■ 苦しむサウル
サウル王の苦しみは何であったのでしょうか。罪は誰でも犯します。問題は、罪を犯した後の態度にあるのです。
アダムとエバは罪を犯した後、神様から身を隠そうとし、自己弁解に終始しました。これでは、たとえ神様が二人を赦そうとしていても、赦すことができなくなってしまいます。それでも、神様は二人に皮の衣を着せてあげるほどに憐れみに富むお方なのですが…(「皮の衣」はキリストを予表していると言われています)。
ともかく「神の霊がサウルを襲う」とありますから、恵みに満ちたものとなるはずの神様との関係が、サウルの場合、相当悪くなってしまったようなのです。神様と関係が悪くなると、人は心の安けさを失うことになります。まさにサウルはそういう状態だったのです。
■ 慰めの音楽を奏でるダビデ
このサウルを慰めたのは、竪琴の名手ダビデの音楽でした。音楽によって心が癒される人は多いのです。時として音楽は言葉以上の力をもって人の心を慰め、癒します。
音楽は神様が与えてられた素晴らしい贈り物に違いありません。神様はいったんは見捨てたサウルにさえ、音楽を慰めとしてお与えになった、ここに神様の限りない優しさを見るのです。
もっとも音楽にも色々あり、人によって好みが分かれるところでしょう。しかし、万人の心を慰め、癒す音楽があるとしたら、それは心に神様の愛と慰めの調べを響かせることができる音楽です。このような音楽は、神様を深く愛する者からのみ生まれてくることでしょう。ダビデの奏でた音楽はそのような音楽だったのです。
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