は物分かりもいいらしいからな』と、エメラーダと名乗ったあの神官が諌められていた。「やはり、見ている方は見ているのですね(微笑)」と、一通り納得した後にマスターさんに促されて部屋を移ることになった。■と、向かおうとしたところへ、またしてもあの女(エメラーダさんです)がしゃしゃり出て来た。まったく、どうしてあの方たちはこう、厚顔無恥なのでしょうね(苦笑)■奥に進み、エメラーダさんに一言言いたくなってきてしまったが、またしても蹴散らしていった被害者の女性戦士の方が言い得て妙な一言をもらした。『ファリスの信徒も、たかが知れたもんだな』■その呟きを聞き、同じ想いの方がいるんだな、と感心しながら話し掛けました。「えぇ、私も同感ですわ。至高神の神官の方たちってなんであんなに自意識過剰なんでしょうね・・・(微苦笑)」といってから、彼女の隣で話を聞くことにしました。「今回、お仕事を受けるのは初めてなので、至らないところもあるかと思いますが、その時は遠慮なく言ってただけたら幸いです(微笑)」と女性戦士の方に向かって話し掛けました。旅慣れた方の助言は書物をも超える、とよくお兄様も言ってましたからね。今回はどんな経験が待っているのかしら?楽しみですわ(微笑)

冒険者集団
「結果で示す途中でしくじらないように、ちゃんと話は聞いてからにしろよ?」というジョックスの声に「忠告は感謝する」と返しておく。そして続々と仕事に立候補する手が見ていた。どうもこれは大人数の仕事になりそうだ。説明を聞いて抜ける人間もいるかもしれないので、まだ確実にはわからないが。■これまで見てきた人間の他に、知り合いの戦士アーダ、盗賊ララス、リュイ−ルという精霊使い、それに厨房で手伝いをしていたらしい男ザッシュ、合計10人。さすがにこれだけ集まると部屋も狭く、入り口で遠慮している輩もいるようだ。体格のいい連中も多く、自分の体もさほど大きいように感じない。やはり冒険者とは非凡な集団なのだとつくづく感じる。■エメラーダがぼそぼそ何かを呟き、それに返す皮肉らしき声も幾つか聞き取った。さすがにこうも大人数だと全員を把握するのはなかなか難しい。集団として纏まりを欠けば待っているのはやはり崩壊だ。気をつけていかなければならないだろう。組しやすそうなのはあのシンプルな騎士と、アーダ、そしてステンという男は確実だろう。他は微妙だ。おいおい見ていくしかないだろう。エメラーダという女、何か問題を起こさなければいいのだがな。■さて、リンデンをララスにほいほいと連れて行かれ、俺は部屋の中で適当に陣取った。さて・・・どんな仕事がでてくるのやら。

オッサン魔術師の初めてのお使い Scene1-2:立ち上がる冒険者たち
ふあぁぁぁ…寝坊しちまったい。■おやっさんに気付かれない様に、そ〜っと、そ〜っと…おわっ、ステン声だすなっつーの。ばれるだろが…って、あれ?依頼?■■「あー、わかった。乗るよ。金が無くて困ってたんだ。助かる」■■「それから…」至高神の司祭殿に向けて。■「教養ってなぁこんな所で見せびらかせても一銭の値打ちにもなんねーよ。そんなに教養ひけらかしたけりゃ、お城でダンスでも踊ってな」■■…ちっ。また余計なコト、言っちまったい。ま、しゃーねーか。これも性格だし…とまぁ、頭ぽりぽり部屋の奥へ。■………。■凄ぇ人数だ。人数整理しないと大変だな…と思ったら。既に先客が。■■「さんきゅ。助かるよ。俺はガタイがでかいから、一番奥でいいわ」

