<<本日ハ晴天ナリ>>


1. ヤンキー、ご〜ほ〜む!!

 某日夕刻、暇を持て余していたAXELは行きつけのショップ「生き残り屋」さんの夜戦に参加すべく軍用車に乗り込み兵舎を後にしたのだが・・・その日はちょうど地元のだんじりの曳行日であったため、駐車場から出た直後に国会議事堂の牛歩戦術を彷彿させるようなだんじりの絨毯爆撃に遭遇してしまい行軍を一時中断せざるを得ない状況に陥ってしまった。仕方がないのでこれから始まる戦闘に逸る気持ちを落ち着かせつつ、車中より通り過ぎるだんじりの一団を眺めていたのだが・・・

とにかく目に付いたのが、必死の形相でだんじりを曳行する町内の青年団の方々に紛れて面倒そうに追従して行く「今風の若者達」であった。祭りの時期になると常々思うのであるが、閑静な我が町内にもいまだこれほど多数の彼らが生息していることに少々驚きながらも「ヤンキーご〜ほ〜む」と叫びながら先日復活した MC51 を発砲したい衝動をグッとこらえている自分を想像して妙におかしくクスリと笑ってしまう。

2.またやっちまった・・・

 執拗なだんじりの牛歩戦術を軽快なハンドル裁きで巧みにかわしつつ、生き残り屋さんに到着したのが 21:30 時であった。到着を予定していた時間からは少々遅れてしまったが、その日の閉店時間が 22:00 時であることを事前に確認していた AXEL は何とか間に合ったことに胸を撫で下ろしつつ店 のドアを叩くと、いきなり・・・

しばきやなぁ、AXEL!!

店の中に入ったとたんに何故かたまたま店に遊びに来ていたみずんとネルフ の人からお怒りの言葉を頂戴した・・・たまたま遊びに行ったお店で、たまたま遊びに来ていたみずんとネルフの人から、いきなり「しばき」のお言葉・・・世の中の不条理に少々カチンとし ながらも「何でげしょ。えへへへへ・・・」と卑屈な笑いを浮かべて「しばき」の理由を訊ねてみると、どうやらその日は 21:00 時で閉店であったらしい。来る直前に電話で確認したのに・・・

「あの〜、今夜の夜戦のことなんですけど・・・」

気を取り直して今回の来訪の目的である夜戦の事について訊ねてみると、店内、大爆笑!!またしても理不尽な言動に少なからぬ殺意を覚えた AXEL はその理由を半ば店員と化している Kネコ伍長に訊ねてみると・・・

「夜戦は昨日の晩ですよ!!」

(が〜ん、じょーじショック、チュ〜イングぼ〜ん)
「え!?そうでげしょ。何か変だと思ったですよ・・・ハハハハハ・・・(またやっちまった・・・)」

なんと、目的の夜戦はその前日に行われていたとのこと。遠路はるばるだんじりの猛攻にも耐えて、ショップを訪れたAXELの手の中でその日の夜戦で華々しくデビューを飾る予定であった MC51 が少し寂しそうであった。なお、件の夜戦は盛況であったことをここに追記しておこう。

3.仕事か?サバゲか?

 その後しばらく生き残り屋さんで他愛もない世間話に花を咲かせていたのだが、Kネコ伍長の話を聞いてみるとどうやら翌日に「永楽ダム」でショップ開催のゲームがあるとのことである(永楽ダムといえば広報官日記の<「鷹の団」出動要請!!>の時のフィールドで、お読みいただければ全体的なフィール ドのイメージを把握していただくことが出来るであろう)。期待していたゲームに参加できなかったため、内心ニヤリとほくそ笑む AXELであったが、翌日のスケジュールを確認すると何やら仕事が入っているようである。

「仕事」を取るか?「サバゲ」を取るか?人生始まって以来の重大な選択に直面し頭を抱えながら悩んだのだが、普段の仕事のストレスのはけ口をサバゲに求めている AXEL が「サバゲ」を選択するのに5分とかからなかった。

ま、いいっか!!

の一言で銀河系の遙か彼方にまではじき飛ばされた仕事のことは早々に忘れて早速、みずんとネルフの人と ロキ上等兵に翌日の永楽ダムでのげーむに参加する旨を告げる。特に CBR の人などは、前日のしかも 22:30時頃に連絡を行ったにも関わらず眠そうな声で
「だ〜い・・じょ〜ぶ・・ねむい・・」
などと頼もしいことこの上なしといった状態であった。

4.てめ〜ら人間じゃぁねぇぇ〜

 その後しばらくは生き残り屋さんの Kネコ伍長に MC51 のチューニングについてあれこれと相談に乗っていただいたのだが、最終的にはシステマの M100 スプリングに同社のハイスピードギアと、吸排気系を同社のなんとかかんとかというパーツに交換することでほぼ決定した。それにかかる費用はもちろん今月残業時間をいつものほぼ倍にすることで捻出するつもりである。そうこうしているうちに時間の方が 23:00 時に近づいてきてしまったため、ショップを退散することにしたのであるが、帰り際に

