■ 悪魔はこの世の実権を握っているのか?
悪魔の言っていることは、ある意味では本当です。イエス様も、悪魔を「この世の支配者」と呼んでおられるからです(ヨハネ12:31他)。
しかし、悪魔は偽りの父ですから、この言葉の中にも嘘があります。悪魔が「自分のものだ」と主張しているこの世の支配権は、はじめは悪魔のものではなかったし、永遠に続くものでもないのです。
創世記1-3章を読めば分かりますが、神様はこの世の支配権を人間に委ねられました。しかし、人間は、神様に背くことによってその支配の座を失い、代わりに悪魔がそれを得たのです。しかし、それもイエス様が十字架におかかりになり、復活されるまでのことでした。
■ イエス様は支配権を取り戻した
イエス様が、悪魔の働きを滅ぼすために世にいらしたとき(Tヨハネ3:8)、悪魔は、「私を拝むなら、それを与えよう」と、話を持ちかけました。しかし、イエス様は、悪魔にひれ伏すことを拒否し、悪魔に勝利して、この世の支配権を御自分のものとされたのでした。
この勝利こそ、十字架と復活だったのです。復活の主はこのように勝利宣言をなさいました。「わたしは天と地と一切の権能を授かっている。だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい」(マタイ28:18)。
■ 悪魔の悪あがき
しかし、悪魔は、今もなお自分の敗北を認めていません。そして、世の人々ばかりではなくクリスチャンにさえ、いまだ自分が健在である事を信じ込ませようとしているのです。
皆さんは、自分が弱い存在で、悪魔の影響から決して逃れられないのだと、諦めていないでしょうか。しかし、その敗北感こそ悪魔の仕掛けた偽りである事を知って下さい。私たちが今もなお悪魔のなわばりの中に生きていることは確かですが、それは悪魔に支配されるためではなく、悪魔を混乱させ、人々を解放し、悪魔にキリストの勝利を思い知らせるためなのです。
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