■ ナアマンが立ち去った理由
ナアマンが、せっかくエリシャを訪ねながら、何もしないうちに失望し、怒りに満ち、立ち去ろうとしたのは、次のような不満があったからでした。
@エリシャが自分に挨拶もしなかったこと Aエリシャが自分のために祈ってくれなかったこと。 Bヨルダン川で沐浴すれば癒されるという救いのみ言葉への不満
確かにエリシャは、挨拶ぐらいしても良かったし、祈ってくれても良かったと思います。また、み言葉についても説明が必要だったのではないでしょうか。これらのことについてナアマンが怒るのは無理からぬ事だとさえ思います。
■ 大切なことは何か
しかし、エリシャはもっとも肝心な事、「神の救がどこにあるのか」については、ナアマンに隠すことなく明示していたということをも忘れてはなりません。要するにナアマンの不満は本来のことではなく、「それ以外のこと」にあったのです。本来、神の救いを求めて来たナアマンですが、「それ以外のこと」の方がナアマンにとって大切なことにすり替わってしまったのでした。
私たちにもこういうことがあります。救いは明示されているにも関わらず、「それ以外のこと」に対する欲求が満たされないために、本来のことまで見失ってしまうのです。それが救いの妨げとなってしまうのです。
ナアマンの家臣たちは、その点について主人を諫めました。大切なことは「それ以外のこと」ではなく、神の救いを得ることではないかと指摘したのです。
|