ネルフの人 : 「今から AXEL んチ、行っていい??」
AXEL    : 「(まぁ、明日があるからすぐに帰るでしょう)いいっすよ」
ネルフの人 : 「じゃぁ、今からウチ帰ってメシ食ってから行くわ!!」
AXEL    : 「え!?(なんでメシ??)」
みずん   : 「あ、それと途中で T 拾ってから行くわ」
AXEL    : (なんで T 師匠??)
ネルフの人 : 「ほんじゃね〜」
AXEL    : 「え!?あぁ・・じゃぁ、また後で・・・??」


何故私の「ビートマニア」の師匠である T氏を呼ぶのか一抹の不安が残った が取り敢えず家路を急ぐことにした。

ピ〜ンポ〜ン

兵舎に戻り翌日のゲームに備えて装備品及び弾薬の確認を行っていると来訪者を告げるベルの音。
「みずん達かな?」
と内心思いながらも念のためインターホンで声紋を照合する。・・・・・みずんであった。ネルフの人と T 師匠も一緒である。しかも、みずんの持ってきた AK47 と PSG-1 が AXEL の不安をいっそうかき立てる。T 師匠の放った「ビートマニアしよっか!!」の一言で何故かゲーム大会が始まった。「みんながゲームしてる間私は暇っしょ!!」やはり、みずんの持ってきたAK47 と PSG-1 は暇つぶしであった。ということは彼らは電動ガン2丁を分解して組みあがるくらいの時間までゲームをし続けるつもりであったようである。結局その日皆さんにお帰り頂いて部屋の片づけをして布団に潜り込んだのは04:00 を少しまわった頃であった。

て、てめ〜ら人間じゃぁねぇぇ〜

5.フィールドにて

 翌朝 08:30 時に元気いっぱいでやって来たロキ上等兵にたたき起こされて眠い目をこすりながらみずん達を迎えに行き、フィールドに向かう軍用車のハンドルを握っていた AXEL であったが、本日のゲームは「ちょっと大人のレギュレーション」(フルオート銃で 0.25g弾で 110m/s まで OK)であったため、次第に体内のアドレナリンが分泌されて意識もはっきりとしてきた。

10:30 時、フィールドに到着。先に到着されていた方々は待ちきれずに一戦交えておられた。到着時刻が少々遅れた我々はセーフティーゾーンの方々と挨拶を交わしながらゲームの終了を待っていたのであったが・・・

 いつものメンツの他に見慣れない顔が数名いた。いや、正確にはその数名の中に見覚えのある顔が1名。電動ガンのチューンナップパーツを手広く取り扱っておられるメーカーの某DI直営店の店長であった。以前、AXEL はそちらの和歌山県でのゲームに参加したことがあったのだが、レギュレーションに反する重大な違反が後になって発覚したり、相手チームに重度のゾンビが発生していたり、そのことについて店長にクレームをあげると挙げ句の果てには「ペイントボールでは球が当たってもインクが衣服に付着していなければヒットにはならないですからねぇ」などという訳の分からない言い逃れをされたりと、さんざんな目にあったことがあった。(ちなみにその時は「サバゲ」で参加していたのであって、断じて「ペイン トボール」なる競技を行っていたのではない!!)今回も相も変わらずパトリオットなる糞のような銀
メッキの銃を自慢げに持参して来ておられたが、AXEL にとっては先っちょに変なアウターバレルをくっつけて、ステンレスをクネクネ曲げて作ったようなストックを付けた銃など糞の役にも立たないクサレ銃に変わりがない。


そうこうしている内に前のゲームが終了したようである。 さぁ、いよいよゲームの始まりである・・・。

6.やっとのことでゲーム開始

 今回 AXEL 一行が配属されたチームは赤チーム主に生き残り屋さんの常連さんで構成されるチームである。主に個人プレーに主眼を置いて個々はいかに他の兵士にウケを呼べるかをモットーとしている。 一方相手チームは永楽ダムを拠点とするチーム甲を中心とするチームで、こちらは各個人よりも集団戦闘に主眼を置いて常に4〜5名での組織的な戦法を重要視する燻し銀的なチームである。実際このチームとの戦闘を経験してみると分かるのだが、本当にここのメンツは技巧派である。聞いてみると、ほとんどの方が古代石器時代からサバゲに日々精進されていた経験の持ち主
だということである。何となく納得・・・。

 ゲームが始まり数戦は軽くこなしてみたものの、やはり個人対集団では結果は明らかで赤チームの兵士が倒されていく中、AXEL は遊撃隊にも集団戦を取り入れる必要があるかと考えたりもしたが、そこはそれ「その日一日を楽しく過ごす」事がモットーのお気楽集団である遊撃隊にチームプレーなど取り入れてもゲームスタートのホイッスルが鳴ると同時に、バラバラに行動するであろう事が明白であるからその意見は即座に却下する事とした。

 午前の間中、みずんは昨晩苦労して組み上げた AK47 の不調のため泣く泣くゲームに参加することは出来なかったが、午後からは保険にと持ってきたCAR-15 でゲームに参加しておられた。が・・・これも故障したようである。この日はつくづく、ついていなかったようだ。


