家族の愛

 私の娘たちよ、・・・  

旧約聖書 『ルツ記』1章11,12,13節

 互いに思いやる心

  人間というのは、つらい目に遭っている時には自分のことばかりを考えてしまうものです。しかし、ナオミと二人の嫁(オルパとルツ)はそれぞれが辛い経験をしていながら、お互いのことを思いやっています。

 ナオミは二人の嫁に心から感謝していました。彼女たちは死んだ息子たちにも、年寄りの自分にも、本当によく尽くしてくれたからです。だからこそ、ナオミは彼女たちの将来の幸せを願い、「もうわたしについて来ないでください。自分の里に帰り、再婚して幸せになるのがあなたがたのためです」と説得をしたのでありましょう。

 しかし、二人の嫁も、ナオミを心から愛し、孝養を尽くしたいと願っていました。「いいえ、ご一緒にあなたの国に行きます」と、彼女たちはどこまでもナオミについていくと言って離れようとしまなかったのです。

 愛は家庭から始まる

 マザー・テレサはよく「愛は家庭から始まる」と言っています。家庭に愛があるというのは、決して当たり前のことではありません。むしろ、家族というのはお互いに甘えがありますから我が儘になりやすいのです。しかし夫婦も、嫁姑も、もともとは他人です。愛がなければバラバラになってしまうものだということを忘れてはいけません。

 心がバラバラのまま一つ屋根の下に暮らすということはどんなに辛いことでしょうか。そんな時、人はますます自分のことだけを考えて相手を非難し易いのですが、こういう時にこそ家庭に愛が必要です。

 愛とは「どうしたら、この人が幸せになるだろうか」という事を自分のことのように考える気持ちです。この愛が家庭に平和をもたらすのです。まず家庭の中で、お互いを思いやる愛を持ちましょう。それがあって初めて家族の絆が結ばれ、互いに喜びや慰めを持つことができる家になるのです。

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