■ 天の法廷
ゼカリヤが見た幻は、天の法廷の有様でした。訴えられているのは、「ヨシュア」(ギリシャ語化すると「イエス」!)という大祭司です。彼は真っ黒に汚れた服を着て、御使いの前に立っていました。その傍らにはサタンがいて、彼の汚点をあざ笑いながら、凄い剣幕でヨシュアの罪を告発しています。「裁判長! 彼は地獄行きです!」と。
ところが、裁判長は思いがけない判決を下します。「サタンよ、お前こそ責められる」そして、ヨシュアに向かっては「お前の罪を取り去った。汚れた衣を脱ぎ、晴れ着を着せてもらいなさい。頭に聖なる冠をかぶりなさい」と言うのです。ヨシュアが「イエス」であることを思うと、まことに意味深長な幻です。
■ 被告席に座る者
しかし今は、悪魔が告発者であるという点にのみ注目しましょう。悪魔は被告席に座る私達にも告発状をたたきつけて、お前は罪人だ。駄目な人間だ。失格者だ。だれがお前のような者を憐れんでくれようか。」と脅かし、地獄行きの切符をちらつかせます。
告発状には、決して嘘が書いてあるわけではありません。ですから、私たちには反論ができません。ただただ恐怖に身を縮めて、うなだれて、ついには神の愛にまったく価しない人間であることを認めてしまいそうになるのです。
■ 思いがけない判決 ー 福音 ー
ところが実際の天の法廷では、思いがけない判決が下されます。あなたは罪にまみれた衣を脱がされ、キリストの義をまとわされます。キリストの勝利の冠を被らせられます。そして、天国に響き渡る朗々とした声で、「あなたは神の子である」という判決がくだされるのです。これがキリストによって私達に告げしらされた福音です。
今、自分の罪に恐れおののいている兄姉姉妹たち。悪魔の告発よりもキリストの救いの確かさを信じようではありませんか。それを疑わせ、望みを失わせることこそが悪魔の最大の目的なのです。
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