<<激戦段々山攻略戦編>>



1.急転直下のゲーム参加表明のこと

 段々山にて大規模な攻略戦があることを知ったのは、某所のBBSの書き込みがきっかけであった。AXELは早速ゲームのレギュレーションなどを各方面のHPを訪問し確認したのであったが、どうにもすかぽんたんで採用されているレギュとはパワー面で大きくかけ離れているため、参加を断念することに決定した。Kネマキ軍曹など余程ゲームに飢えていたのであろうか・・・

「KSAルールでも参加したらいかんであろうか?」

といたく残念そうにしていたのであったが、未練たらたらで諦め切れそうもなかったAXELは開催日前日に主催者のかわちゃん衛生曹長殿にコンタクトを取り、レギュレーションなどを問い合わせてみると予想に反して・・・

「極悪パワーで無ければ参加してもらっても大丈夫ですよ〜」

とのことであった。この言葉を聞いた瞬間AXELは翌日のゲームに参加することを決定したことは言うまでもなかった。早速事前に参加する意志を表明していたまんべ2等兵に連絡を取り、参戦する意志を告げて当日はフィールドまで連れて行ってもらうお願いをして、イソイソと翌日に備えて銃器や装備品のチェックを行いその日は早めに就寝することに・・・しようとしたのであったが、最近STEYRの調整を怠っていたことを思い出してフルオーバーホールをする羽目になってしまった・・・。

 やっとの事で銃の調整を済ませたのは既に深夜の1時をまわろうとした頃であった。何とか持ち前の寝付きの良さをフル活用して、布団に入って5分も経たない内にグーグー高いびきをあげていたのであったが、ふと目が覚めた時に時計に目をやると予定を大幅に過ぎた時刻であった事に気付いて大慌てで布団を飛び出して隣で寝ているアキ〜コ顧問の頭を思いっきり蹴飛ばしながら風呂場に駆け込んで大急ぎでシャワーを浴びていると、携帯電話に着信が・・・出てみると近くまで迎えに来てくれたまんべ2等兵であった。(うへぇ〜まだ起きてすぐだよ〜。まだ用意も出来てないよ〜どうしよう?)等と思いながらもそのようなことは全く表に出さずに大急ぎで着替えながらまんべ2等兵の運転する軍用車を兵舎の前まで誘導する。その間にもそこらに中に転がっている装備品をバッグの中に手当たり次第詰め込んで出発の準備を済ませて大急ぎで表に飛び出して既に到着しているまんべ2等兵に合流していざ出発。途中コンビニに寄り道して昼食などを買い込み道中ウルティマオンラインの話題で盛り上がりながらフィールドそばの集合場所に向かった。

 今回の段々山フィールドはAXELも初めて訪れる戦場であったので内心ワクワクモノである。はやる気持ちを静めつつ、既にフィールド経験者であるまんべ2等兵に大体の様子を聞きながら助手席でナビを努めていると、いつの間にやら道に迷ってしまっていた・・・。

 う〜ん、実はAXELは方向オンチなんだぁ〜、それも半端じゃないくらいの・・・黙っててゴメンよ〜まんべ2等兵。どれくらい方向オンチかというと、5年も梅田近辺で営業なんかやってるくせに未だに目的の会社にたどり着けなかったり、大学時代に4年も通い慣れた自宅から学校までの道のりで4回生のそれも卒業間近の時期にバイク通学してて学校までたどり着けなかったり・・・とにかくそれくらい方向オンチなんだぁ、はっはっはぁ〜〜〜

 目的地直前ですっかり道に迷ってしまったまんべ号であったが、すぐに気付いたまんべ2等兵が軍用車をUターンさせるというとっさの機転のおかげで最悪の事態を回避することが出来たのであったが、危うく軍法会議にかけられる所であったAXELはホッと胸をなで下ろした。こうして何とか目的の場所に到着する事が出来たのであったが、そこには既に大和兵団のかわちゃん衛生曹長達が既に到着していたようで、まだ来ぬ兵士達の到着を待っているようで車の中で暇そうにしていた。AXEL達の到着を確認すると車から降りてきて「いや〜どうもどうも」と我々と関西人特有の挨拶を交わしながら前回フィールドで火を噴いたナパームまるちゃんの事など世間話に花を咲かせていると続々と他の参加者が到着してきた。全員集合したところでフィールドに向かって出発、とは言っても集合場所からフィールドまでは車で5分程度であるとまんべ2等兵から聞かされた。程なくして駐車場に使っている場所に到着してイソイソと着替えをすませる。駐車場からフィールドまで5分足らずの道のりであるとのことなので、非常にありがたいと思いつつ重い装備品を背負ってワサワサ移動を開始する・・・。途中若干滑りやすい所があり、何度かすっ転びそうになりながらも何とかセーフティーゾーンに到着、何だか鬱そうと茂った杉林の中にあるためかひんやりと寒々しげな感じのする場所であった。

