■　思いっきりも必要

　　神の恵みによって生きる決心をしたルツは、恥も外聞を捨てて落ち穂ひろいに行きました。ルツはどうやって、落ち穂拾いをする畑を選んだのでしょうか。親切そうな人が働いている畑を捜したのかもしれません。しかし、迷っていたら日が暮れてしまいます。ルツは思い切って刈り入れをしている一つの畑に飛び込みました。

　そのことについて聖書はこう語っています。

　「そこはたまたまエリメレクの一族のボアズが所有する畑であった」

　エリメレクというのはナオミの夫です。つまり、そこはナオミの夫であるエリメレクの親戚筋にあたる人の畑だったのです。ルツは何も知らないで、その畑に飛び込んだのでした。

■　偶然ではない

　しかし、これは単なる偶然ではありません。人間のはかりごとではないことは確かですが、神様の計らいと導きがルツにあったということなのです。私たちもこのようなことがありませんでしょうか。自分にしてみれば「たまたま」としか言いようのないことが、神の導きに思えてくることです。それは確かに神の導きなのです。神の導きとはこのように起こるものなのです。

■　神の導きに身を委ねる

　人間はいろいろな選択をしながら生きていかなければなりません。出来る限り良い選択をしたいと、人間は知恵を絞ります。しかし、将来のことなど誰も分からないのですから、迷って何も出来なくなってしまうことがあります。ルツも、もし迷っていたならば、きっと畑を決める前に日が暮れてしまったことでしょう。しかし、神の導きに身を委ねる信仰がルツにあったのだろうと思います。そして、神様はそれにちゃんと応えてくださっているのです。