無論だっ!
『僕はステン。ステン・ファイ。チャ・ザ様に使える神官です。皆さんお見知り置きを。』「うむ よろしく頼むぞ」幸運神か…神に仕える者の陣容はなかなかのものだな。これはきっと私に与えられる試練のため、神が使わして下さったに違いない。ふふ…。■『んー、じゃあ騎士の誇りにかけて、女性の危機を救ってやれ』「ふ…言われるまでもない 無論のことだっ!」名誉と誇りにかけご婦人に尽くす…これぞ騎士の生きる道!この店主もなかなか道理というものを弁えているではないか。私の立ち居振る舞いから騎士であると見抜くとは…ふふふふふ。そう言えば、言われるまでもないというのと無論のことというのは同じ意味なのだろうか?いや、微妙に違う気がする…何が違うとは言い難いが、言葉に込められた魂の様なものが違うのだ。でもやはり意図するところは同じ…?いやいや…■『じゃ、話を聞きたい奴は奥の部屋に入ってくれ。先に軽く説明をしておこう』「むぅ? 奥の部屋か…やむをえんな」騎士たる者がコソコソと密談など恥ずべきことだが、ご婦人の秘密を語るかもしれぬとあっては致し方ない。■「もっともな話だな さぁ、先に行くが良い」妙な方言の娘が至極もっともな提案をしてきた。騎士たる者が、婦女子を押しのけていくような下衆な真似など出来るはずがないからな…ここは提案に乗ってやるべきだろう。…ん?つまり私が最後か?ふふふ…やはり主役は最後と言うことだな。さて…「むぉ…狭いぞ もうちょっと何とかならんか?」私が入る時点で既に満員という感じだ…大丈夫だろうか?いや、何としても入ってみせる!騎士の名にかけてっ!!

礼儀知らずも甚だしい・・・ Scene1-1:コウモリ洞窟亭(1F)
依頼に関心を示したのはおよそ10人。話を聞く為、ジョックスさんの指示で、部屋を移る事に。「わっ」・・・ゴスッ、と、鈍い音がした・・・避けるもんだと思ったのに。ぶつかっといて、詫びも無しかこの女・・・!!金髪の気丈そうなファリス神官は、これまた気取った様子で、部屋の中へ消えて行く。白髪の女の子が、諫める声が聞こえる。やれやれ・・・「ファリスの信徒も、たかが知れたもんだな」嫌みの一つも呟きたくなるだろ。■ん・・・中まで入らなくても良いか・・・他の面々が通り過ぎるのを待つ。チャ・ザ神官と、ラーダ神官か・・・ファリスもそうだけど、初めてまみえる宗派だ。どんなもんなんだろ。

あう〜、人がいっぱいなのン Scene1-1:コウモリ洞窟亭(1F)
■「あっお姉さん!そういう入り方はだめなのン!」これだけ人がいるのに、他の人を押しのけて入ったりしたらもっときついのン。「こういう場合は、ちっちゃい子から前に詰めた方が効率がいいのン☆ ほらほら、リンデンちゃんは一番前じゃないと潰れちゃうのン。ちっちゃい子より背の高い人が前に出たらだめなのン。うーんと、背の低い順で〜はいはい並んで並んで〜」■「お仕事のお話、聞かせてくださいなのン♪」

こんな大人数では…分け前が…
「わかったから、とりあえず席に戻れ。至高神の神官は物分かりもいいらしいからな」マスターはそう言って、人数を数え始めた。「ちょっと!こんな大人数に仕事を頼むんですか!?」叫んだが、声はざわめきに掻き消えた。「こ、こんな教養の足りない方たちと同じ仕事をするなんて……耐えられるかしら…」私は頭を抱え込んだ。「それに分け前が減るじゃないの…」ただでさえ大人数だっていうのに、マスターは更にザッシュとやらに呼びかける。「そんなに人手が必要なのか…?」■「じゃ、話を聞きたい奴は奥の部屋に入ってくれ。先に軽く説明をしておこう」「わかりました」頷くと、これまた力押ししかできないような連中やうさんくさい盗賊風体の妖精を押しのけ、真っ先に奥の部屋へと進む。うわ。こんな狭い部屋にあんな人数??私は一番奥の席に陣取って、胸をそらして入ってくる連中の顔を一人一人睨み付けた。…まあ、彼らの協力が必要かもしれない。人手がいるのかいらないのかは、話を聞いてから判断しよう。

