心の故郷へ

 ナオミはモアブの野を去って国に帰ることにし・・・ 

旧約聖書 『ルツ記』1章6節

 10年かかって

 ナオミはベツレヘムに帰ることにしました。モアブの地で過ごした10年間、神様は何度となくナオミに「帰っておいで」と呼びかけてくださっていたに違いありません。その神様の招きに答えるために、ナオミは夫を失い、ついには二人の子供を失うまで10年もかかってしまったのです。

 人は「もう駄目だ」という位に苦しい目に遭わないと、神様の呼びかけを真剣に聞くことができないものなのです。

 招き続ける神様の愛

 ここを読みながら一つの讃美歌(517番)の調べが私の心に溢れてきました。

 「われに来よ」と主は今、優しく呼びたもう
  などて愛のひかりを避けてさまよう
 「帰れや、わが家に帰れや」と、主は今呼びたもう

  疲れ果てし旅人 重荷をおろして、
  来たり憩え、わが主の愛のみもとに
 「帰れや、わが家に帰れや」と主は今呼びたもう

  迷う子らの帰るを主は今待ちたもう
  罪も咎もあるまま来たりひれ伏せ。
 「帰れや、わが家に帰れや」と主は今呼びたもう

 ナオミの心にも、このように優しく呼びたもう神様の声が聞こえたかもしれません。そして、決心をして、住み慣れたモアブの地を去り、もう一度ベツレヘムに帰ることにします。結局、ナオミはすべてを失ってみて、はじめて自分の生きる場所は神様のもとにしかないのだということが分かったのでした。

 心の故郷に帰ろう

 人の心のふるさとは天のお父さんである神様のもとにあります。神を離れた生活は、職業的に成功をしようと、物質的な贅沢を手入れようと、心は空しいままです。どうぞ、そのような空しさを感じているならば、今すぐに天のお父さんである神様のもとに帰りましょう。

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