<<黄金週間を満喫せよ編>>



1.夢の黄金週間
 世間の誰が何と言おうとも黄金週間である。今年の黄金週間は飛び石だの、戦争だのSARSだのと言っても、AXELにとっては間違いなく黄金週間であった。普段の出張三昧の激務から離れて怠惰な生活を送ろうとも、誰にAXELを責めることが出来よう・・・。

ちなみに今年の黄金週間は10連休である。

 1週間丸々休んでもまだ1日休めるというボーナスステージ付の今年の黄金週間に、サバゲの神様に足を向けられないほど感謝しつつも、さすがに2児の父となってしまったAXELは以前のように毎日サバゲ三昧というわけにはいかなかったのだが、それでも休日の間に夜戦と昼間戦の2戦を満喫する機会が与えられた。

 毎日夕刻になると生き残り屋に常駐してKネコ特務曹長の仕事を邪魔したり、「あ〜でもない、こ〜でもない」と銃を弄ってもらったりと自由な時間を過ごすことで日々の業務でせっせと溜め込んだ売るほど在庫の余っている鬱憤を、お陰様でさながらピンサロ帰りのサラリーマンの如く発散させることが出来た。

 すっかり黄金週間のライフワークとなってしまった生き残り屋巡礼であったが唯一不満を感じた点といえば、以前はあれほど毎日のように顔を出していたロキ上等兵の姿が見えなかったことである。とは言いつつも、綺麗さっぱり忘れ去ったころに「彼女と休みの日程が合わなんだから、遊びに来たわぁぁ」とばかりヒョッコリ顔を出す所を見ると、(今のところはうまく行っているんだなぁぁ)などと思ってニヤッとほくそ笑んでしまう。

 何しろロキ上等兵ときたら、親戚一同集まったAXELの結婚披露宴の時に

「これで披露宴の様子写して下さいねぇぇ」

と、ビデオカメラを手渡したら、出席していた親戚の綺麗に剥けたハゲ頭を延々撮影するわ、その後親戚から

「あの時のビデオ見せて〜」

と言われて






































「・・・・・・・・・・あ〜あれ、上手く撮れてなかったんですぅぅ(号泣」

などと毎度誤魔化さなくてはならぬわ、挙句の果てにキャンドルサービスの時には蝋燭の芯をズッポリ埋め込み水をぶっ掛けて火がつかないように細工するわと、悪戯をする時だけは普段のものぐささがイスカンダルよりも遠くにすっ飛んで恐ろしいほどマメな人物に変貌するジキルとハイドのような炸裂した人格の持ち主であったので、5年ほど前からロキ上等兵が万一結婚するような事態が発生したら、あれこれ仕返しを計画していたのだが・・・遂にその願いが成就しそうな予感に全身が歓喜に震えた。

 そういえば、GA隊に所属しているねこっちゃ2等兵も黄金週間には大阪に戻って来ていたようで、生き残り屋に遊びにきていたのだが・・・彼の話を聞いていると、

「あ〜、相変わらず悲惨な暮らしをしてるなぁ・・・」

と、思わず涙ぐみそうになったが、本人は割と幸せそうであったので無問題ということで良いのであろう。

 ともかく、ねこっちゃ2等兵が生き残り屋に遊びに来ていた晩に南港で夜戦の予定が入っていたため、「あんまり遅くまで生き残り屋に駐屯することは出来ないなぁ・・・」などと考えていたのだが、突然夜戦の参加を表明したロキ上等兵が11時を過ぎても生き残り屋にこなかったので、仕方なく待っていると12時を少し回ったところで到着した。本来であれば銃殺刑ものの大遅刻であったのだが、そこはロキ上等兵・・・うやむやの内に追求の手を逃れてさっさと現地へと移動を開始してしまった。

2.久々に登場!と思ったら
 何だかんだで夜戦の行われているフィールドに到着したのは午前零時を少し回ったくらいの時刻であった。皆が駐車場にしている路肩に軍用車を停止させると2名の兵士がAXELらと同じように遅刻したのであろうか・・・なにやら車のトランクに頭を突っ込んでモソモソと戦闘準備でもしている様子であった。

