アマツヤ王の変節

 「神には力があって、助けることも、挫くこともおできになります。」

『歴代誌下』 25章8節

 主はそれより多くのものを与えることができます

  南王国ユダの王アマツヤの話です。彼はエドム人を討伐するために軍備を強化し、北王国イスラエルから勇士10万人を雇い、用意万端を整えました。ところが、主の預言者が来て、こう言います。「王よ、北王国の軍隊を同行させてはいけません。主は、北王国と共におられないからです」 

 当時、北王国はバアル礼拝の国と化していましたから、そのような国と手を結んではならないという警告でした。「しかし、今さらそんなことができるだろうか。すでに大金を支払ってしまったのだ。もったいないではないか」と、アマツヤの心は迷いました。そんな王に、預言者は断言します。「主はそれよりも多くのものを与えることができます」 そこで、アマツヤは意を決し、自国の軍だけでエドム人討伐に出兵し、大勝利をおさめて凱旋したのでした。

 主からそれ以上のものを受け取れなかったアマツヤ王

 と、ここまではまことに結構な話です。ところが、「主はそれよりも多くのものを与える事ができます」という主の言葉を戴きながら、彼はそれ以上のものを主から受け取ることができませんでした。

 それどころか、アマツヤは、北王国との戦争で惨敗し、町を破壊され、神殿の財宝や人質をとられてしまったのです。さらに国内にも謀反が起こり、アマツヤは逃亡しますが、ついに捕らえられ、殺されてしまいます。どうしてアマツヤは主から「それ以上のもの」を受け取る事ができなかったのでしょうか。

 主は与えることも奪うこともできる

 聖書は、はっきりとその理由を語ります。エドムに凱旋した後、彼は何を血迷ったか、自分が征伐したエドムの国の神々を自国に導入し、それを自分の神としてひれ伏し始めたのでした。

 預言者が再び現れ、王に警告します。「あなたは、どうして自分の国を救えなかった神々をわざわざ自分の神とするのか」 しかし、アマツヤは預言者をうるさがり、「お前を王の顧問にした覚えはない」と追い払ってしまいました。

 こうして、アマツヤは変節し、最後まで主を信じ続けなかったのです。主は力ある方です。私たちに与えることができます。誰よりも多くのものを与えることができます。しかし、誰に対してでもありません。預言者は言います。「主は、私たちを助けることも、挫くこともおできになります」と。主を恐れ、最後まで主と共に歩み続けることが祝福の源なのです。
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