孤独になる

 ヤコブは独り後に残った。そのとき、何者かが夜明けまでヤコブと格闘した。

旧約聖書 『創世記』 32章35節

ひとりになる

 黙ってうなずきながら、弱音や愚痴を聞いてくれる ・・・そんな家族や友人がいるということは、何とありがたいことでしょうか。 その人が一緒に祈ってくれるクリスチャンの友ならば、なおさら心強いことです。

 けれども、あなたの問題は、最後には独りになって、自分で祈らなければ本当の問題解決にはならないのだということを忘れてはなりません。要は自分の魂の問題なのです。神様と自分の問題なのです。人に相談することが助けになることは確かです。大いに相談すべきです。しかし、最後には独りにならなくてはなりません。そして、自分自身が神様と格闘しなくてはならないのです。

 ヤコブは、実に家族を愛する人でした。恐れと不安に満ちた旅路において、妻や子どもたちは、どれほどヤコブの心を慰めたことでしょうか。しかし、ヤコブの問題は、決してそれだけでは解決しなかったのです。ヤボクの渡しにさしかかった時、ヤコブは独りになる決心をしました。彼は、まず家族を先に渡らせ、独りきりで、自分の問題を神さまに祈り切ろうと決心したのです。このように、彼には独りになることが必要だったのです。

 それが今まで出来なかったのは、いったいなぜでしょうか。家族の中にいる居心地の良さ、それが問題を先送りにしてしまっていたのではないでしょうか。しかし、そのヤコブの決心を促したのも、また家族だったに違いありません。愛する家族のためを思えばこそ、ヤコブは居心地の良さに甘んじ、いつまでも問題を先送りしていてはならないと感じたのではないでしょうか。そして、独りになって、神さまの祝福を真剣に祈り求める決心をしたのです。

 考えてみれば、イエス様も弟子たちから離れて、しばしばし独りになって祈られたのではなかったでしょうか。わたしたちにも、友や家族からも離れてただ神さまだけを仰ぐ時間が必要なのです。それが独りになるということなのです。

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