再生A キリストに似た者となる

 困窮している者、負債のある者、不満を持つ者も皆彼のもとに集まり、ダビデは彼らの頭領になった。

旧約聖書 『サムエル記上』 22章2節

 吹き溜まりのダビデ軍団

 枕する所もなく、さすらう身となったダビデのもとに400人もの人たちが集まってきて、ダビデを頭領に担ぎ上げました。いわば「ダビデ軍団」なるものが誕生したのです。

 とは言っても、ダビデのもとに集まってきた人たちというのは、すねに傷を持つ人間であったり、世間から爪弾きにされた人間であったり、要するに人生に挫折した人間ばかりです。そういう人たちが、ダビデの洞穴にたむろするようになり、吹き溜まりのような「ダビデ軍団」が誕生したのでした。

 イエス様も同じ

 しかし、私は、この「ダビデ軍団」に「イエス軍団」、こういう言い方がおかしければ「イエスの教会」を見る気がいたします。

 聖書にはこうあります。「人々は、病人や悪霊に取りつかれた者を皆、イエスのもとに連れてきた。」(マルコ1:32)、「大勢の徴税人や罪人も大勢やってきて、イエスや弟子たちと同席していた。」(マタイ9:10)。イエス様のもとに集まってきた人たちも皆、転落した人生を送っている人間であったり、無学で卑しいとされている人間だったのです。

 このように、神様は世の中から屑のように捨てられた人たちを憐れみ、御手を差し伸べ、「生きよ」と手を取って引き上げて下さる御方です(エゼキエル16:1-14)。そして、そのような神様の愛のしもべとなって、私たちを天国の子らとして招いて下さったのがイエス様だったのです。

 神の御心は計り難し

 地位も、名誉も、家族も、友も失い、枕する所もなくさすらう身となったダビデの零落ですら、実はこのように「神の愛のしもべであり、天国の王として油注がれたイエス様」に似たものとさせられる為の神の御業であったとするならば、神の御心は何と計りがたい事でしょう。たとえ捨てられたと思う時にも、このように深い御心の中であなたは愛されています。

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