7.「ヘリボーン、ヘリボーン!!」

 こちらのフィールドでは「ナンパオ(ナンパオについては「傭兵集団大集合」のレポート中に詳しいのでそちらを参照)」の事を「ヘリボーン!!」と言うようでゲームの終盤にさしかかると盛んに「ヘリボーン!!」と叫ぶ声が聞こえてきた。と、突然「タケボーン!!」と言う声が聞こえてきたので(!?聞き間違いかな??)と思っていると、赤チームの通称「タケボン」なる人物が敵陣地に向かって鬼畜のような突撃を行っていた。そういうことか!!それならと言うことで次のゲーム中に思いっきり

「バカボ〜ン!!」

と叫んでみると味方は不思議そうな顔をしてこちらを見ていた。どうやらデコイには引っかかってくれなかったようである。


8.最終ゲームにて・・

 最終ゲームは AXEL としては珍しくロキ上等兵とフラグ背後で拠点防衛を行っていたのであるが、味方チームのアタックチームが早々に全滅してしまい、敵チームが続々と自陣営に攻め込んでくる場面に遭遇した。こちらから見ると山の斜面に数名敵のアタックチームが潜んでいるのが分かったのでセミでパシパシと狙撃していたのであるが、どうもヒットコールが聞こえない。命中している手応えもあり、着弾音も聞こえているのであったが。と、敵の近くに潜んでいたロキ上等兵の「当たってるんか〜、えぇ音聞こえるでぇ〜」と言う声が聞こえてきた。と、次の瞬間、誰も射撃していない状況にも関わらず「ヒット〜」と言う声と共に敵兵士が林の中からごそごそ出てきた。どうやら敵軍にゾンビが発生していたようである。フラグ攻防に関する重要な場面に平然とゾンビ行為を働く輩にも恐れ入った が大声でそれを指摘するロキ上等兵にも恐れ入った。

 その直後に敵兵士が1名 AXEL の左方向よりフラグに向かって匍匐前進で進行しているのが見えた。距離にして約10m 敵兵士はその無防備な横腹をこちらに晒している。必中の距離ギリギリまで引きつけて、フルオートで BB弾を叩き込む。ヒットコールは無し。続いてバースト撃ちで2度、3度と BB弾を叩き込んで行く。それでもヒットコールは無い。こちら側からでも着弾が確認できるにも関わらず、それでも敵兵士はヒットコールをあげようとはしない。ムキになってMP5 の多弾数マガジンの1/3以上 も BB弾を叩き込んだにも関わらず、まだ沈黙を守っている敵兵士に次第に腹がたってきた。

(間合いを詰めて至近距離から喰らわしてやろう。)

不意に頭に浮かんだ悪魔の誘惑に身を委ねることなどいともたやすいことであった。敵兵士との距離は先ほどより少し縮まり 10m を切っている。例の敵兵士以外に黄色チームの兵士がいないか周囲を警戒し、威嚇射撃を行いつつ一気に間合いを詰める。

「こら〜、動くなぁ!!喰らわせんぞ〜!!」

お互いに手を伸ばせば相手に触れることが出来る距離にまで接近し、銃口を敵兵士に向け殺戮衝動に身を任せトリガーを引き絞ったその瞬間、「すいませ〜ん、今ヒットしました。」

(ぬぁ〜に〜!!ヒットだぁぁぁ??今までさんざん打ち込んでヒットコー ルをあげなかったのに、ヒットするのが目的でないめくら撃ちの威嚇射撃 でヒットしただとぉぉ!?)と思いながらも、潔く(?)ヒットコールを発した敵兵士に銃弾を撃ち込む事など出来ようはずもないので
「じゃぁ、さっさと死体置き場に帰って下さい。」
と冷たく言い放って次の銃撃戦に備えることにした。

 しかし、先ほどの興奮が冷めない AXEL は、本日皆のウケを呼ぶチャンスに恵まれなかったことも手伝ってか、終了1分前になると同時に「うおりゃぁぁぁぁ!!!」とキチピーな一人ナンパオを決行したのであったが・・・既に我が陣地は7名ほどの敵兵士に囲まれており、10m程の距離を走破したところで敵兵士から一斉射撃を喰らい蜂の巣にされたところでゲームは終了。敵軍によって我が軍のフラグは陥落させられたのであった。

しかし AXEL は、はっきりとこの耳で聞いた。キチピーナンパオを決行したときセーフティーゾーンよりあがった、大爆笑を・・・
ゲームに負けて試合に勝った気分であった。

今回のゲームはゾンビが発生したりと少々後味の悪い事もあったのであるが、それ以外は特に問題も発生せず、一日楽しく過ごすことができ非常に有意義な休日を堪能することが出来た。また、生き残り屋さんのゲームに参加したいと思いつつ、家路に急ぐ AXELであったが、真夏日を彷彿させる晴れ渡った空のまぶしい太陽はほぼ徹夜明けに等しい目に非常に眩しい今日この頃であった。



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