2.AXEL的段々山フィールド紹介のこと

 全体的なフィールドの印象としては永楽ダムを小さくした感じということである。セーフティーゾーンからみてフィールド正面には若干勾配のある平地が下のフラグから上のフラグまで続いており、そのところどころが保水のためか段々になっている様である。(このあたりが段々山たる所以であろうか・・・)その段々には要所にバリケードが敷設されているとのことで、それを上手く使えば熟練の兵士であれば永楽ダムでは不可能であろうフィールド中央突破が可能であることが想像に難くないであろう。

 その中央の勾配の左手にはかなり勾配のきつい丘が見上げるほどに広がっており、ここを征する者がゲームを征すると言っても過言ではないほど重要な拠点になっているとカメレオンのDAI准将より聞かされた。で、この丘であるが、整備された杉林に良くある光景で下ばえの植物(シダ類等)の群生も非常に少なくまばらに杉の木が生えているだけでかなり見通しも良いようであった。確かにこの辺りが敵に制圧されてしまうと双方のフラグが丸見えになってしまうため、戦局に大きく影響してきそうな感じではある。・・・が、あまりにも遮蔽物が少なすぎるため開始数十秒後に敵味方の弾丸が吹き荒れることは間違いないであろう。AXELは突撃して早死にすることは大好きではあるが、決してマゾッ気があるわけではないので余程のことがない限りはこのルートを選択することは無いだろうと密かに心を決めたのであった。

 この丘陵地帯から真ん中の平地を挟んで反対側、セーフティーゾーンから見て右奥側はなだらかな丘陵地帯が広がっており、反対側の急斜面とは対照的で濃いブッシュが生い茂っている様である。また、所々に杉の木が根っこごとぶっ倒れた痕跡があり、ちょうど良い遮蔽物になっている様でAXELとしては今日一日こちらのルートをメインに展開しようかと考えたのであった。

3.狩りの時・・・のこと

 参加者全員がフィールドに到着し、準備も一段落したところで主催者であるかわちゃん衛生曹長殿よりチーム分けが発表された。今回すかぽんたんが所属するのは黄色チーム、カメレオン御一行がメインとなるチームである。他には見知らぬ人が若干いたような気がするが、あんまり気にするなぁ〜〜はっはっはぁ〜〜。対する赤チームは大和兵団(別働隊含む)、ホワイトフラグ、その他大勢といった(またしても、はっはっはぁ〜〜)混成チームであった。

 それぞれが思い思いに銃の試射をしたりマグに弾を込めたりしていると、近くで陣取っていたかわちゃん衛生曹長殿がAXELと目が合うなりニヤニヤしながら

「ときメモ2どうでした?」

と聞いてきた・・・。この瞬間、今日のAXELの犠牲者は決定。恐らく一日中かわちゃん衛生曹長はベネリを片手に匍匐前進しながらストーキングするAXELに頭を悩ませることになるであろう・・・。気を取り直して昨日整備したばかりのSTEYRを取り出してマグに弾を込めて試射し始めると、少々ホップの利きが甘いかな・・・?コッキングレバーを押し下げてダミーボルトの奥にあるホップアップ調整機構をいじくり回そうとしたが・・・コッキングレバーが降りない??ある程度の所まで押し下げるとそれ以上テコでも動かなくなってしまうのだ。当然ダミーボルトも動く気配なし・・・。仕方がないのでAXELは青白い顔が真っ赤に紅潮するまで思いっきり力を入れてコッキングレバーを引き下げてみたのだが・・・どこかで(ポキッ)という音がしてコッキングレバーは引くことができ、ダミーボルトも下がったのであるが・・・今度はダミーボルトが戻らなくなってしまった。慌てて近くにいたまんべ2等兵と、あっきーさんにお願いして工具を借りて銃をばらしてみると・・・ダミーボルトをとめているスプリングが・・・へしゃげてあさっての方向を向いていた。地面にひれ伏して涙した・・・ら、まんべ2等兵が自宅に余っているという部品を分けてくれる事になったので、ルンルン気分(死語だなこりゃ・・・)でゲームに参加することが出来た。