お仕事ですよ〜
怪しげな気配と聞き覚えのある声が。よみがえる記憶。間違いない、声の主は・・・これは・・・やばいっ!実体も見せずに忍び寄った白い影、ララスさんの攻撃は、的確に僕の背中に直撃した。むぐぅ!の・・・のどに・・・パンが・・・。慌ててスープで流し込む。ふう、死ぬかと思ったよ。■喋れるようになったところで、改めて自分の意志を言葉にする。「ジョックスさん、僕もその話、聞かせてください。あ、ザッシュさ〜ん、仕事の話だって!ザッシュさんもこの話、のるよね〜〜っ?」多分、厨房の奥にいると思うザッシュさんに声をかける。あの人、色々苦労してそうだし。■・・・そういえば、見知らぬ人も何人かいるし、僕もみんなに倣って自己紹介した方がいいよね。「僕はステン。ステン・ファイ。チャ・ザ様に使える神官です。皆さんお見知り置きを。」にっこり。

これも人望というものか
私が名乗りを上げると同時に、そこかしこから視線が感じられる。ふふふ…やはり騎士たる者の名乗りはこうでなければならん。自信と威厳に満ちた我が姿に感じ入り、多くの者が後に続くことだろう。これこそが騎士となるべく生まれた者の人望というものだ。■『申し遅れました、私はセレスティン=グライド、知識神の神官をしている者です(微笑)』「おぉ 神官殿か よろしく頼む」早速女性司祭が名乗りを上げてきたが…なんだ…戦神の神官殿ではないのか…残念だ。まあ、一足飛びに全て手に入れてしまってはつまらないからな。…早く勇者と呼ばれたい気もするが、ここは我慢するとしよう。■「ふむ…」女性が多く、子供の様な者まで居るのは感心できないが、冒険者とはこんなものかもしれぬ。私を押しのけた無礼なファリス神官や、食べ物を頬張ったまま名乗り(?)を上げようとした者なども混じっている。礼を弁えぬ輩め…育ちが知れるというものだ。こんなことでは先行きも怪しいが、なに…いざとなれば私が全て解決して…むむ?それなら最初から私一人でも…いやいや…やはり主役は最後に登場するのが…いやいやいや…ここは皆に活躍の機会を分け与え、高潔な人格を示すことで………。

おもしろそうな面子が集まったもんだ Scene1-1:コウモリ洞窟亭(1F)
「仕事があるんだが、話を聞きたいって奴はいるか?」■前に此処を訪れてから、どの位経つのだろう。カウンターに頬杖をついて、暇つぶしに魔力のカードを透かし見ていた私は、マスターの言葉に、ふと手を止める。昼を過ぎたとは言え、洞窟亭の中は、食器の触れる音や、話し声でざわついてて・・・そんな中、相次いで我も我も、と、威勢の良い声が上がる。んー・・・どうするか。金には困ってないんだけどね・・・■「もっとも、詳しくは先方に会ってからになるが」女の子、だったよな、さっき話してたの。依頼人はあの子か、それともお家の人なのかな・・・■「マスター、二名追加だ。俺は戦士、彼女は精霊使い、実力は結果で示す。」む。この声は・・・。振り返り、声の主を捜す。あれは・・・タイデルで会った・・・確か、アッシュ、そして、あの、真っ赤なチューリップは・・・「リンデン!!」また、リファールに戻ってたのか・・・にこにこしながら、リンデンに手を振る。ついでに、名乗りを上げた面々を見回す。・・・ふぅん・・・宗派もいろいろ、身軽そうな連中が多いね、鼻持ちならないヤツもいそうだし・・・うん、面白い。■「マスター、私にも、詳しいこと聞かせてよ」リューイルと名乗ったエルフに続き、席を立ち名乗りをあげる。「私はアーダ、見りゃ分かるだろうけど、戦士を生業としてる。多少は 狩人の心得もある。力仕事は任せて貰おうかな。・・・宜しく」さて、他には居ないかな・・・?

