■ 最初は順調
ダビデは神様に選ばれ、預言者サムエルによって油を注がれたのですから、必ずイスラエルの王になるはずです。その神様のご計画は順調に進んでいるかのように見えました。ダビデは王の将軍として用いられるようになり、王の娘ミカルを妻にもらいました。王子ヨナタンとは深い友情を交わすようにもなりました。
■ しかし、試練が
しかし、神様がご計画を実現されようとする道には、人間にはなかなか理解できないことがあります。ダビデはそのまま順調に王様に上りつめたのではなかったのです。
サウル王はダビデを妬み、恐れるようになり、彼の命を狙うようになりました。差し迫った身の危険を感じたダビデは、新婚早々にも関わらず妻を残して、預言者サムエルの許に逃げました。が、そこにも追っ手が現れます。それで今度は王子であり親友であるヨナタンの許に逃げ、助けを求めました。けれども、ヨナタンもダビデを救うことができなかったのです。
こうしてまったく行き場を失ったダビデは、着の身着のまま荒れ野の中に逃げていくことになりました。ダビデには誰もついて行きませんでした。ひとりぼっちになってしまったのです。身を守る武器もありません。当てにする家もありません。それに案外重要なことですが、お腹が空いてきました。国家の英雄ダビデが何と惨めなことでしょうか!
■ 途方に暮れたダビデの行き先
途方に暮れたダビデは、祭司アヒメレクの家を尋ねました。それは頼るものを失い、途方に暮れた時、私たちが教会に行ってみようと思っ立ったのと同じ思いだったかもしれません。
行き場を失って行くところ、それは神様の許しかないのです。否、神様こそ、どんな時にも私たちの避け所となってくださる心強いお方なのです。ダビデはこの逃避行によって、神様の許に宿る人の幸いを学ぼうとしいるのでした。
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