とっても有り難う〜〜まんべ2等兵!!その内1等兵に昇格するからね〜

 そろそろゲームが始まるとのことでベネリのシェルマガジンにシコシコと弾を込めていると大和兵団(別働隊)のなおき氏が、これまたかわちゃん衛生曹長に劣らぬほどの満面の笑みで

「ときメモ2どうでした?」

と尋ねてきた。この瞬間またしても「本日のAXELのお奨めフルコース第2号」が決定。おそらくはケツの穴が2つになるほどのBB弾を至近距離から喰らわせられる事になるだろうから明日からは痔に悩むが良いと思いながらも(どうすれば一生トラウマになるほどの一発ギャグをかませすことが出来るのであろうか)と真剣に悩みながら第1ゲームに臨むことにした。

 第1ゲーム、AXELは下側のフラグからのスタートであった。まんべ2等兵と2人でフラグの前に座り込みつつ「どうするべ〜」と作戦らしい作戦も考えずにボケ〜〜ッとしていると、すぐ隣ではカメレオンの方々が「あっち側に何人、こっち側に何人・・・・」といった感じで作戦会議をしているようであった。何の気なしにその様子をじぃぃぃぃぃっと見ているとこちらに気付いた人が「すかぽんたんさん達はどうします?」と聞いてくれたので、「何だかみんな急斜面の方に行くみたいだし、右手のブッシュの方にでも行ってきます」とだけ答えた。まんべ2等兵に至っては先っちょからキラキラ光るインナーバレルが突き出たAPS-2を抱えてフラグの後ろでスナイピングするつもりだったらしく、先っちょから突き出たバレルに負けないほど目をキラキラさせながら期待のこもった目でAXELのことを見ていた。もしかしたら「作戦会議でもしたいのかな?」とも思ったのであったが、どのみちこの少人数で作戦会議など行っても「AXELはあっち行くから、まんべさんはこの辺にいてね」程度のサルでも理解できそうなちんけな作戦会議になることは必至であったので、そのようなモノは省略する事にした。(どのみち作戦立てても2人だけだとその通りに動けるケースなんて限られた場合だけだし、我がすかぽんたんでは団体戦よりもまず個人技であると考えているので)

 開始の合図と共に背中からショットガン(ベネリ)を取り出して(シャコン)とコッキングして一気に右手にある小高い丘の方に向かって走り出す。少し進んだところでおもむろに地面にはいつくばって匍匐で前進しているとちょうど真正面の藪がガサガサと揺れているのに気付いた。その場にとどまってじっと様子を見ているとどうやら2名ないし3名の兵士がこちらに向かっているようで、しきりと伝令を飛ばしあう声が聞こえてくる。さらに数歩進んで安全に敵を迎撃できる良さそうなポイントを見つけて敵兵士が顔を出しそうな地点を予測して銃を向けてひたすら「ヲイラは木、ヲイラは石ころ、ヲイラは雑草」と口ずさみながらじっと我慢の子である。

 しばらく気配を殺してじっと必殺の機会を待ち、徐々に近付いてくる敵兵士達の様子からして少なくとも3名はこちらに向かって来ているであろうことを感じ取り、手の中にあるのがベネリ1丁で少々頼りないな等と考えながらブッシュの向こうに見え隠れし始めた敵兵士に向けて絶対の自信を持ってトリガーを引き絞った・・・

バフッッ・・・・スカッッ

かなり盛大な発射音とは裏腹に敵兵士の土手っ腹に大穴を開けるはずであった弾丸は敵兵士との間に生い茂るさほど濃くもなかったブッシュに弾かれて大きく弾道を変えて敵兵士をそれてしまった。あまりのことに少々チビリそうになりながらも、(シャコン)とコッキングし直して第2射・・・これも狙いを外した様でさすがに敵兵士も辺りを警戒し始めた。と、横手から別の兵士がひょっこり顔を出してこちらをじろじろとなめ回すように見ているのに気付いたので、恥ずかしがり屋のAXELは「イヤ〜ン、こっち見ないで」とばかりにその敵兵士に向けて少々多目に弾丸を撃ち込むとさすがに今度は狙いを外さなかったようであるヒットコールと共に兵士の魂は死体置き場に旅立っていった。