 ロキ上等兵とAXELも軍用車から降りてイソイソと戦闘準備を行っていると、なにやらフィールド方向から大音響のハードロックが聞こえてきたので、

「一体、何やってんだ??」

と二人して顔を見合わせたのだが、どうやらフィールドの対岸で野外コンサートのイベントが行われているとのことであった。サバゲのBGMにハードロックが流れていることに多少の違和感を感じたのだが、まぁ、早死にしたときの暇つぶしにもなるだろうし、移動するときの足音も消してくれるので良しとした。

 準備を終えてフィールドに向かってテクテクと歩いていると、前回フィールドとして使用していた公園の手前からド派手な銃声がBGMに負けじと聞こえてきたので、フラフラとそちらに向かっていくと、なにやらテントが幾つか設営されているのが目に入った。

 どうやら今夜はいつもと異なる場所での戦闘となっていたようである。まぁ、いつもの場所といってもAXEL自身ここでの戦闘経験が2、3回目となるので、フィールドが変わろうとあまり関係ないのだが、とりあえず空いている場所にドッカリ荷物を下ろすと銃器の点検を始めた。ちなみにAXELが到着したとき、戦闘が始まったばかりの様子であったので、死体置き場には人っ子一人居ない状態であった。

 ふと隣を見ると、ロキ上等兵が久しぶりに引っ張り出してきたXMの弾倉に弾丸を装填して早くも試射を始めようとしていた。

パン・パン・パン・パパパパパパパパパパパパパパ・・・・

 最初はセミオートで散発的に、銃の調子が悪くないと見るとフルオートで掃射して給弾不良や弾詰まりが無いかを確認する。と、突然

パパパパパパパパ・・・・・・・・ガキッ・・・

と、ギアが何かを噛みこんだような嫌な金属音が辺りに響き渡った・・・。慌ててトリガーを戻して再度セミオートで試射してみるも

パン・パン・パン・・・・


特に問題はない。再びフルオートで試射すると・・・

パパパパパパパ・・・・ガキンッ・・・

先ほどよりも少し派手目に金属音が鳴り響いた。

「あ〜、こりゃ、駄目ですねぇ・・・」

と言うAXELに口元をヒクヒクと引き攣らせたロキ上等兵であったが、ガックリ肩を落とすと予備にと持ってきていたSTEYR AUGをゴソゴソとガンケースから引っ張り出して

「サイト調整もなんもやってないんだよなぁ・・・」

と、ブツブツぼやきながら試射を始めた。

 そんなときAXELはというと、この日のためにわざわざ大枚はたいて購入して愛銃であるP-90にマウントしたSureFireとリモートスイッチを弄くりまわして、周囲を照らしてみたりしていたのだが、よくよく考えてみると・・・






































隠密重視で行動するAXELにとって、夜戦でライトを点灯することなどまず有り得ない行為

であったことに気がついて、あまりのショックで頭の天辺まで禿げ上がる思いがした。

 結局、問題のSureFireは弾道のチェックにほんの数十秒使用しただけで、

「今日の夜戦で電池無くなったら困るや〜ねぇ」


とばかりに購入してきた1本400円近くもする電池2本もまったくの無駄となってしまった。なんともトホホ・・・な感じである。

3.神に見限られた日
 そうこうする内に、敵味方の兵士も徐々に死体置き場へと帰還してきたので、ホストチームであるKM2の一○軍曹殿を探してキョロキョロと周囲を見回していると、テントの中で何やら話し込んでいるのが見えたので光に吸い寄せられる虫けらの如くフラフラと近づいて

「や〜や〜、どうも、どうも」


と、なんだか訳の分からない挨拶を交わすと早速フィールドの説明をしていただいた。同じテント内には前回のどんずる戦で行方不明となったマイケル氏がおり、ホワイトボードに書かれたフィールド概略図を使って片言の日本語交じりに戦況を説明してくれたので、グッと拳を握り締め親指をおっ立てて、

