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ゴーバの歴史

 


ゴーバの歴史

2000年期、及び、2001年期のSWWW3で起こった
ゴーバの事件を簡単に紹介します。

文責:m4@GR007


■2000年期/ゴーバ一年動乱■

(1) 発端

後にゴーバ一年動乱と呼ばれることになった事件は、ゴーバ国王サナンT世が病床に伏せってしまったことが直接の引き金になっている。以前からゴーバでは、環境に対する諸問題で、ゴーバ周辺の山岳の住民やフェザーフォルクの部族との関係に亀裂が入っていた。サナンT世はこの問題が解決困難と見るや「見てみぬふり」をすることにし、全ての雑音を聞き流した。この対応に対し、環境保護を訴えてサナンT世の政策を非難した皇太子サナンU世と、現実主義を唱えて環境政策によるゴーバ経済の停滞を懸念した第二王子のマルスとの間で、政治的対立が起こる。かなり過激な思想を持つマルス王子は、国王が病床に伏せると、皇太子を監獄に幽閉してしまい、兄の影武者を立てて政治の実権を握った。そのため、皇太子の思想に共鳴していた政治家や騎士たちは、それぞれ自身に危険が及ぶ前に国を出奔。地下に潜伏し、周囲の諸部族と連絡を取りつつ、政府に対する抵抗運動を開始するのである。

(2) 経過

抵抗運動は当然ながら、政府から激しい弾圧を受ける。しかし、民衆もまた政府に対して激しい疑念を抱いており、それを啓発した抵抗側が時勢を得る結果となる。監獄襲撃による皇太子救出、危機的状況にあった商業対立(皇太子の政治を取るか、マルス王子の政治を取るかは、ゴーバ経済の先行きに重く関わってくる。これに関連して、ゴーバ国内の商人たちに激しい意見対立が起こっていた)の仲裁など、皇太子側は抵抗運動を続けながら地道にゴーバの未来を切り開いていく。
焦りを覚えたせいか、政府の弾圧は日増しに厳しくなる。しかしそれが、民衆の怒りに火をつけてしまった。ゴーバの住民たちが、それぞれ手に石や棒を持ち、暴動を起こしたのである。本来はこの戦闘で、何十何百もの怪我人や死人が出るはずであった。しかし、後に英雄と称えられる“シスター”イコールの、そして戦士リュークの説得により、全ての住民が武器を捨て、王城へと行進する。そしてこの間、皇太子と共に王城内に潜入していた冒険者集団ワールウィンドは、マルス王子を取り押さえ、皇太子と共に王城の開放を宣言する。

(3) 結果

この背後で古代王国の魔術師が暗躍していたが、その危機もまた英雄たちによって取り除かれた。国王は病床より復帰したが、政界からの引退を宣言。政治の実権は皇太子サナンU世に譲られることとなった。マルス王子は引責、一生を離宮で過ごすこととなり、事実上政治生命が断たれている。皇太子サナンU世は、山岳部族やフェザーフォルクたちとの交流、対話の場を整備し、環境問題を考えつつ、よりゴーバを発展させるため日夜知恵を絞っている。

(補足) この事件については、2000年期マスターズアドベンチャー『魔窟』に詳しい。


■2001年期/ゴーバの状況■

(1) 発端

2001年期、ゴーバ、そしてリファールが、再び緊迫した状況に追い込まれる。“悪魔の皇子”と恐れられた古代王国の魔術師スファグレイトスの根拠地であった城が、ゴーバ国境北の丘陵地帯にあることが発覚。しかも、その城が再び活動を開始しているという確かな情報がもたらされたのである。この事態を重く見たリファールの王女リュキアン・ラジールは、サナンU世に急ぎ使者を送る。サナンU世の対応も迅速で、即座に両国共同による調査部隊が編成された。

