■ 借り物の力
サウル王は少年ダビデの勇気を認め、敬意を込めて自分の武器を貸し与えました。青銅の兜をかぶらせ、鎧を身にまとわせ、剣や槍を持たせたのです。
しかし、その場で見ていた将軍たちは失笑しました。あまりにも似合わなかったからです。青銅製の鎧や武器は、少年ダビデにとって重すぎるし、大きすぎるし、歩くことすらままならない有様でした。
■ 自分の力で
ダビデもこれでは戦えないと思ったのでありましょう。すべてを脱ぎ捨てて、普段どおりの羊飼いの姿にかえりました。そして、いつもの持ち物である杖と石投げ紐と、滑らかな石をいれた投石袋を身につけて、巨人ゴリアトに向かって行ったのです。
相手が大きければ、それに見合った強力な武器が必要だと考えるのが普通です。しかし、ダビデは特別なものは何もいらないと思いました。不慣れな借り物の武器よりも、身についたものであることの方が重要だと思ったのです。
■ 特別なものは何もいらない
知恵がない、力がない、経験がないと思っている人は、このことを心にとめてください。
モーセはとつ弁でした。ギデオンは貧弱でした。エレミヤは若年でした。しかし主は、モーセに「あなたの口を造ったのは私だ」(出4:11)と言い、ギデオンに「あなたのその力をもって行け」(士師6:14)と言い、エレミヤには「若者だからと怖じけてはならない」(エレ1:7)と言われました。
要は、主があなたに与えられておられるものがあります。あなたが今持っているものがあります。それで十分なのです。特別なものは何もいりません。あとは信仰です。信仰をもって、主の力で戦うのです。
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