「のー ぷろぶれむ あい あむ のヴぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

と言うと変な顔をされた。

 とりえあずフィールド概略図を頭の中に叩き込んで一○軍曹殿の後ろにピッタリくっついてフィールド案内に連れて行ってもらうことになった。フィールドを一巡して感じた正直な感想は「単純なフィールドだなぁ・・・」であったが、これも事前に聞かされていた情報通りであったので大して驚きはしなかった。

 ロキ上等兵とAXELはそのままスタート地点でゲームスタートを待つことにした。ちなみに我々はKM2殿と同じ部隊に配属されることと決まったようである。暫くすると徐々に味方兵士達が集まり始めワイワイと作戦を立て始めたのだが、AXELはというと・・・

「地形も分からんので、その辺散歩してます〜」

と、自由行動に出ることにした。

3・・・2・・・1・・・スタートォォォォォォ

 遂に戦いの幕が切って落とされた。味方の兵士達が自陣の正面にある林目掛けて殺到する。フラグ間の距離が狭いためか、開始数秒後には激しい銃撃戦が展開されており、既に数名の死者が出ている模様である。

 AXELは両軍の激しいぶつかり合いに巻き込まれぬよう、体勢を低くし辺りを見回して戦況を見極めると、比較的戦闘の散発的なフィールド限界ギリギリの生垣に沿って侵攻するルートを取ることに決めた。

 それまで身を隠していた低い潅木の生えている地帯からモソモソと這い出して、生垣に取り付く。既に味方兵士が2名ほど先行していたようで、時折前方で発砲する音が聞こえてきた。とは言っても、それほど盛んに戦闘が行われている様子でもなかったので、生垣に体を半分ほど埋めるようにしてズルズルと匍匐全身を始める。

 そのまま10mほど進むと敵陣地方向にライトを照射しながら発砲している味方兵士の姿が目に入った。が、この地点から敵陣地までの間はだだっ広いグラウンドが横たわっているため、まともに撃っても恐らく弾丸は敵陣地に到達していないだろう・・・。

 味方兵士がライトを盛大に点灯させているため、敵兵士の注意がこちらに向けられることを恐れたAXELは味方兵士と距離を置いた所で一旦前進を中断してじっと様子を窺うことにした。

 しばらく様子を見てみたが、相も変わらず味方の兵士はライトを照射して敵陣地方向に発砲するのを止めない。いい加減、こちらの位置がばれそうになってきたので、思い切って射殺しようかと考え始めたころ、敵陣地の方からグラウンドを横切ってこちらに走ってくる人影が見えた。

 待望の敵兵士の登場である。AXELは偶然にも位置取りが良かったので、入れ食い状態になるかと思い大量旗を翻して敵兵士をお出迎えしようかと思ったのだが・・・

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

とばかりに必死の形相で駆けてくる敵兵士は・・・1名だけであった。

 思わぬ肩透かしにガックリとしたAXELであったが、前方にいる味方兵士は慌てふためいてなかなか敵兵士に必殺の銃弾を撃ち込む事が出来ないようである。そうする内に敵兵士の攻撃の間合いに入ったのか激しい銃撃戦が始まった。と、おもむろに敵兵士は陽の当たるアスファルトの上でのたくりまわるチンポミミズが如く体をクネクネくねらせて、気が狂ったかのようにあちこち走り始めると、あっという間に味方兵士をゲットしてそのままクネクネと自陣の方に向けて駆け戻っていってしまった・・・。

 あまりに見事な攻撃であったので、AXELは思わず戦闘中であるのを忘れて「おおおおおおおおお」とばかりに驚嘆し、手を叩いて敵兵士にエールを送ろうとしたのだが、先ほどの兵士がクネクネしながら戻ってくると物凄く嫌だったのでやめておいた。