 さすがにここまで来ると残りの敵兵士もAXELが潜んでいるであろう地点に気付いたらしく、めくら撃ちではあったが銃撃を加えてきた。盛大に頭上を通過していくBB弾の量に手を焼きながらも敵の位置を割り出すべく弾道を見ていると、どうやら真正面に1人(恐らく先程取り逃がした兵士であろうか)とその後方に1人が潜んでいそうな感じであったので、まず真正面の敵兵士からかたづけることにする。銃声の方向から敵兵士が陣取っているおおよその場所はつかんでいたので、じっと観察しているとブッシュの向こうで敵兵士がワサワサ動き回っているのが見えた。今度はしっかりと狙いを付けてブッシュが薄くなっているところに狙いを付けて数発ぶち込むと敵兵士は沈黙したようで、ヒットコールと共に死体置き場へと旅立っていった。

 残る敵兵士は1人だけ・・・さぁ、狩りの時だ。最近ハマっているスナイパー物の小説ではないが、残りの兵士はさぞや廻りの味方がバタバタ倒されていく状況の下、キンタマが縮み上がる思いをしているに違いない。手の中の銃がスナイパーライフルではなくショットガンであることに少々不満は感じたが・・・。身を起こしてジリジリと残った敵が潜んでいるであろう地点に向けて移動を始めたところで・・・

「取ったぁ〜〜」

という声が遙か遠くの方から聞こえてゲーム終了を告げた。AXELも「終了〜〜」と大声を張り上げて上体を起こすと、AXELが予想していた地点と全く違うところから敵兵士がむくりと起きあがって来たので驚いた。そうか、狩られる立場だったのはAXELの方だったのか・・・

4.役立たずのAXEL1等兵たまには役に立つのこと

 死体置き場に戻って慌ただしく次のゲームの準備を行い、弾をリロードしたベネリを背中に差し込もうとして・・・途中で引っかかってしまったようである。まさしく抜き差しならない状況になって近くに座っていたまんべ2等兵に背中にベネリをぶら下げた状態で

「た、た、たしゅけて〜〜」

と声をかけるとちゃんと元通り直してくれた。またしても有り難う、まんべ2等兵。後ちょっと徳をつんだら1等兵に昇格することであろう・・・。

 続いて第2ゲーム・・・今度は上側からのスタートである。開始と同時にワサワサと先程のブッシュの濃い方へと走っていって、適当な位置で止まって辺りの様子を窺って見るも・・・誰もいない。仕方がないのでもうちょっとだけ進んで辺りの様子を窺って見るも・・・やっぱり誰もいない。そんなことを何度か繰り返す内に敵陣地の方から「取ったぁ〜」という声が聞こえてきた。結局このゲームは特にいいとこ無し、いわゆるはみごな気分で少々悲しかった・・・。

 さらに第3ゲーム目、今度は下側からである。先程の第1ゲームと同じようにAXELはブッシュの多い方の丘を侵攻することにした。ただし、先程とは違ってお供の人を1人つけてもらっての行軍であった。(しかもフルオートガンナーである!)まんべ2等兵はというと、相変わらず先っちょからキラキラ光るインナーバレルの出たAPS-2を持ってニコニコしながら切り株に腰掛けていた。と、カメレオンのDAI准将からまんべ2等兵に「遠距離でスナイピングしちゃイカン」というお達しがでた。どうやら先程のゲームでまんべ2等兵が後方より山側の敵兵士に向けてスナイピングをした際に敵軍の出足が鈍ってしまったとのことであったが、それこそスナイパーのお仕事ではないのではなかろうか・・・?スナイパーが敵兵士の侵攻を妨げつつ、味方のアタックチームが先行して出足を止められた敵兵士に奇襲をかける。至ってオーソドックスな作戦であると言ってもいいような気もしたが、郷に入っては郷に従えとの諺もあるくらいである。素直に従うまんべ2等兵を横目に見つつ「大人だなぁ〜」と思いながらゲームスタート、味方兵士を後ろに従えて一気にブッシュの中に侵入して匍匐前進10倍モードでゴキブリの如く敵陣地目指して這い進んでいった・・・。

