■ 天のイエスを見る

　すべての人々がステファノの説教に耳をふさぎ、敵対して襲いかかる時にも、彼は決して孤独ではありませんでした。他の人々には決して見ることはできませんでしたが、彼は聖霊によって、天のイエス様と共にいたのです。

■ わたしは知らなかった

　恐れや不安を胸に心細い旅路を歩んでいたヤコブは、石を枕に野宿していると一つの夢をみました。先端が天まで達する階段が地に向かって伸びており、天使たちがそこを上り下りしていたのです。すると、主が顕れてヤコブにこう言いました。

　「見よ、わたしはいつもあなたを共にいる。あなたがどこに行っても、わたしはあなたを守り、必ずこの土地に連れ帰る。わたしは、あなたに約束したことをはやすまで決して見捨てない」（『創世記』28章15節）

　目覚めたヤコブは、「まことに主がこの場所におられるのに、わたしは知らなかった」と言いました。そのように、私は主が共にいてくださるのに、そのことを知らないで恐れと不安にかられていることがあるのかもしれません。

■ 第四の男

　旧約聖書のダニエル書3章には、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴという三人の若者の話が書かれています。彼らは信仰の故に、王の建立した金の像を決して拝もうとしなかった為に燃え盛る炉の中に投げ込まれてしまいます。しかし、炉の中をのぞき込んだ王は驚いてこう言いました。

　「あの三人の男は、縛ったまま炉に投げ込んだはずではなかったか。・・・だが、わたしには四人の者が火の中を自由に歩いているのが見える。そして何の害も受けていない。それに四人目の者は神の子のような姿をしている。」（『ダニエル書』3章24-25節）

　三人の若者たちの絶体絶命のピンチに突如として現れた「四人目の者」とはいったい誰なのでしょうか。それは神の子、つまりイエス様のような姿をしていると、王は語っています。激しい炎さえものともしないその御方が、燃え盛る炉の中に投げ込まれた三人の若者と共にいてくださり、彼らを無傷で救い出してくださったのです。

■ あなたはひとりではない

　これらの聖書の証言は、私たちにイエス様の約束、「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」（『マタイによる福音書』28章20節）の御言葉を思い起こさせます。

　あなたも聖霊を受けるならば、ステファノのように神の栄光の中に立っておられる天のイエス様を心の目でしっかり見ることができるでしょう。そして、悩みや悲しみの中に独りで立ちつくしているように感じる時にも、多くの敵とたった独りで戦わなければならない時にも、あなたは決して独りではないことを知り、大きな平安に包まれることでしょう。