(2) 経過

この事件の経過についての詳細は全くの不明である。

(3) 結果

結果だけを言えば、この事件は完全に収束した。城は姿を消し、二度とその姿をあらわさなかったのである。しかし、調査部隊の生き残りはただ一人、プレッツェルと名乗る女盗賊だけであった。彼女は行方不明とされていたスファグレイトスの家系に詳しい貴族家の娘を伴って帰還し、事件のあらましを報告している。事件の内容については様々な憶測が飛び交っているが、詳細は不明。政府は内容を公表しておらず、また彼女自身も外部に多くを語らなかったためである。

(補足) この事件については、2000年期マスターズアドベンチャー『遺産』に詳しい。


ゴーバ(一部リファール)の主要人物

(2002年期現在)

■皇太子サナン2世■

病床に臥せっている国王サナン1世が事実上政治から引退しており、ゴーバの政治は現在のところ皇太子サナン2世が中心になって取り仕切られている。サナン1世の代に保留されていた各種の環境問題に対して真摯に取り組んでおり、そのことがゴーバの国民に好印象を与えている。ゴーバの未来を真剣に考えている文人肌の、おそらくは名君の素質を供えているであろう人物。現在37歳。夫人との間に3人の子供をもうけている。

『卿はこの国をどう思う? 率直な意見を聞かせて欲しい』
『病床とはいえ、未だ国王は父上。余は代理にすぎぬよ


■騎士隊長マシュー■

元々は皇太子の守役。現在は皇太子の片腕として、騎士隊長の役を勤めている。剣の腕もさることながら、柔軟な思考と身分にとらわれない公正な意識を持った人物で、政界のみならず、一般市民からの人気も高い。昨年のゴーバの騒乱では、一時政界から追われてしまうが、皇太子を盛り立てて見事にゴーバ国内の騒乱鎮圧を成し遂げる。現在44歳。不思議と未だ妻帯していないらしい。

『今度は何だ? いい加減厄介ごとばかりは勘弁してほしいものだがな・・・』
『正しさとは正しさによって正しく守られる。永遠に解決しない矛盾というやつだよ』


■リーファレイルノーラ■

通称リーファ。ゴーバの街はずれに家を構えるエルフの女魔法使い。酒場“酒と煙草亭”の常連客で、魔術よりも酒をこよなく愛している。呑んだくれの魔術師の姿に普通の人なら眉をひそめるだろうが、彼女がやるときにはやる女だと知っている者は、とりあえず苦笑しつつ彼女に酒を奢ることになる。問題は・・・彼女が“やる時”というのが極めつけに稀である、ということだろうか。基本的に面倒見が良いので、冒険者などを相手に話に華を咲かせることも多いようだ。

『人生の機微は、やっぱりお酒。・・・なによ! 文句あんの!?』
『とりあえず言ってみなさいな。黙ってちゃ何にも答えられないわよ』


■エッジ■

冒険者の店“酒と煙草亭”の店主。ごましお頭のドワーフで、美人のドワーフ娘エレアナをウェイトレスとして雇い、二人で店を切り盛りしている。昔は冒険者だったようだが、酒場の店主のほうが性にあっているらしい。魔術師のリーファとは昔馴染みらしく、店でしょっちゅう“仲良く喧嘩”している。ドワーフらしく酒にうるさい。大仕事を成し遂げて帰ってきた冒険者には、秘蔵の酒を奢ることもあるという噂だ。

『ようやく一人前の顔になってきたな、ひよっこ。だが、ずにのるなよ。上には上がいる。それが世の中ってもんだ』
『仕事か? そうだな・・・お前さん、こんな話は信じるか?』


■エレアナ■

美人と評判のドワーフ娘で、冒険者の店“酒と煙草亭”のウェイトレスを努めている。

『いらっしゃいませ。今日の御注文は何にしますか?』
『ごめんなさい。マスターは今出かけてるんです。すぐに戻ると思うんですけど・・・』


■リューク■

昨年のゴーバの騒乱で活躍した英雄の一人。狂える生命の精霊との戦いで、肉体が若返ってしまう。ゴーバでも有数の戦士だったが、今は12歳の少年の姿をしている。その件を転機に、冒険者を引退し、現在はフェザーフォルクの部族“白き翼の部族”に身を寄せている。族長の娘“イェレミィ”や、その恋人のドルイド“ヤンカー”とは、昨年の事件で知り合った親しい友人。皇太子サナン2世とも交流があり、部族とゴーバとの橋渡し(連絡役)をしている。

