祝福を選び取る

 あなたがたを迫害する者のために祝福を祈りなさい。祝福を祈るのであって、呪ってはなりません。

『ローマの信徒への手紙』 12章14節

 怒りや憎しみは自然現象

 人に深く傷つけられるという経験は、誰にでも、いつにでも起こり得ることです。そのような時、怒りや憎しみが起こるのは、ほとんど防ぎようのない自然現象だと言っても良いでしょう。

 けれども、このような自然に身を任せているだけでは、あなたの人間としての霊的な姿は損なわれてしまいます。人は自然のままに生きるのであれば動物と同じですが、神様の教えに聞き従い、信仰と祈りをもって生きるならば神の子供らなのです。

 神の子として生きる

 人が人間らしく生きるためには、自然のままにではなく霊的に生きることが必要です。神の子供らとして神様への信頼の従順に生きること、それが人間の霊的な姿です。しかし、そのためには、しばしば自然な感情や衝動を超越しなければなりません。

 たとえば仕返しをしようとするよりも忍耐する事を(マタイ5:39)、争いに勝つことよりも和解する事を(ローマ12:18)、自分の満足ではなく隣人を喜ばせることを(ローマ15:1-2)求めるということです。そして「迫害する者のために祝福を祈りなさい」とも言われています。傷ついた自分を乗り越えて、このような霊的な命を選び取るというのは至極困難に違いありません。しかし、そこを信仰によって飛躍するのです。

 祝福を選び取る

 イエス様はあなたに素晴らしい力を与えてくださいました。あなたには人を罪に定めることも赦すこともできる力があります(ヨハネ20:23)。人を呪う力も祝福する力もあります(マタイ10:12-15)。そして、あなたは自由な人として、そのどちらかを選ぶ自由を持っています(ガラテヤ5:1)。

 ただし、この事を考えてください。イエス様はあなたを呪う為ではなく祝福する為に来られました。あなたがその祝福を受け取り、霊的な人間となって、それを多くの人々に溢れさせていく事こそが、イエス様が切なる願いであるという事を。
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