■ 窮地で祈るダビデ
亡命に失敗し、ガトを辛うじて脱出してきたダビデは、孤独な落ち武者と成り果てて、洞窟の中に身を隠しました。その洞窟の中で祈った祈りが詩編57編に残っています。
■ 神の保護のもとに
ダビデはようやく安全な隠れ家を見いだしたようです。それは洞窟のことではありません。
「あなたの翼の陰を避けどころとします。」(2節)
神様のみ翼の陰に宿ること、これがダビデの見いだした隠れ家だったのです。
親鳥が翼の下に雛を集めてかばうように、神様は力強い御手を伸べて、私たちを守り、助け、かばってくださいます(イザヤ31:5)。み翼の陰には、神様の手厚い保護があるのです。
■ 神の暖かさに包まれて
それだけではありません。そこには神様の体温があります。み翼の陰、そこはとても暖かいのです。その神様の暖かさが、ダビデの魂を癒します。
「わたしの魂は屈み込んでいました。」(7節)
過度の恐れや不安によって、ダビデの魂は石のように固く縮こまり、冷え切っていたのでありましょう。しかし、神様の暖かさがダビデの魂を包みこみ、その緊張をほぐしていきます。
その神の癒しの中で、ダビデは次第に神様と共にある時の心の強さ、大らかさを取り戻していきます。竪琴を弾き、神様を賛美していた頃の信仰の感覚が呼び覚まされていくのです。
「目覚めよ、竪琴よ、琴よ。 主よ、わたしはあなたに感謝し、
国々の中でほめ歌を歌います。」(9-10節)
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