江戸提灯の伝統が今に生きる関東地方では現在、提灯の「張り」と「文字入れ」 は、ほぼ分業化されています。 そして、東京の提灯屋は、張りあがった提灯(火袋)に提灯の文字や家紋を描く のが仕事です。 それでは、提灯の火袋はどこで作られているのでしょうか? 〈三大産地〉 岐阜提灯 長良川の清流と豊富な竹、透 光性に優れ、丈夫な美濃紙を 産出する岐阜が提灯の本場と されています。 八女提灯 岐阜と並び、産地として有名で 銘木・絹張りなどの新しい技術 でオリジナルの提灯を作り出し ています。 水府提灯 水府提灯は江戸期において水 戸藩が窮乏していた中、下級士 族が生活を支える為に内職とし て取り入れたのを機に盛んにな ったと言われています。 また、かつての水戸藩内には、 『西之内紙』と呼ばれる紙の産地 があり、丈夫な厚紙を使用し、『丈 夫な水府提灯』と評され現在に至 っています。 提灯は、古来品質の良い竹と紙が産出される所と、水のきれいな交通の発展 した地域に発達したといわれています。東京では、この三大産地のうち、地の 利を生かした茨城県水戸産の提灯(水府提灯)が多く使用されています。 |