 兎に角、先ほどの敵兵士のお陰で邪魔になっていた味方兵士が排除されたので、侵攻を再開することにした。

というか、酷い物言いだ・・・と我ながら思う。

 再び前進を始めてから少し進んだところで、またしてもグラウンド向こうから数名の走ってくる足音が聞こえた。走ってくる方向からして十中八九敵兵士だと思われたので、銃口を足音の方に向けて姿が見えてくるのを待つ。幸い、相手からはこちらは影となっているので、生垣に体半分埋もれるようにして地面に寝そべっているAXELの姿は見えていないはずである。

 暗闇の中から2〜3名の兵士が踊り出てきたが、既に照準を敵兵士に合わせて射撃準備を終えていたので、出来るだけ敵兵士を引き付けて殺戮の頃合いを見計らっていつつも、サバゲの神様に両手を合わせて

「サバゲの神様、いつもAXELにたらふく敵兵士の血を吸わせてくれて有難う。本日も1ゲーム目からご馳走様です。」

とお祈りを捧げて敵兵士の魂をお供えする祭壇をこしらえていると、いつの間にやら味方兵士がAXELの後方に追いついていたらしく、

ズダダダダダダダダダダダダダダダ・・・・

と、疾走してくる敵兵士の一団に向けて猛烈に弾丸を撃ちこんでくれたお陰で、サバゲの神様にお供えする予定の売約済み敵兵士達は全滅してしまい、そのままUターンして死体置き場へと帰っていってしまった・・・。

 仕方がないので、ガックリと肩を落としながら新たなお供え物めざしてモソモソと匍匐前進を再開したのだが、何故だか後ろにいる味方兵士は、AXELのすぐ後ろ1m程度の距離を必死についてくる。なんとか引き離そうと匍匐前進スペシャル「やったぜ父ちゃん明日もホームランだ記念ハイパーゴキブリモード」カサカサカサカサカサカサ・・・と肘と膝の関節から焦げ臭い香りがまったりと周囲に充満するほどに高速移動してみたのだが、後ろを振り返ってみると付いてきていた。

「お〜い、もっと距離開けてくれ〜」

と、その兵士に小声で囁き掛けるも

「?」

と、通じていないようであるし、

「???」

と思ってよく見てみると、なんと今まで日本人だと思っていた味方兵士は前回のゲームでメガトン級の小野田さん爆弾を投下して1ゲーム目から行方不明になったウィスコンシン州出身マイケル氏であったのに気がついた。どうりで日本語が通じていない訳である。

 とりあえず挙動不審気味に周囲をキョロキョロと見回してみると、必死で匍匐前進した甲斐あってかなりの距離を稼げていたことに気が付いた。さすがはゴキブリモードの匍匐前進である。そろそろグラウンド部分を横断しても大丈夫なような気がしたので、ソロソロと体を起こすと

「Run?」

と聞かれたので、張子の虎の如くコクコク首を縦に振って出来るだけ足音を立てずに広場を横断し始めた。

 何しろ我々の50m四方には、身を隠すことの出来そうな遮蔽物など全く無い。恐らく、ここで敵に見つかったら全身に1cm間隔でまったりとした銃弾をぶち込まれることであろうことは火を見るよりも明らかな結果である。ここで言う「まったりとした」とは痛すぎず、弱すぎず、被弾したときに脳天からつま先にまで癖になりそうな心地よい痛みがジンワリと広がっていく程度の弾丸のことを指す。

「そんなものを1cm刻みに前進に浴びたら一体どれくらいのジュール値換算になるのかな、エヘヘヘヘヘヘ・・・」

とか、



















「AXELよりも数段長身なマイケル氏に至っては被弾面積がAXELの倍くらいあって大変そうだな」

とか










































「あ〜でも、横幅が広い分AXELの方が被弾面積大きいかもな・・・。」

などと考えていると、うっかり愛銃であるP-90の銃口を口にズッポリ咥えて自決ヒットコールしそうになってしまったので、余計なことを考えずに前進することだけに注意を集中させた。

 暫く進むと・・・思ったような敵の激しい抵抗に遭遇することもなく、AXELは無事にグラウンドを横断することに成功した。後方を振り返ると、マイケル氏も敵に発見されることなくこちらに向かってきているのが見えた。

