愛する者の墓前で

 もし信じるなら、神の栄光がみられると、言っておいたではないか。

新約聖書 『ヨハネによる福音書』 11章40節

涙を流されるイエス様

 イエスさまは、愛するラザロの墓前で涙を流されました。人前をはばかることなく、主は涙を流されたのです。マルタ、マリヤと共に、主は泣かれたのです。そこに人々は主の愛を見ました。「ご覧なさい。どんなにラザロを愛しておられたことか!」

 みなさん、主は今も、わたしたちと一緒に、愛する者の墓前で悲しみを分かち合って下さり、惜しみなく涙を流して下さるお方です。

 主の愛もそこまでなのか

 しかし、同時に人々はこうも言いました。「盲人の目を開けたこの人も、ラザロが死なないようにはできなかったのか」

 死の前で涙を流すことしかできなかったのか・・・主の愛もそこまでなのか・・・そうなのでしょうか?

 驚くべき主の愛

 みんながそのように思った、その時です! 主は、石でふさがれたラザロの墓を開き、大声で叫ばれました。「ラザロ、出てきなさい!」すると主の言葉にこたえて、死んでいたラザロが手と足を布でまかれたまま、墓から出てきたのではありませんか。

 なんと驚くべき主の言葉! 主の愛! イエスさまは、一緒に涙を流してくださるだけではありません。愛する者を墓から呼び出し、死人に命を与えることがお出来になるお方なのです。それがわたしたちのイエスさまへの信仰であり、希望です。

 もちろん、わたしたちは愛する者の墓前で、とめどもなく涙を流すことでしょう。そして、主も、一緒に涙を流して下さるでしょう。しかし、主を信じる者にとって、墓は涙を流すばかりの場所ではありません。死者に復活の命が与えられる場所、悲しみが喜びに変わる場所、そのような主の栄光を仰ぎ見る場所でもあるのです。
 愛する者の墓前に立ったとき、そこからもう一度、わたしたちに与えられている希望の確かさを思い起こしたいと思います。

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