 途中敵兵士に遭遇することもなく、「もしかしたらみんなこっちのルートを嫌がっているのかなぁ」とか、「実は自殺者の腐乱死体がこっちに転がっていてみんなそれに気付いててこっちに来ないのかなぁ」等とくだらない考えながら順調(?)に匍匐前進を続けてひょっこり頭を出した所はフラグ上方30m位の位置であった。ざっくりと周囲を見回すと目に付いたところで守備の兵士が3名ほどフラグを囲むように配置されている。この様子からすると他にもいそうな感じであったが、取り敢えず目に見えている守備兵から排除することにした。ちょうどAXELの後方にお供の兵士も控えているし、なんと言ってもフルオート銃を装備している。手の中にある糞ったれなベネリよりも100倍信頼できる味方である。取り敢えずこの場では役立たずのAXELが囮になって、同行してくれた兵士が守備兵を倒す作戦に出た。ブッシュから上半身を起こして身近な敵兵士に向けて(バフッバフッ)と威嚇射撃して(というよりも遠距離になったら全く弾が当たらんです・・・ハイ)こちらに気付いた兵士がバリバリとAXELを攻撃し始めたところで横手からフルオートガンナーの味方が掃射・・・この作戦でフラグ近辺の守備兵士をあらかた片づけてフラグアタックを行うことに・・・ここでもやっぱり役立たずのAXELが囮になってこの位置から見えない場所にいる敵兵士を引きつける囮として派手に動き回ってAXELが撃たれたら後続の味方兵士にフラグアタックを敢行してもらうことに・・・

「じゃぁ、行きます。AXELが撃たれたらよく見て敵の位置を把握してください」

と、味方兵士に言い渡すと(ホントに伝わったのかなぁ)と少々心配になりつつもフラグに向けてフラフラと移動し始めたのだが・・・さっぱり撃ってこない。フラグまで約10m・・・まだ撃ってこない。そろそろと進む・・・まだ撃ってこない。あと7m・・・ここまで来たら一気に走って取っちゃえ〜ということでバタバタ走りだして・・・

「ゲット〜〜〜」

フラグアタックに成功した途端、パパパパパパ・・・・という銃声が聞こえて太股の辺りにビチビチビチビチ・・・としこたま喰らってしまった。幸い「イタタタタ・・・終わったでぇ〜」というとすぐにやめてくれたから良かったけど・・・

 こんな感じで午前中は合計4ゲームほどこなして休憩タイムを挟み、午後のゲームに臨んだのであったが、ふと気付くと前回の永楽戦で熱い男になったナパームまるちゃん氏が増毛して焦げ跡を隠したまる焦げスーツを脱いで恐る恐るカップ麺の湯を沸かしている光景が微妙に気になってしまった。

5.恐怖の中央突破のこと

 午前中のゲームでは思いがけず良い成績を残すことが出来たので、適度にまったりとした気分で昼休みを満喫したAXELは午後からのゲームで「必殺中央突破」を試みる作戦に出ることにした。とは言っても下側からの中央突破はどう考えても無謀な気がしたので上側スタートの時にチャンスを見計らって実行することに・・・。

 数ゲームの間はじっくりと腰を落ち着けてゲームの流れを見つつ中央突破(突撃ではない)出来そうなタイミングを見計らっていたがなかなかチャンスは巡って来ず、自陣のフラグ近辺をうろちょろしながらイタズラに時間を浪費していたのだったが、午後の中盤になってついに中央突破の絶好の機会が訪れた。

 上の陣地からのスタート直後、味方であるカメレオンさんの一団は右手の杉林方面に大きく進攻し、敵主力部隊もそれに合わせるかのように同方面に防衛陣を展開した。左手のブッシュ地帯には両軍ともに主力の攻撃隊は配置されておらず中央部分を進攻する際には右方に広がる森林部分に注意を集中するだけで比較的容易にフラグ付近まで到着することが出来ることが予想できた。

 スタートと同時に目の前に広がる段々のバリケードの一つ目を極悪パワーにチューンアップした銃から発射される0.43g弾の如くひらりと乗り越えて二つ目のバリケードにとりつこうとフィールド中央の平地を駆け抜けようとすると・・・グジャ・・・いきなり足が動かなくなってすんでの所で泥の沼地に頭から突っ込みそうになってしまった。危ういところで体勢を立て直して足下を見ると足首までしっかり地面に食われており、いくら引っ張ろうとも容易に抜け出すことが出来ず、前方を見ると敵の特攻を敢行した勇敢な兵士がこちらに向けて悪鬼のごとき形相でこちらに走ってくるのが見えた!