 山場であるグラウンド越えは無事完了した訳である。慎重に且つ素早く森林部分に入り込むと今度はマイケル氏が先頭に立って敵陣奥にさらに切り込む。というよりも、既に彼の目には南港の暗闇に燦然と光り輝くフラグしか入っていない様子である。木々の陰を縫ってヒョイヒョイ移動していくマイケル氏がいつ敵兵士から攻撃を受けても支援可能なように銃を構えて後を追っていく。

 距離にして20〜30m進んだところでハッキリと敵フラグを確認したのか、マイケル氏は一気に加速してフラグを設置してある木の下に走り込むと

「Get〜〜〜」

と、フラグ奪取を敢行してしまった。AXELはフラグ奪取の前に、フラグ付近でこちらに背を向けて座り込んでいた数名の敵兵士をサバゲの神様への貢物にしようと考えていたのだが、またしてもマイケル氏の活躍によって阻止されてしまったため、なんとも複雑な気持ちであった・・・。

 が、敵陣営陥落という大金星に意気揚揚と戻った我々であったが、










































「あの〜フラグアタックはこちらの方が早かったんですけど・・・。」

と遠慮がちに進言する敵将兵の言葉に顎が地面に着かんばかりにショックを受けてしまった・・・。

 どうやら我々がフラグ奪取を敢行する数十秒前に敵攻撃部隊はあろうことか、我が部隊の陣営を蹂躙してスキップしながら自陣を陥落せしめたとの事である。折角の勝利が幻に終わってしまったことに少なからず意気消沈したのだが、これはきっと貢物を横取りされたサバゲの神様のちょっとした天罰に違いないと思い当たって、その場で失禁しそうになるほどの恐怖に見舞われてしまったのであった。

 結局この日の夜戦では、その後の成績は鳴かず飛ばずの状態が続き、通算成績でも「赤字じゃないけど黒字でもない」状態が続いたところで、不覚にもゲーム中に居眠りしているところを銃殺されるという不名誉な事故を引き起こしてしまい、戦場を後にすることにした。

 この日も色々あったものの、無事家路についたAXELは「今度こそサバゲの神様に、佃煮にして売り飛ばせるほどゲーマー達の魂を供物として捧げる」事を心に誓って軍用車を走らせたのであった。

4.暇だったもんで・・・
 夜戦が明けてから数日後のことである。その日はみずん上等兵から「ねこっちゃ2等兵お帰りなさいゲーム」が開催されることを聞いており、前日には準備万端整えていたのであったが、朝目覚めると体に悪寒が走っているのに気が付いた・・・。

 恐らく黄金週間の間の不摂生が祟って風邪でもひいたのであろうと考えたが、モソモソと起きだすとシャワーを浴びて戦場に向けて出発することにした。

 さすがは連休真っ只中である。道中、日本一の暴力集団であるK察が連休に浮き足立った善良な一般市民のズッシリと重い財布の中身目当てに道路をせき止めている所が目に入った。いつの頃からK察は営利団体になったのであろうか・・・。本来守るべき一般市民相手に幾ばくかの金銭を搾取することしか考えつかないキチガイ集団がなりふり構わず反則金や罰金という名目でカツアゲしている様子を見ていると、その辺の路地を闊歩しているチーマーなどと言った輩が行うオヤジ狩りとの違いが、

オヤジ狩り = 金を出さないと殴られる



罰金 = 金を出さないとブチ込まれる

程度にしか見えないのはAXELだけであろうか・・・。

 ああ、そうか!

チーマー = 非公認団体

K察 = 国家公認の暴力団体

の図式が、

カツアゲ = 犯罪

反則金 =取り締まり

と言う結果に結びついて

タマちゃん救出

と言う定説が導き出されるのか・・・と何となく納得してしまった。

休日の真昼間にそんなことする暇を持て余しているのであれば、近所の馬鹿餓鬼でも捕まえてりゃ良いのに・・・その方がよっぽど社会に貢献することになるぞ!