『おっちゃん強いんだな! 今度俺と勝負してくれよ!』
『俺、難しいことはわかんないけどさ。それでもそれが良い事か悪い事かくらいはわかるよ』


■白き翼の部族■

ゴーバ西部の山岳地帯にあるフェザーフォルクの部族。族長を中心によくまとまっており、戦士リュークを家族同様の存在として引き取っている。“族長の娘“イェレミィと、人間の“ドルイド“ヤンカーとは恋仲であり、彼らとリュークとで、ゴーバと部族との交流を取り持っている。部族はゴーバの街にとって心強い味方であり、同時に、最も厳しい監視者である。


■“シスター” イコール■

昨年のゴーバの騒乱で活躍した英雄の一人。ゴーバの街全域で発生した大規模な暴動を、その慈愛の心と平和の歌声で鎮めた。人に慈しみ合うことを説き、民衆を王城へと導く。結果、街の人々の意思が、ゴーバの未来の方向性を変えてしまった。ゴーバでの一連の事件が解決した後、冒険者を引退。現在は、ゴーバのマーファ神殿で神殿長代理を務めている。

『まぁ〜、なんてすばらしいんでしょぉ。きっとマーファ様も喜んでいらっしゃいますわぁ』
『あらあらあら・・・。どうしましょぉ』


■“詩人” ジョスラン■

昨年のゴーバの騒乱で活躍した英雄の一人。冒険者パーティー“ワールウィンド”で活躍し、一連の事件が終了したと同時に引退する。現在は盗賊ギルドの重鎮として、情報関連を一手に管轄している。元々は“ゴーバで一番のバラードの歌い手”を自称する、陽気な青年。詩人を志しながらも、己の居場所に盗賊ギルドを選んだ。基本的に場をなごませる道化を演じているが、その相貌はゴーバの実情を誰よりも正確に見つめている。

『ねえねえ、歌はいかが? 誰か歌を贈りたいひとがいるんなら、その時は僕に声をかけてよ? なんたって僕は、“ゴーバで一番のバラードの歌い手”なんだからさ』
『困るよねえ、そういうの。そんなヤツに限って、自分のことがわかってなかったりするんだよ』


■冒険者集団 『ワールウィンド』■

戦士ガッシュをリーダーとした冒険者パーティ。ガネードの神官ズィークスタインと、盗賊のジョスランの3人組。ゴーバ一年動乱を通して皇太子側に関わっており、事件を経て英雄への道を歩んでいく。一年動乱の収束の後、ジョスランの脱退と共に解散。ガッシュとズィークスタインの、その後の所在は不明である。人知れず冒険者家業を引退したとも、どこかの事件で命を落としたとも言われている。


■スペルヴァフ商会■

現在のゴーバで最大規模を誇る大商会。老人スペルヴァフが会長を努めているが、実際の商会運用は忠実な側近のハンスに委ねられている。ハンスはスペルヴァフに心酔している忠実な部下であり、優秀な実業家。スペルヴァフの娘クリス(スペルヴァフが晩年に得た娘)が成年に達し、確かな商才を得られるときまで商会を預かる約束になっている。


■“見届けしもの”プレッツェル■

リファールとゴーバを震撼させたスファグレイトス関連事件の唯一の生き残りであり、証人。しかし彼女は、多くを語ろうとしない。事件を転機に冒険者を引退し、今ではリファールの街角で、小さなバーを経営している。元々は優秀な盗賊だったが、今は完全に冒険家業から手を引いているようだ。

『・・・昔の話・・・さ』
『飲みな。・・・奢りだよ』


ここに記されていない人々は歴史の表舞台から身を引くことを望んでいます。
恐らくは静かに暮らしていることでしょう。


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