ダビデとゴリアト@ 小さな巨人

 あの男のことで誰も気を落としてはなりません。

旧約聖書 『サムエル記上』 17章32節

 巨人ゴリアト

 雲をつくような大男が現れ、イスラエル全軍を震え上がらせました。ゴリアトというペリシテ人の豪傑で、朝な夕なイスラエル軍の前にやってきては、「誰かわたしと一騎打ちで勝負する者はいないのか」と大声で呼ばわり続けたのです。

 私たちの人生にも立ちはだかるものがあります。挑んでくるものがあります。それはゴリアトのように巨大な問題であるかもしれません。私たちは、その巨人の前に立ちすくみ、恐怖に打ちのめされるでしょう。来る日も、来る日も巨人の挑戦を受け続け、悩み疲れ、無気力になってしまうでしょう。

 しかし、私たちは恐れすぎていないでしょうか。恐怖が問題を余計に大きく見せているということがないでしょうか。

 イスラエル軍は、まさにそういう状況でした。少年ダビデが、お兄さんたちへの陣中見舞いに来た時もそうでした。ダビデは、ゴリアトの前に恐れおののき、後ずさりする兵士たちを目の当たりにしたのでした。

 信仰による巨人

 しかし、ダビデは恐れるどころか、ゴリアトの挑戦を受けようと思い立ちます。彼は恐いもの知らず子供だったのでしょうか。それとも野心家だったのでしょうか。違います。ダビデは信仰者だったのです。

 ゴリアトは確かに大男だし、強そうではあるけれども、「神に戦いを挑む不届き者」に過ぎません。それならば恐れるに足りないのではないでしょうか。神様を敵に回して戦える人など一人もいないのですから。

 「神が味方であるならば、誰が私たちに敵対できますか」

 この信仰に立つ者こそ、たとえ小さくてもあらゆる巨人に打ち勝つ、ゴリアト以上の巨人、信仰による巨人なのです。

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