あ〜でも、近所の馬鹿餓鬼ひっ捕まえても一銭の儲けにもならないから、きっとK察は「プイッ」とばかりに知らんぷりするんだろうな・・・。

ちなみにAXELの財布は・・・




































プッ

と息を吹きかければ100mはぶっ飛びそうなほどしか金が入っていなかったため、当然の如く無視された。まぁ、無理に相手にされても困るのだが・・・。

 道路が混雑していたのであまりにも退屈であったから、我ながら訳の分からんことを悶々と考えながらひたすら目的地目指して軍用車を走らせていると、いい加減ブチ切れてへそでまったりとした十六茶が沸かせそうなほどにいい感じになった頃にはフィールド脇の駐車場に到着することが出来た。

5.閑話休題
 やっとのことでフィールドに到着したのであるが、やっぱり体調が優れない・・・。しかもアキ〜コ顧問から

「今日、実家に寄ってくれる?」

との連絡が入ったために、この日は見学することに決めた。

 取り敢えず、前日調整したP-90を持ってフィールド脇の死体置き場へ行くと、既にみずん上等兵達が到着していたのだが、4月下旬とは思えないほどの陽気に晒されて既に茹でダコ寸前にまで出来上がってしまっていた。

「ちぃ〜〜〜す」


とばかりに意味不明の挨拶をすませると、おもむろにガンケースからP-90を取り出すと試射を始めることにした。

ポ・ポ・ポ・・・ポポポ・・・ポポポ・・・ポポポポポポポポポポポポ・・・

 長距離射撃の出来るフィールド方向に向けて最初はセミオートで、次にバースト射撃で、それからフルオートでそれぞれ弾道を確認しながらサイト調整を行う。P-90の場合、光学サイトのマウント位置からバレル部までの間が広いため、どの距離でサイトインするかが悩みどころとなってしまう。が、AXELの交戦距離を考えて10〜15m程度でゼロインすることにした。

 銃器の調整も完了し、後発のKネコ特務曹長達が到着するも既に時刻は昼前の時間帯となっており、茹だるような暑さもあってゲームは一向に始まる気配がない。というよりも、全員ねこっちゃ2等兵の徒手格闘講座に夢中になってしまって、Kネコ特務曹長の連れて来た教導団の某氏やネルフの人などは、すっかり技の実験台にされて嬉しい悲鳴をあげていた。







































ついでに関節も悲鳴をあげていた様であったがそれは気にしてはならない。

 そろそろ暇を告げる時刻が近付いていたため、昼食後頃合いを見計らってフィールドを後にした。この日の夕刻に生き残り屋に顔を出してみると、どうやらAXELが帰った後に数ゲームをこなしてから、大和川の河川敷かどこかでねこっちゃ2等兵のラペリング講座が開講されたとのことであった。

6.兵どもが夢の跡
 遂に・・・というか、いよいよ黄金週間も大詰めとなってきた。特に予定の無い日はほとんど毎日「兵舎→アキ〜コ顧問の実家→生き残り屋→兵舎」という生活様式が確立していたAXELは黄金週間が終わった後、一般偽装モードの生活習慣に戻れるかと心配したのだが、いまさら悩んでもどうしようもない事実に直面してあっさり「まぁ、いいかぁ」と諦めてしまった。

 とにかく、朝起きて寝ぼけた頭で会社に行く代わりに迷彩服を着込んで生き残り屋へ出征することだけは何としても避けねばならぬ事態であったので、サバゲの神様に頼み込んでみるも

「まぁ、良いんじゃない?どうせ朝から生き残り屋が開いてる訳もないし」

とばかりにあっさり受け流されてしまい、途方に暮れたAXELであったが、取り敢えずのところは久々に独身気分を全開モードで満喫出来たことをサバゲの神様に足を向けて寝られぬほどに感謝しつつ、残りの休日を謳歌したのであった。

ちなみに、黄金週間の最後に某フィールドでKM2殿との戦闘行為が繰り広げられたとおぼろげながら記憶しているのだが、内容が全く思い出せないのでレポートは割愛させていただくことにしよう。



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