なんとも久しぶりの… Scene1-1:コウモリ洞窟亭(1F)
■『仕事があるんだが、話を聞きたいって奴はいるか?』リファールに戻ってきてから数ヶ月、なんとも久しぶりな親父の言葉を聞いたのは、カウンターに陣取っていつものメニューで昼飯を食っているときだった。こんなところ(失礼、親父)には縁のなさそうな少女が入ってきて、ウィニを通して親父に依頼をして、そして冒頭の台詞となったわけだ。■退屈な森の暮らしが嫌で冒険の世界に飛び込んだのにここ数ヶ月まともな仕事が無く、新たな退屈に身を持て余していたところにこの言葉。すかさず声をあげようとしたら、出鼻をくじくかのように店内に大音声が響き渡る。■『うむ 聞かせて貰おう 我が名はジェイラス ジェイラス・シュナウザー!』…怒鳴らなくても十分聞こえるって。■体制を立て直す間にも居合わせた面々が次々と名乗りをあげる。中には見知った顔も多い…というか、この店に出入りしている連中ならお互いに顔を知っていて当然だ。まったく知らない顔のほうが珍しい。■俺も遅れじと、カウンターの椅子から立ち上がって皆に声をかける。「俺も一枚乗らせてくれないか?…リューイル・ランディバーズだ、精霊を使う。」言って、左手で目立たぬように盗賊仲間の合図の印を切る。…わかる奴にはこれでわかるだろう。■だいぶ人数が多いな、あの少女の頼み事が人数に見合うだけの大事であることを祈るのみだ。

楽しそうな人たちが集まってるのン♪ Scene1-1:コウモリ洞窟亭(1F)
「は〜、お腹すいたのン〜〜〜〜(きゅるるる ぐー)」あたしはお昼の日課になっている特訓を終えて街に戻ってきたのン。気づいたら午後をまわってて、ふらふらになりながらコウモリ洞窟亭から漂ってくるゴハンのにおいに引き寄せられて来ちゃったのン。やっぱり、ここに帰ってきちゃうのン。だってここにいないとお仕事が回ってくる確率が低いのン。そう!そろそろお仕事しないとお金がないのン!ギルドへの入会金を納めてからすっかりお財布に木枯らしが吹き荒れてるのン。■ようやくテーブルについてご飯にありついていると・・・。「我が名はジェイラス ジェイラス・シュナウザー!」なんだか周りが騒がしいのン。「ん、ん〜!」あ、川におっこちた青春少年がいる。それに、あの子はおいし〜いベイクドチーズケーキを一緒に食べた子!それに、保護者に見えるおにーさんは、あたしがここに来たとき案内してもらった紳士な人なのン! 見覚えがあるのは、とりあえずそれくらいかなあ??でもみぃんな面白そうなのン!うふふっ♪■ あ、まずい。早く名乗りあげないとお仕事逃しちゃうのン。「はいはいはーい!ここも一名様はいりますの〜ン♪」あたしはむぐむぐとパンを口に詰めてるステン少年クンの背中をたたいて、ぴょんぴょん飛び跳ねて存在を主張したのン!「あたしはララスっていうのン。身軽なのが身の上なのン♪」にぱっと笑ってみせて、営業スマイルなのン☆

帰還は冒険の幕開けと共に
■ステンというリンデンの知り合いらしい冒険者と食事をしているとどうやら冒険依頼が早速飛び込んできたらしい。タイデルではしばらく仕事もなくぶらぶらしていたのでかなり懐は寒い。できる限り仕事ならば受けたいものだ。■「うむ 聞かせて貰おう 我が名はジェイラス ジェイラス・シュナウザー!」ジョクスの冒険者達への問いかけに、嫌に体格のいい男が一番に名乗りをあげた。ジェイラスと名乗ってるからにはジェイラスという名なのだろう。色々な暑そうな男だ。続いてラーダの聖印をつけた女性。微笑が柔らかくいかにもラーダの使徒らしいといえば使徒らしいか。つづいて慌てたのか口の中に物を詰めたままステンが立ち上がった。「ん〜んん、んん〜〜!」いや、飲み込んでからの方が冒険者としての説得力は上がると思うが。むしろその親指と微笑みは頼りなさを助長しているかもしれない。悪い人間ではないという判断基準にはできるかもしれないが。そして、自己紹介している二人の男女を押し分けてなにやらまた元気なのが現れた。聖印は・・・見慣れないがファリスか?ラーダの聖印がすぐに分かったのはやはりザガズと訓練していることが多かったせいか。エメラーダと名乗った女は抜け目なく売り込んでいるようだ。どうしてこうも曲者揃いか。しかもまだ周りにはそれに加わる気配が合った。■さて、これに乗り遅れて仕事を逃すわけにも行くまい。)。■「はにゃ、お仕事のお話だにゃ。どうする? 受けてみよっか?」と、口をもぐもぐさせながら聞く小さな相棒に、さらに小さく頷く。「マスター、二名追加だ。俺は戦士、彼女は精霊使い、実力は結果で示す。」響き渡る大声で俺はマスターにそう告げた。俺の腰で<古樫>が戦いへの期待か、かすか震えた気がした。