「いやぁぁぁ〜〜、こっちに来ないでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

身動きのとれないこの状態で敵兵士に発見されようものなら、全身に雨霰の如くまったりとしたBB弾の豪雨を降らされることは確実であったので手の中にある頼りないベネリを「ガシャッ、バスッ、ガシャッ、バスッ」と必死でコッキングしていると、いい加減腕が筋肉痛になったところで敵にヒットすることが出来た。気がつくといつの間にやら沼地から足が抜けていた・・・。少なからず人間の火事場のくそ力に感動しつつも急いで2つ目のバリケードにとりついて辺りを見回したが、幸い突撃兵は先ほどの兵士だけであったようで周囲に人影は見あたらなかった。

 辺りに敵兵士が確認できなかったので思い切って二つ目のバリケードを乗り越えて次のバリケードまで移動することに・・・案の定、銃撃を受けることなく無事目的地まで到着(距離にして5mほどであったが)。三つ目のバリケードは今までのモノとは違って倒木を利用して作られていたため、「銃撃を受けるとあっという間にミンチになりそうだなぁ」と心配になるほど頼りなげであったが、それでも必死にバリケードの到るところにある隙間からバリケードの向こう側をのぞき込んでいると・・・なんだか垣根の間から隣の家を覗いているような気がしてムラムラしてしまった・・・訳もなく敵兵士が1名丘の方を警戒している様子が見えた。幸運なことにこちらの方には全くの気付いておらずスキップしながら背後から近づいてフリーズコールでもかけてやろうかと思ったが、手に電動ガンを持っているのが見えたような気がしたので、こっそりと背後からベネリで狙いを付けて一撃・・・弾はきれいに3発そろって敵兵士の横腹をえぐったようで、なにが起こったか理解する前に敵兵士の魂は死体置き場へと旅立っていった。

 敵兵士の魂が死体置き場へと旅立っていくのを横目に見ながら辺りの様子をじっと窺ってみたが、辺りに敵兵士が潜んでいる様子も無かったので、10mほど向こうにあるフラグの方に目をやるとちょうど中間くらいの位置に今頼りにしているよりも当社比10倍ほどさらに頼りなさそうなバリケードが申し訳なさげに設置してあるのが見えたが、そこに取りつくかどうか悩んでいると右斜め前にあるバリケードの中に敵兵士がキョロキョロとしているのが見えたのでベネリをコッキングして弾丸をチャンバーに装填してからワサワサと近づいていって見ると、なんと「かわちゃん衛生曹長」その人であった。どうやらこちらに気づいている様で、近づくとバリケードからひょっこり顔を出して手の中にあるコッキングハンドガンでこちらに銃撃を加えてきたが、幸いぎりぎりのところで狙いがそれて被弾することは免れた。なぜ故コッキングガンなのか少々疑問が残ったが、初弾が狙いを外してしまったのを見てAXELはかわちゃん衛生曹長があたふたとうろたえる様子を想像しながら弾丸の装填されたベネリを構えてバリケードから身を乗り出して頭部に一撃・・・頭部を吹き飛ばされたかわちゃん衛生曹長の魂は死体置き場へと旅立っていった。

 これに勢いづいて一気にフラグ手前にあるバリケードのところまでモソモソと移動すると、右手の丘陵地帯を進攻してきたメインの攻撃隊が追いついてきたのが見えたので、周囲を見回して敵兵士がいないのを確認したので

「フラグ右方向クリアー」

と大声を張り上げて味方に安全を伝えると・・・左手方向から思いっきり銃撃を浴びせかけられて昇天してしまった・・・。確かにフラグ右手はクリアーだけど、左手は安全じゃなかったのね・・・

このような調子で当日集まった兵士は無事怪我もなく一日を満喫できたようで、いつもの如くAXELはサバゲの神様に感謝しつつ
まんべ2等兵と家路についたのであった・・・。



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