売り込みは、弁論の徒の十八番!
「仕事があるんだが、話を聞きたいって奴はいるか?」酒場で昼食をとっていたとき、マスターからそんな発言があった。「うむ 聞かせて貰おう 我が名はジェイラス ジェイラス・シュナウザー!」「マスターさん、私も詳しい話を聞かせていただけないでしょうか?」「ん〜〜〜!!」■私は立ち上がり、名乗りを上げる面々をずずい、っと押しのけマスターの前に立った。「私にも話を聞かせてください」ちらりと知識神の神官に目を走らせ、「私は至高神にお仕えするエメラーダという僧です。学術の都オランで法学を修め、至高神の声を聞き、自己修養とと布教のため遠路この西の都まで旅をしてまいりました。私の学識と弁舌をもってすれば、どんな依頼もこなせると思います。もちろん、言ってわからない輩には神の鉄槌を下す方法も体得しております。きっとお役に立てますわ。さあ! お話をお聞かせくださいませ!」■そう言ってから、また私は頭の足りなさそうな面々と、ラーダ神官に一瞥をくれた。ラーダ神官には以前、「所詮ファリスの神官は頭が固い」と言われて殴りあった思い出があるんだよな。この人はそんなこと言いそうにないが…にっこり笑ってトドメをさすタイプかもしれん。油断は禁物だな。

ただいまリファール、こんにちはお仕事、だにゅ☆ Scene1-1:コウモリ洞窟亭(1F)
■「うにゃ〜〜〜、久しぶりの『コウモリ洞窟亭』のご飯だにょ(^w^」 リンデン、ちょっと遅い昼ご飯を、もぐもぐ食べてたにゅ。タイデルから戻ってきたリファールは相変わらずにゅ。アッシュお兄ちゃんと出会ったのは、去年の冬で、もうかれこれ3ヶ月ってとこになるかにゃ〜。■そんなことをふにふに考えてたら…うにゅ? 女の子が来たにゅ。うにゅにゅ? 冒険者じゃなさっぽそ〜だにゃ〜。あ、ウィニお姉ちゃんと話してる。これはもしかしてもしかすると…。■女の子が帰った後、ジョックスおぢさんが呼びかけてきたにゅ。「仕事があるんだが、話を聞きたいって奴はいるか?」「もっとも、詳しくは先方に会ってからになるが」 うにゅ〜やっぱり(=w= ■「うむ 聞かせて貰おう 我が名はジェイラス ジェイラス・シュナウザー!」 はにゃー、なんか元気な戦士のお兄ちゃんが一番名乗りを上げてるにゅ(もぐもぐ)。「マスターさん、私も詳しい話を聞かせていただけないでしょうか?」 今度は優しそうなお姉ちゃんが出てきたにょ(はむはむ)。■「はにゃ、お仕事のお話だにゃ。どうする? 受けてみよっか?」 リンデン、お口をもぐもぐさせながら、『相棒』に聞いてみたにゅ。きっとアッシュお兄ちゃんも、リンデンと一緒の意見だと思うケドにゃ(−w−

伏兵登場
顔なじみの冒険者と遅めの昼食を取ってたら、仕事の話があるとジョックスさん。その話、聞かせて・・・と言おうと思ったけれど、口一杯に詰め込んだパンが邪魔してうまく喋れない。■そうこうしている間にも、ジェイラスさんって人が高々と名乗りをあげる。・・・店内そんなに広くないんだから、そんなに大きい声出さなくても聞こえるって。そう言いたくても口の中の大敵との戦いはまだ続いてる。この戦いは持久戦になりそうだ。■それに続いてセレスさん。ここしばらく、仕事らしい仕事が無かったから、多分名乗り出る冒険者は多いだろう。このままでは取り残されてしまう。あまりやりたくはなかったけれど、ここは非常手段を取るべきか。■「ん〜〜〜!!」ジョックスさんに向け、大きく手をあげる。「ん〜、んん、んん〜〜」その手で自分、そしてジョックスさんを指差し、再度手をあげる。多分僕が言いたいことは通じてるはず。「ん、ん〜!」自分、そして摘み上げた首もとの聖印を指差し、びっ!と親指を立てて微笑んで見せた。■一緒のテーブルに座った人にジョックスさんを指差し、首を傾げてみせる僕。「んん、ん?」戦いはまだ終わらない。

お仕事ですか?(微笑) Scene1-1:コウモリ洞窟亭(1F)
今日もいつものように食事をしにコウモリ洞窟亭に顔を出すと、一人の少女が入ってきました。その少女はウィニさんを呼び止めて消え入りそうな声で何かを告げていた。「ここに来た、ということは何かワケありなんでしょうが・・・」と考え始めたときに、ウィニさんがマスターさんを呼びに行ってしまいました。■しばらくして、店の奥からマスターさんが出てきました。そして、辺りにいる私達冒険者に向かって呼びかけました。『仕事があるんだが、話を聞きたいって奴はいるか?』■どうやら一肌脱がねばならないときが来たようです。そう思いながら名乗り出ようとしたところに、比較的近い席から筋肉質でいかにも戦士です、と主張している方がとても偉そうに名乗り出ました(苦笑)『うむ 聞かせて貰おう 我が名はジェイラス ジェイラス・シュナウザー!』■・・・・・耳が痛いです(苦笑)それと、この態度の大きさ、どうにかならないのでしょうか?しばらく唖然とした後、彼に続いて名乗り出ることにしました。■「マスターさん、私も詳しい話を聞かせていただけないでしょうか?」と、言ってから、先に名乗りをあげたジェイラスさんに対して自己紹介をすることにしました。「申し遅れました、私はセレスティン=グライド、知識神の神官をしている者です(微笑)」といって、ニコッと微笑みました。でも内心、一緒に仕事をするのであればちょっと不安になりました。

少女の依頼
「ぬぅ…暇だ…」おかしいではないか…冒険者とは怪物退治や遺跡探索などの危険と隣り合わせの職業のはず。それがこんな風に街でダラダラと過ごすなど…このままでは我が名を大陸中に轟かすことが出来ん。…いや、落ち着けジェイラス。恐らくはこの街のどこか闇の部分で悪の企みが進行して、私に討たれるのを待っているのだ。今しばらく辛抱すれば可憐な姫君が助けを求めて現れるに違いない。その時こそ我が剣は姫のために…。■「おぉ…ついに来たか!」現れたのは可憐な少女。残念ながら高貴な雰囲気とはいかぬものの、きっと私に助けを求めてきたに違いない。彼女を苦しめるのはどんな敵であろう?「ふふふ…見ておれ どんな敵でも我が愛剣が真っ二つにしてくれる」今から腕が鳴る。■「む…? 何故だ? 何故そうなる?」この店の店主と話した少女は、さっさと出ていってしまった。私に助けを求めてきたのではないのか?むむ…それとも直接助けを求められないほど、事態は差し迫っているのか?…いや、差し迫っているなら直接話すのか?…むむ、よくわからん。『仕事があるんだが、話を聞きたいって奴はいるか?』だが、彼女の願いをあの店主が代弁するというのであれば、私に否やがあろうはずもない。「うむ 聞かせて貰おう 我が名はジェイラス ジェイラス・シュナウザー!」騎士が名を名乗る時は誇りと共に高らかに宣言せねばならん。

TOP PAGE